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2012年10月31日 (水)

「守口漬け」雑感: 「さすが」と「やっぱり」

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ご飯は米(コメ)を炊いたものなので噛んでいると米のほのかな甘さが口に広がります。日本酒は米が原材料なので、日本酒もほのかな甘さが基本の味わいとなります。基本は広がりを内包しているので、より甘い方向に広がったりより辛い方向に伸びたりして、甘口の酒や辛口の日本酒ができ上がります。しかし、超甘口や超辛口となると、居酒屋での試し飲みには向いていますが、自宅で楽しもうとは思わない。ほんの一口で十分という感じです。食べ物の味を台無しにしてしまう。

ぼくにとって家庭の晩酌でおいしい日本酒は、どちらかというと東京より西側の太平洋に面した地域(静岡や愛知など)や瀬戸内海に接する地域(兵庫や山口など)のものです。ここで愛知とは名古屋のことです。

さて、守口(もりぐち)漬けの話です。守口漬けとは、1メートル以上になる細長い守口大根を味醂粕(みりんかす)ベースの奈良漬にしたもので、名古屋の特産品ですが、作り手によって相当に味が違います。ひとつは、「さすが」といえる味で、もうひとつは「やっぱり」とでも形容することになる味です。「さすが」と「やっぱり」の差は僕の味覚と好みが判断する違いなので、他の方はあるいは逆の判断をされるかもしれません。

「さすが」の方は、味は辛めですっきりとしています。味醂の強さと甘さが控えめに制御されていて、箸の順番は考えますが、他の漬物と交互に食べても他の漬物の邪魔をする度合いが少ない。一方、「やっぱり」の方は、妙に甘たるくてその甘さによる押しが強すぎる。一切れを食べただけで濃厚な甘さがとたんに口中に広がって、ご飯のほのかな甘さや味噌汁の風味や他の漬物の味を一挙に押しのけてしまい、その結果、二切れ目を口にする気が消え失せます。

どこに違いがあるのか。「さすが」の守口漬けの品名と原材料欄、および「やっぱり」の方の品名と原材料欄の記載事項を比べてみると次のようになります。蛇足ですが、原材料欄では、その食べ物(漬物などの加工食品)を作るときにいちばん多く使われているものがいちばん左側に、二番目に多く使われているものが左から二番目に記載され、そして使用量が少なくなるにしたがって段々と右側に移動していきます。

◇「さすが」の守口漬け
  ◇ 品名:奈良漬
  ◇ 原材料:守口大根、漬け原材料[味醂粕、酒粕、食塩、砂糖]

◇「やっぱり」の守口漬け
  ◇ 品名:奈良漬
  ◇ 原材料:守口大根、漬け原材料[酒粕、味醂粕、糖類(砂糖、水飴)、食塩、味醂]、酒精       

蛇足ですが、「さすが」というのはその地域の持つ精妙なモノづくりへの敬意、「やっぱり」というのはその地域で伝統的に濃すぎる味・強すぎる味の再確認、という意味です。

僕の好みでいえば、甘さは、味醂粕と酒粕の持つ米の甘さだけで十分で(味醂は「もち米」と米麹、日本酒は「うるち米」と米麹、からできる)、「さすが」のように塩で辛みとすっきり感を出し、微量の砂糖を加えて味を調(ととの)えるのであろうところまでは納得できますが、「やっぱり」のように砂糖と水飴が塩の左側に記載され、そしてさらに追加の味醂というのはというのは僕にはついていけない世界です。こういうのを消費者のわがままと云います。

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