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2012年9月 7日 (金)

ファーストフィッシュ?

農林水産省は食べるものや食材のマーケティングに関してけっこう無駄なお金の使い方も得意ですが(関連記事は「朝ごはんと、ディ・マーケティング」)、農林水産省の一組織である水産庁の今度の「ファーストフィッシュ」プロジェクトは、「鮮魚タイプや焼きたてタイプ」の品ぞろえが充実してくれば、比較的いいマーケティング結果を生むかもしれません。

「ファーストフィッシュ」プロジェクトの目玉は、水産庁資料から一部をそのまま拝借すると、以下の通りです。なお、ファーストフィッシュとは Fast Fish で、Fast Food の魚版。

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当節の人気食材・人気加工食品のキーワードは「あまくておいしい」「調理が簡単で食べやすい」です。加工食品は言うまでもなく、野菜も果物もそういう傾向にある。だから、そういうタイプの魚がたとえばスーパーやコンビニの売り場に並べられたら、たとえ生魚であっても、主婦や独身女性・独身男性の人気を博しそうです。

過去2年の僕のブログ記事から、魚(とくに鮮魚)に関して、このトレンドに関係しそうな部分を、2年前、1年前という区切りで引っ張ってみます。

まず、2年前の2010年5月のブログ記事(「魚の惣菜(そうざい)や味付けの切り身」)から一部を引用。

『スーパーでなくコンビニだったせいか、味付け魚の切り身はどこにもおいてありません。しかし、魚惣菜は、とくにローカルコンビニでは豊富にそろっていて、サバ(塩焼きと竜田揚げ)に始まり、北海道らしく、サンマ、ニシン、シシャモ、タコ、コマイ(タラの一種)などの100円の塩焼きや煮つけが、100円の各種サラダや漬物といっしょに並んでいました。シシャモの塩焼きに関してはさすが北海道で、材料欄には「アラスカシシャモ」と輸入物であることを明記してあります。しかし、サバに関してはどこのものかはわかりません。そのローカルコンビニでは生野菜を小口で並べてある棚もあり、こうなると魚の味付け切り身もまもなくかなと思わせます。早めの夕方に入ったのですが、お年をめしたご婦人の姿もちらほら目につきました。』

次に、2012年1月の記事(『野菜と果物と魚と「つゆの素」』)からの引用。『そのまま台所でグリルするところまで準備されたサンマ』が、とあるスーパーで販売されていたのは、北海道でのサンマの旬の時期なので、2011年の8月から9月。バジル風味のオリーブオイルなどで下味がついていました。

『少し古いデータですが、家庭で魚を食べない理由の調査があります(水産白書、平成18年)。やや私見をまじえてグラフの内容を要約すると、「子供と配偶者が魚が嫌いなので主婦の私は魚の料理は作らない、調理も大変だし、焼くとにおうし、骨はあるし、後片づけもうんざりするので、魚には手を出さない。でも家族で回転寿司に行くのは、大好き。片づけなくていいし、お寿司の魚に骨はない。」

スーパーなどでも味付きというか、そのまま台所でグリルするところまで準備されたサンマなどを、旬の時期にはよく見かけました。「そが上に青き蜜柑(みかん)の酸(す)をしたたらせてさんまを食ふ」そういうサンマではなくて、洋風ソテーの対象としてのサンマ。』

そして、2012年8月の「ファーストフィッシュ」に至ります。上記の水産白書(平成18年)からは6年目の出来事です。

第一回目の「ファーストフィッシュ選定商品」に選ばれたのは53種類(2回目以降の商品公募は継続中)。ざっと全体を拝見すると、共通項は「電子レンジでチン」「フライパンでジャー」「中骨抜きで丸かじり」。ただし、すでに焼いて保存してあるのを電子レンジでチンといった加工食品が多く、鮮魚タイプや焼きたてタイプは少ない。僕は、一人でも食べられる鮮魚タイプや焼きたてタイプの商品の充実が、魚という食材の啓蒙を兼ねた魚需要拡大の鍵だと考えていますが、現在のところそういうタイプは、「刺身の単品盛り」や「トレーのまま電子レンジでチンできる、味つけの済んだ鮮魚の切り身など」などに限定されているようです。

これと対極に位置する「スローフィッシュ」が、今の時期だと、たとえば鰯(いわし)の梅煮(あるいは梅干し煮)。酢で骨をやわらかくするので骨までおいしく丸かじりできます。ただし、調理時間は落し蓋をして丁寧に煮る前工程が1時間半、味の仕上げの後工程が30分で合計2時間。使う調味料は、酢、梅干し、日本酒、醤油、味醂。我が家の好物のひとつです。

以下は、ファーストフィッシュのロゴマーク。なぜか英語だけれど、結構かわいらしい。

Photo_2

     ロゴマークは、水産庁のホームページの資料からお借りしました。

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