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2012年7月20日 (金)

海苔(のり)はおいしい、海藻はおいしい。

一部の蕎麦好きの方は、例えば「ざる蕎麦」というのか「もり蕎麦」というのか、そういう作りの蕎麦を食べるときに、海苔(のり)を細切りにしたのを蕎麦と一緒に食べるかどうかに関して強い主張(蕎麦の風味を壊すので海苔は食べない)があるようですが、僕は海苔と一緒に食べる方が好きです。

海苔(のり)は、とても栄養に富んだ海の野菜で、正確には海草ではなく海藻、つまり海の藻類〈そうるい〉ですが、その藻類には昆布、海苔(のり)、もずく、ひじき、若布(わかめ)、てんぐさ、といったもの、つまり僕たちが食料としている海藻類がほとんど含まれます。しかし、そういう分類は面倒なのでここでは海藻類という便利な用語でひとくくりとします。海藻は、胞子によって繁殖するという意味では海のキノコ類ですが、食材としては海の野菜です。

世界中で伝統的に海藻類の好きな民族は、どうも日本人と朝鮮人くらいのようです。日本では8世紀初めの「大宝律令」に、若布やてんぐさや海苔が登場するそうですが、これが「租庸調」の「調」(物で納める税金)の一部にあたるのかもしれません。モノの本には、調として、絹・あしぎぬ・綿・布・鉄・海産物などの特産物を納めたとあるので、そのころから日本人はよく海藻を食べていたのでしょう。藻塩(もしお)という古代塩はホンダワラなどの海藻を使って作った塩。海藻との付き合いはとても長い。

海藻好きの日本人ではあるのですが、最近の日本の若布(ワカメ)の自給率は、昆布と違って低く、重量ベースで18%くらい。大半を中国や韓国から輸入しており、スーパーなどの棚には、輸入乾燥若布・輸入塩蔵若布のパッケージがいっぱい並んでいるのはご存じのとおりです。しかし、中国の若布(ワカメ)は日本から移入した養殖技術をもとに東北地方(遼寧省大連及び周辺地区の海域)で生産されており、米国のコメと同じで、中国ではそれが食べ物として好きだからというよりも、輸出ビジネスになるので栽培しているといった方が正確だと思われます(関連記事は「コンブとワカメ」)。

海藻類(海藻と海草)のことを、英語では Seaweed と言います。 Weed とは名詞だと「雑草・草・海草、はびこるもの・じゃまなもの 」という意味、動詞だと「雑草を取り除く、無用物や有害物を除く」という意味です。だから、英語国民や英語を主たる言語とする人たちにとって Seaweed は食べる対象物とは通常は考えられない。

しかし、日本食としての寿司が外国でも人気メニューとなり、にぎりと海苔巻き(日本標準の太巻き・細巻きだけでなく、カリフォルニアロールのような各国版・現地版の海苔巻き <Sushi Roll> を含む)を通して、海苔という海藻を食べる人たちの数も徐々に増えてはいます。だから、 Seaweed も少し出世して、一部の人たちの間では Sea Vegetable へと呼び方が変わってきた模様です。

我が家では、昆布や若布(ワカメ)は、ほぼ毎日、口にしています。サラダや酢の物を別にすれば、出汁(だし)の材料や味噌汁の具、白身魚の昆布締めといった地味な登場の仕方が多いのですが、地味とはいってもほとんど和風料理のインフラではあります。必需品なので常備品です。

僕が、今までおいしいと思った海藻類は、食した回数の多寡で線引きをしなければ、以下のようなものがあります。海藻好きの日本人にとってはおなじみのものばかりです。昆布や海苔、若布といった表記は慣れていますが、その他はなじみが少ないという意味で、海藻類の漢字表記は難しい。ここでは漢字と平仮名を併記します。上から、あいうえお順です。複数の漢字表記があるようですが、代表的と思われるものを選択しました。括弧の中(・・)は、僕のコメント。

・石蓴・あおさ(この緑色は、ときどき口にした)
・青海苔・あおのり(四万十川の青海苔はおいしい)
・荒布・あらめ(海に近い旅先や旅館でときどき食べる)
・岩海苔・いわのり(北海道の利尻島・礼文島の岩海苔の味が印象に残っている)
・川海苔・かわのり(ほとんどの川海苔は地産地消、四万十川の青海苔は川海苔)
・昆布・こんぶ (料理と出汁の必需品。利尻昆布・羅臼昆布・日高昆布・真昆布など複数の種類を使う。おでん種としての結び昆布は好物。白身魚をそのまま刺身で半分、昆布締めで半分というのも結構なものです。)
・天草・てんぐさ(寒天の材料なので、定期的に寒天ゼリーとして食べている)
・海苔・のり (和風朝ごはん、ざる蕎麦、太巻き・細巻きの必需品)
・鹿尾菜・ひじき(和風おかずの定番のひとつ)
・布海苔・ふのり(これは、かつて接着材として使っていた。たとえば、障子紙。)
・海松・みる(どこかで食べた記憶がある)
・水雲(あるいは、海薀)・もずく(これは、やはり、酢の物)
・若布(あるいは、和布)・わかめ(必需品であり常備品、酢の物や味噌汁など)

ずっと以前、独身のころ、オリーブオイルをからめたスパゲティーに海苔の佃煮(つくだに)をそえて食べていた時期があります。アサリでも一緒に具材にしたら「らしく」なるのですが、面倒だったのでそういうことはしない。ブロッコリーやカリフラワーを別に茹でて温サラダにすれば、休日のチャチャッと作る昼ごはんや手抜き晩ごはんにはなりました。

湿らせてしまった海苔を海苔の佃煮にするというのは海苔救済のいい方法ですが、ちゃんと保管していたら海苔は湿らない。乾いた海苔をもっとたくさん普通に食べる方法を現在、配偶者と、思案中です。

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