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2012年7月24日 (火)

米国でトウモロコシや大豆に旱魃(かんばつ)被害、だそうです。

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他のニュースソースでもこの話題が少し前から報じられていますが、以下は日本経済新聞の記事(2012年7月20日)の引用です。(引用は『・・・・』部分)

『米干ばつ、国土の6割』『穀物被害 深刻に』『トウモロコシ 最高値』『米で熱波による穀物被害が深刻になってきた。・・中略・・トウモロコシの国際価格が1年1か月ぶりに過去高値を更新。穀物需給の逼迫が食肉など幅広い品目に波及し世界的な食糧インフレを引き起こす懸念も強い。・・・中略・・・今夏の熱波は西海岸のカリフォルニアから南部のフロリダまで米大陸を横断する格好で猛威を振るっている。トウモロコシや大豆の世界的産地である中西部を直撃している形だ。両作物とも8割弱の生産が熱波で何らかの被害を受け、凶作の恐れが急速に広がっているという。・・・後略・・・』

穀物先物価格の週足推移を見ると、トウモロコシは2008年と2011年に、大豆は2008年に高値を付けていますが、両作物とも過去の最高値を更新した模様です。

ところで、「米国でトウモロコシや大豆に旱魃(かんばつ)被害、だそうです。」と冷ややかに書いたのはこうした事実やそれを報じる記事への「ないものねだり」の気持ちからです。実際には「ないものねだり」とは思っていませんが、僕は以下に述べるような種類の層別データに関心があります。

GM作物の商業栽培が始まったのが1996年なので、GM栽培の歴史は15年くらいですが、この10年で、GM作物(遺伝子組み換え作物)の栽培量もずいぶんと増えてきました。主要GM作物は、下の表にもあるように、大豆、トウモロコシ、綿花、カノーラ(菜種)ですが、「ある作物のGM作物の栽培面積(作付面積)」と「その作物の総栽培面積(総作付面積)、すなわち、慣行栽培〈非GM栽培〉とGM栽培の合計」の比率を見たら、その作物のGM度(遺伝子組み換え栽培浸透度)がわかります。

2008年と2011年の世界のGM作物比率(ただし、作付面積比率)を見比べると、それぞれがきれいな上昇傾向を示しています。最近の上昇傾向には、発展途上国のGM作物生産の拡大が影響していますが、米国の80%から90%というGM作物浸透度の高さに改めて驚きます。

Gm_2


僕の「ないものねだり」とは、旱魃(かんばつ)被害状況を、「GM作物」と「慣行栽培作物=非GM作物」に層別して、そのおのおのの被害状況(というか、その違い)を知りたいということです。

GM作物は、米国の巨大アグリビジネスが、農薬と一緒にセット販売しています。たとえば、そのあたりの雑草をすべて枯れさせてしまうような強力な除草剤と、その除草剤には耐性を持った作物を一緒にセットで農家に販売する(農家は、それ以外の購入選択肢を持たない)という意味です。だから、あるGM作物の浸透度が80%~90%ということは、当該作物の大部分は同じ遺伝子構造を持っているので、そのタイプがある種の気象現象(たとえば、熱波)に弱いとなると、仲間は軒並みやられてしまう。GM作物でない残りの10%~20%が、この熱波にどう対応しているのか、どう生き延びているのか、その状況を、GM作物との対比で確認したい、と思っています。

GM作物は著作権管理が厳しいので、どういう農家がどういうGM作物を生産しているのかを、巨大アグリビジネスはしっかりとつかんでいます。だから、僕の「ないものねだり」は、非GM作物栽培農家の協力があれば、それほど難しい要望ではありません。比較数値が確認できたら、それがどういう結果であれ、「米国でトウモロコシや大豆に旱魃(かんばつ)被害、だそうです。」という揶揄的なトーンは、その時すぐさま引っ込めようと考えています。もっとも、この手の数値は通常はなかなか出て来ませんが。

関連記事は「GM(遺伝子組み換え)作物の生産状況」、「GM(遺伝子組み換え)作物の生産状況・補遺」および「GM作物と鶏・豚・牛とTPP (その2)」。

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