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2012年11月20日 (火)

1年後の「現金不足の時は、普通は、定期性預金を解約」

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米国政府発表の統計データにはときどき「あとからあわてて訂正」が見られます。集計計算や解析はソフトウェアが勝手にやると思うので、そういうところでは、慣れてない人がプログラムの手直しを行ったときにバグが忍び込んでしまうといったよくある事態を別にすれば、通常は間違いは起こりません。「あとからあわてて訂正」といった場合は、ソースデータの収集過程で一部のデータの取りこぼしやデータのダブりが発生したのかもしれません。

こういう毎月更新されるデータでも、次の更新時に、突然、前回のデータの一部が置き換えられていることがあります。ある個所の前回と今回の数字の違いが0.1%くらいであれば集計誤差・統計誤差で片づけられますが、前回との違いが10%を超えたりしていると、なにか特別な意図でもあるのか、あったのかと勘ぐってしまいます。しかし、それはさておき・・・。

1年前の記事「現金不足の時は、普通は、定期性預金を解約」の続きです。

以下は、米国の財務省が毎月公表している「(米国を除く)国別の米国債保有残高の推移」(2012年10月16日付)を、中国(香港を含む)の保有高と日本のそれだけを抜き出して折れ線グラフにしたものです。中国と日本だけで各国保有量合計の45%~48%くらいを占め、他の諸国の保有量は、3番と4番と5番がなく、6番から9番までも見えず、そのあとやっと現れるのが10番目の国といった感じになっています。たとえば、2012年8月末の中国(香港を含む)の保有残高が1兆2930億ドル(1ドル=80円の邦貨換算で103兆円)、日本のそれが1兆1220億ドル(同、90兆円)、英国は1540億ドル(同、12兆円)で日本の13.7%、ドイツは640億ドル(同、5兆円)で日本の5.7%といった具合です。

中国は、保有残高はいちばん多いですが、債権の流動性を利用して米国債の売り買いを繰り返し、一定水準以上には持たないようにしているようです。一方、我が国の保有残高は、買うのはいいが売るのはアンタッチャブルだと考えているような動きで、これは2010年9月からの数字を左に並べるともっとよくわかるのですが、2年前の8610億ドル(80円換算で69兆円)から1兆1220億ドル(同、90兆円)へときれいな右上がりになっています。

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我々が社債や国債を購入する場合は、それらを流動性の高い安定した定期性預金としてポートフォリオに組み入れますが、急に現金が不足した状態になり、しかし銀行などからの借入金を今以上増やしたくない場合は、通常は、定期性預金を必要額だけ解約します。

税の使い道に関する議論はさておき、税収不足が複数の会計期間にわたって見込まれる場合、消費者の消費性向が低い中で消費税率を上げることで対応するのではなく、その複数会計期間にわたって上記の流動性預金、つまり米国債を、債券市場を棄損しない程度に一定額(たとえば、毎年5兆円から10兆円)ずつ丁寧に取り崩せばいいように思われますが、どうも、というか、見えざる手でも働いているのか、そういう方向には物事は動かない。

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