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2012年9月 5日 (水)

お米の乳酸菌

自宅で味噌を仕込むような習慣がなくても、糠漬け(ぬかづけ)の糠床(ぬかどこ)を毎日かき混ぜているような方には簡単な作業です。豆乳ヨーグルトを自宅で作っている方にも簡単でわかりやすい製造工程だし、成果物です。

元気なお米のとぎ汁は、実によく乳酸発酵をします。半分死んだようなお米、つまりお米にとって心地いいとは言えない温度や湿度の場所で精米してからけっこう時間が経過したようなお米や古米は、自宅ではそういうのを持っていないので実験ができませんが、うまく乳酸発酵しないそうです。

お米のとぎ汁の乳酸発酵は、すでに実行されている方の知恵を拝借したものです。味噌や糠漬けや梅干しのような伝統食作りは、先人や母親のやり方のモノマネが出発点なので、そういう意味ではお米のとぎ汁を乳酸発酵させたものも、そのうち伝統加工品のひとつになるかもしれません。リバイバル調味料である塩麹(しおこうじ)は先人の知恵の再発見・再開発・再利用ですが、これらは同じ枠組みの中での食の活性化現象のように僕の眼には映ります。

お米のとぎ汁はとぎ汁なので、お米を研いだ後は通常は流しで捨ててしまいます。しかし、これを1.5リットルのペットボトル(たちえば、ミネラルウォーター用のペットボトルで飲んでしまって空になったもの)に移し、そこに栄養分として黒砂糖と自然塩を加え、よくかき混ぜるためにシェイクしてやるとすぐに乳酸発酵が始まります。お米が元気だと、栄養分など入れる前からペットボトルの中でそのままぷくぷくと乳酸発酵を開始する様子が観察できます。元気なお米とは、たとえば、米屋で買った精米直後の白米、あるいは、適切に貯蔵してあった玄米を家庭用精米機で精米したばかりのお米のことです。

ペットボトルの保管場所の温度にもよりますが、夏だとどんなところでも1週間もすれば完全に乳酸発酵します。きれいに発酵させるために毎日一度はボトルの上下をひっくり返すといった感じでシェイクしてやると、3日くらいでペットボトルがまっすぐに立てないくらいにぷーと膨らんできます。乳酸飲料のでき上がりです。そのまま飲んでそれなりにおいしい。(ただし、そのままではまずいという人もいるかもしれない。)捨てるはずのとぎ汁と空になったペットボトルを利用するので、実質コストは黒砂糖と塩と若干の労務費。

生理学の入門書などを開くと、血液の項には白血球が登場し、マクロファージやリンパ球、そして細胞性免疫作用や体液性免疫作用の記述へと進みます。免疫作用とリンパ球の説明の中ではヘルパーT細胞の1型(Th1)や2型(Th2)が言及され、両者のバランスが崩れると、たとえば2型が強く作用しすぎると抗体が多くなって免疫が過剰に反応してしまい、花粉症などアレルギー体質になりやすいことなどがわかります。

バランスが2型優先に傾きがちな場合は、両者のバランスを維持するのに乳酸菌が役に立ちます。日本人に手軽で便利なのは、米(コメ)などにある植物由来の乳酸菌です。つまり、普段の糠漬け(ぬかづけ)であり、シバ漬けであり、そして、発想がもっと跳んでいるのがお米のとぎ汁を乳酸発酵させたものだと思われます。乳酸菌は毎日食べているお米に住んでいるものをそのままありがたくいただく。

乳製品がとても好きな方以外は、牛乳を乳酸発酵させたものをわざわざ買う必要はないと思います。ヨーグルト風味と乳酸菌の種類にこだわる方には、自家製豆乳ヨーグルトという選択肢もあります。

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