ゴーストタウンのオープンカフェでスィーツを
「お客さん、最近はこのあたりはゴーストタウンですよ。」僕がそういう話題向きの表情をしていたのか、タクシーの運転手が突然に話しかけてきました。ゴーストタウンとは意外な表現です。ゴーストタウンとは、運転手さんの文脈では、札幌駅から大通りに向かう大きな通りのことです。「夜は、通りから人がいなくなるんです。ススキノに行く客も減ったし。けっこうわびしいですよ。」
特定のバーや居酒屋といった点でなく、線や面で札幌駅前からススキノあたりにかけて少々詳しいビジネス客や旅行客なら、札幌駅から大通り、ススキノに伸びる道路が駅前通りと呼ばれており、札幌駅と大通りを結ぶ部分の地下に、巨大な歩道空間ができたのをご存知かもしれません。左右にイベント用空間付きのたっぷりと広い歩行者専用道路が、地上のすぐ下に誕生したともいえます。
主要な建物へのアクセス利便性は地上と同じ、信号待ちがない、傘もいらない、で、歩行者はどんどんと地下に降りはじめ、自動車用の舗道と歩行者用の歩道から構成されていた地上部分からだんだんと人影が消えている。そういう劇的な変化の認識は僕にはなかったのですが、その近隣を毎日走っているタクシーの運転手さんには、地上から人が消えたという風に感じられるのでしょう。だから「このあたりは夜はゴーストタウン」という発言になります。その一帯ではタクシーに手を挙げる客も以前と比べると、当然、少ないそうです。
雪が積もってそれが凍ると地上の歩道は実に歩きにくくなるので、札幌の中心部分では地下がとてもにぎわいます。雪と寒さを逃れて地下に入る。そういう傾向が、巨大歩行空間によって助長された様子です。巨大歩行通路の目的は、新しい商店街である札幌駅前に偏り始めていた買い物客を、古い商店街である大通りに回遊させることだったと思うので、買い物客の財布が回遊中に実際に軽くなっているかどうかはわかりませんが、消費者に新旧商店街を回遊してもらうという目的は達成しています。
さて、こういうことは一応は自分で確かめたいので(用事のついでなら、時間もお金もかからないので)、午後3時くらいの「駅前通り」を「見学」してみました。5月下旬の週日の昼間なので、ゴーストタウンという形容はどうかと思うけれど、地上の空間は地下空間と比べてたしかに閑散としています。
その饒舌なタクシー運転手によれば、外でおしゃべりするのにここちよい季節には駅前通りにオープンカフェを設置する計画があるそうです。そうすれば地上に人を呼び戻すことができる。地上の飲食店、とくに喫茶店などが困っているのでしょう。札幌はスイーツの街なので、僕のようにスイーツに関心のない人もいますが、この計画は悪くない。
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