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2012年9月27日 (木)

「地産『他』消」指向の北海道の加工食品会社

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ターゲット顧客を、「30歳代から40歳代で自身のライフスタイルに敏感な女性」と決めたら、そういう女性はたいていは忙しく働いていて、そのライフスタイルがどのようなものかの詳細は別にして、自分のライフスタイルの維持のためには出費を惜しまない人たちです。気に入ったお店での外食を好み、それから、体によさそうなものを自宅で食べるのも好きですが、ゆっくりと自分で料理する時間はありません。

北海道や札幌にはそのタイプの女性は多くない。そういうターゲット顧客層を目指すのであれば、いくら北海道に上質な野菜があっても、北海道での地産地消を軸としたビジネスは、残念ながら、展開できません。ビジネスの中心は北海道から離れた首都圏ということになります。つまり「地産『他』消」という構図です。取引先の流通チャネルもおのずからターゲット顧客にふさわしいところに絞られてきます。

僕が初めてその会社の商品に出会ったのは札幌の食品関係のセレクトショップです。そのときの加工食品は野菜のピクルスなどを瓶詰(びんづめ)にしたものでしたが、パッケージやラベルのシンプルな美しさにちょっと驚きました 青山通りのセンスです。次の出会いは、都心の高級食材小売り店。その次が出先から札幌への飛行機の中。宿泊を伴うあわただしい外出だとどうしても野菜不足になります。帰りの飛行機の中で飲みきりサイズのミニトマトジュースを買って付け焼刃の野菜補給としました。

この加工食品会社の商品を拝見すると、パスタ類を除いて、あとはピクルスやディップ、ジャムやソース、野菜や果物のジュースなど蓋(ふた)を開けたらすぐに食べられるものばかり。「体によさそうなものを自宅で食べるのも好きだが、ゆっくりと料理する時間がない」、しかし懐に余裕のある洋風料理の好きな30歳代から40歳代の独身女性、あるいは同年代のゆとりのある主婦には便利な商品ラインアップです。ただし、瓶詰の蓋を開けるのが億劫になる年代には向いていません。パッケージデザインは、パスタ類を含めて秀逸。ターゲット層の感性を引きつけます。

今度、50歳代前半の知り合いの女性と話す機会があれば、この会社の加工食品をご存知かどうか聞いてみることにしましょう。この女性は札幌でお勤めの独身の方。すでにリピーター的なお客になっている可能性もあります。

この会社の顧客への基本メッセージは「どこにもない上質な味。北海道ならではのピュアな美味しさをお届けしたい。」というもの。ミニトマトのジュースに関してはその通りなのですが、ディップやドレッシングやトマトソースといった味付けをともなう加工食品には、アミノ酸等調味料・異性化液糖・増粘剤・酵母エキスなどのよく見かけるタイプの食品添加物が、それぞれの食品特性に合わせて入っていて、基本メッセージがぼやけている感じがしないでもない。もっとも、よく売れているということは、顧客は、「ぼやけている感じ」を気にすることなく、商品の「上質な味」と「北海道ならではのピュアな美味しさ」を評価しているわけで、ターゲット顧客層の外側に位置する人がとやかく言う筋合いのものではないのかもしれません。

その加工食品会社の売り上げは、その70%が「北海道の外」。

トマトジュース以外を口にせずに何かをを言うのは失礼な話なので、この会社のトマトソース(1人前用パッケージ)と自家製のバジルソースを使って、赤と緑でハーフ&ハーフの具なしピザを配偶者に焼いてもらいました。日曜の夕方のお酒のおつまみです。ターゲット顧客層から外れている僕の舌にも、このトマトソースは穏当な味でした。しかし、値段を考慮すると、やはり懐に余裕のある忙しい30歳代から40歳代の女性向きだと思われます。

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