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2012年7月12日 (木)

北海道の石炭と日本の石炭消費、それから電力のこと

谷地(やち)という地名は東日本によく見られますが、谷地の意味は、東日本では低湿地、北海道では低湿地というよりも泥炭地。札幌市内にも大谷地(おおやち)という地下鉄の駅があります。流通センターや倉庫が集積している地域で、商品展示会などのイベントに向いた施設がそろっているし、遠距離バスの停車駅でもある。ただし、泥炭地なので、石炭はとれません。

北海道の石狩地方は、北九州と同じで、製鉄業や電力業という石炭の安定消費産業が近所にあったので、夕張市・三笠市・美唄(びばい)市など札幌の北東近郊地域で、かつては「石狩炭田」が栄えていましたが、1970年代から80年代にかけてすべて閉山。それ以外の場所でも閉山が続き、現在、北海道で石炭を掘っているのは釧路だけです。釧路に「釧路コールマイン」という会社があり、石炭採掘と炭鉱技術の海外移転と技術コンサルティングを事業として営んでいます。炭鉱技術の移転先国はベトナム、中国とインドネシア。1年間の生産量は60万トンから70万トン。

日本の1年間の石炭消費量は、2007年が1億8943万トン、2010年が1億8456万トン。消費量の50%が「電力業」(火力発電所)で、36%が「製鉄業」。残りの14%が「窯業」や「コークス生産」に使われています(経済産業省資料など)。日本の年間石炭生産量は「釧路」を含んで129万トン、したがって、石炭自給率は 0.7% 。99.3%が輸入です。

石炭生産量が世界で一番多いのは中国だけれど、日本が一番多く輸入しているのはオーストラリアで輸入量の63.7%、ついでインドネシア(18.3%)、3番目がロシア(5.8%)、カナダ(5.7%)、中国(3.4%)と続きます。

「釧路コールマイン」の石炭を利用しているのは、すべて火力発電所です(図は2002年のデータですが、ホームページから拝借しました。)

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文化欄やスポーツ欄あるいは消費・流通欄や地域経済(北海道経済)のページだけにはよく目を通すのが日本経済新聞ですが、その新聞の北海道経済のページ(7月5日)に次のような見出しと書き出しの8段記事が掲載されていました。

「再生エネ発電能力300万キロワットに」「札幌全世帯分並み」「大規模太陽光発電(メガソーラー)や風力発電の設備計画が道内で相次いでいる。北海道電力によると、メガソーラーと風力で新たに売電を希望する事業者は最大発電能力で計約300万キロワットと札幌市の全世帯の使用電力を賄う規模になる。」

「再生エネ」と名付けられたもののなかには「メガソーラー」、「風力発電」「洋上風力発電」そして「地熱発電」が含まれています。また、この計算の中には北海道電力のもの2か所含まれており、ひとつは伊達市のメガソーラーで1000キロワット(稼働中)、もうひとつが森町の地熱発電所で規模は5万キロワット(稼働中)。300万キロワットに対しては1.7%と非常に小さい。

これらは寄せ集め所帯以前のバラバラ所帯なので、電力会社の発電をメインフレーム処理とすれば、非常に素朴なグリッド・コンピューティングやクラウド・コンピューティングの段階(現実はそれ以前のバラバラ・コンピューティング)ですが、300万キロワットは、泊原子力発電所の定格出力207万キロワット(現在は停止中なのでゼロ)をカバーします。(実際には、稼働率が絡んできます。地熱発電は安定していますが、風は吹かないときもあり、雨が降ると太陽光が届かない。原子力発電の稼働率を80%とすると出力は166万キロワット、「再生エネ」の平均稼働率を25%とすると75万キロワット。)

僕は、パラメータが変動したのだから石炭を使った火力発電をもっと急いで大規模に復活させたらいいのに、という意見ですが、ここではこれ以上は踏み込みません。

以下は北海道電力の設備別発電量などのサマリ。その気になれば、泊原子力発電所はなしで済ませられそうです。財務的には、稼働しない不良資産と使用済み核燃料を含めたそのメンテナンスという経費が大変ですが、それは本質的なことではありません。

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関連記事は「石炭・石油・天然ガスの可採年数がこの10年でどう変わったか」、および「石炭・石油・天然ガスの可採年数がこの10年でどう変わったか <補遺>」。

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