米の食味ランキングと、おいしいお米の生産地分布

『「うまいコメ」勢力図、激変 北海道・九州の評価急上昇 「うまいコメ」の勢力図が様変わりしている。国内有数の穀倉地帯である東北や北陸地方に代わり、品種改良を進めた北海道や九州の新銘柄の評価が急上昇、旧来産地を脅かしている。新銘柄は消費者にも浸透してきており、従来産地は巻き返しに懸命。新米の季節を迎え、販売競争は激しさを増しそうだ。』(産経新聞 2012年10月28日、下線部分はタイトル)という記事が目に入りました。
北海道フードマイスターとしては、北海道のお米の評価が上昇するのはうれしい限りです。
(財)日本穀物検定協会は毎年2月に、その前の年に収穫されたお米の食味ランキングを発表しています。
当協会のホームページから食味ランキングの趣旨や方法や対象に関する記述を引用すると、『米の食味ランキングは、炊飯した白飯を実際に試食して評価する食味官能試験に基づき、昭和46年産米から毎年全国規模の産地品種について実施しています。食味試験のランクは、複数産地コシヒカリのブレンド米を基準米とし、これと試験対象産地品種を比較しておおむね同等のものを「A’」、基準米よりも特に良好なものを「特A」、良好なものを「A」、やや劣るものを「B」、劣るものを「B’」として評価を行い、この結果を、毎年食味ランキングとして取りまとめ、発表しています。平成23年産米については、129産地品種について食味試験を実施しました。』。
平成23年産米に関して言えば、「特A」が25銘柄(産地品種)、「A」が54銘柄(産地品種)、「A’」が49銘柄(産地品種)、「B」と「B’」は(23年産だけでなく通常は)該当対象が存在しないので、産地品種数で見れば「特A」が20%、「A」が42%、「A‘」が38%。「B」と「B’」はそれぞれ0%です。
基準米が「複数産地コシヒカリのブレンド米」であり基準米とおおむね同等なものが「A’」なので、食味ランキングの対象となったものすべてが基準米と同等かそれよりもおいしいということになりますが、それが妥当かどうかは気にせずに、ここでは、非常においしいと評価されるお米(「特A」)が全体の20%ほど存在するということだけに注目します。どういうお米がその20%に入っているのか、20%を構成する25銘柄はどういう生産地に分布しているのか。
同じ発表データから同じような地図を作るのも面倒なので、「JA全農・山形」様のホームページから「平成23年産 米の食味ランキング 特A銘柄」の地図をお借りします。山形のお米に関しては「ゆめぴりか」の競合米ということでいくつかの記事を書き、そこには「つや姫」の食味の紹介や「つや姫」戦略への言及もあるので(「気になるお米、気になる競合(その1)」、「気になるお米、気になる競合(その2)」、『続「気になるお米、気になる競合」、あるいは「つや姫」』など)地図をお断りなく引用することをご承諾ください。
上の地図は「JA全農・山形」様のホームページからお借りしました。だから、山形県のお米の字が他地域より大きくなっています。
新潟(岩舟・佐渡・中越・魚沼)のコシヒカリの高評価は相変わらずですが、北海道と九州北部に食味評価の高いお米が広がっています。
◇◇◇
(以下は2013年2月に追加)
「特A」産地銘柄が、2010年から2012年にかけて、3年間でどう変化したかについての簡単な地図は 続・「米の食味ランキングと、おいしいお米の生産地分布」 にあります。
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