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2012年5月11日 (金)

日本の農産物と出版物

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日本の農産物と出版物には、ある種の共通点があるようです。米国の農産物と出版物(とくに電子出版物)にも日本と同じような、しかし方向の違う共通点が見られます。その他の国の農産物と出版物の関係についてはよくわからない(調べる余裕がない)。

都合のいい事実や現象だけを持ってきて牽強付会にまとめるといった比較をときどき目にします。この記事にもその傾向がありますが、そういういい加減さを承知の上でまとめてみます。

農産物と出版物とは何かを、一応、確認しておきます。農産物とは、コメや小麦やトウモロコシや大豆、トマトやパプリカやホウレン草、リンゴやバナナなどのことで、出版物とはハードカバーやソフトカバー(ペーパーバック)の本、そして一般の雑誌や漫画雑誌のような体積と重さのある印刷物、それから、活字情報や画像情報ないしは映像情報で構成されネットワーク上を流通する電子出版物のことです。

日本の農産物と日本の出版物の生産と消費をくらべてみると、ともに日本という土地での「地産地消」が基本になっています。輸出と輸入に目を向けると、ともに入超。輸出は分野が限定されていて、その量もわずかです。(農産物の範囲を食べ物にまで広げると、カップラーメンは輸出の多い品目。寿司は経済的な輸出品目というよりも文化的な輸出品目なので、高級ネタの一部は輸出されていますが、ほとんどが現地調達・現地生産です。)

出版物は、その生産者(著者)も消費者(読者)も日本語という言語を媒介にするので、日本以外での市場開拓は困難です。日本の漫画は、コミックというよりもグラフィック・ノベルなのでその洗練度が他国よりも圧倒的に高いのですが、漫画にも言葉の壁があり、日本語を理解しない人に広く浸透するのは難しい。

一方、米国は農産物(小麦やトウモロコシ、それからコメもそうですが)の輸出志向が強い。ともかく大規模に作って、国内市場がいっぱいなら国外でさばく。日本人が第2次世界大戦後にパンを食べ始めたのも、米国で余った小麦の販売戦略(短期的な余剰分の処分と長期的な需要喚起)の一環でした。米国は牛肉や遺伝子組み換え作物(GM作物)の生産と輸出にも熱心ですが、同じ指向性に根ざした動きだと考えるとわかりやすい。

米国の電子出版物(この中には電子書籍というソフトウェアコンテンツだけでなく、電子書籍用の、あるいはそれに向いたハードウェアも含めます)の生産と流通にも飽くなき情熱を持っているようです。電子出版物の場合は、調達と流通と課金のシステムさえできてしまえば、あとはコンテンツがネットワーク上を飛びかうだけ。インターネットの普及で、英語が情報伝達・情報交換の標準語に徐々に近づいてきているので、そういう目的で英語の電子出版物を普及させる場合の言語障壁は、日本語の場合よりは圧倒的に低い。

以前、モノ作りの発想基盤を「言語発想」と「感性発想」と「物発想」の3種類に分けたことがあります。言語発想やメタ言語発想の例としてはIT(情報技術)の基盤ソフトウェア、感性発想の例としては漫画やゲームソフト、物発想の製品・商品の例として自動車や電気製品や衣類などを挙げてみると、日本人が、世界の他の国や文化と比べて、相対的に得意な発想領域は、「感性発想」と「物発想」だと考えられます。江戸時代から明治にかけてヨーロッパで歓迎された日本の美術工芸品には、その2つの発想がうまく集約されているように思えます。

すると、農産物や出版物は、どういう発想基盤と適合的なのか。ぽとぽとと思案中。

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