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2012年12月18日 (火)

カット野菜と「姥(うば)捨て山年齢・症候群」

カット野菜の売れ行きが好調で、売上金額は年に450億円。これは小売りチャネル経由の野菜売り上げの2~3%分だそうです。これからの成長余地もある。(日本農業新聞)。

当節の人気野菜のキーワードは「あまくておいしい」「調理が簡単で食べやすい」なので、「調理が簡単に手軽に」と「ひとり分ないし二人分用の少量パッケージ」という別の簡便さを組み合わせるとスーパーやコンビニの野菜売り場でよく見かける「カット野菜」ができ上がります。デパ地下では、付加価値の高い惣菜サラダとの競合を避けるためでしょう、見かけたことがありません。(関連記事は『野菜と果物と魚と「つゆの素」』)

キャベツや大根やニンジンは皮を剥いたり切り刻んだりする手間が必要ですが、切り刻まれた根菜類や食べやすい大きさにそろえられた葉物野菜がひとり分ずつ袋付めされていると、製造工程で殺菌消毒をいっぱいされているのだろうな、その分元気がなくなっているかもしれないなということさえ気にしなければ、生(なま)の野菜を摂取したい消費者には便利な商品です。

売り場でよく目につく袋詰めのカット野菜を並べてみます。

・何種類かのレタスを組み合わせたグリーンサラダ
・キャベツとレタスとニンジンなどのミックスサラダ
・素人には不可能な、みごとな千切りキャベツ
・タマネギを中心にまとめたサラダ
・大根を中心にまとめたサラダ
・その他

同じ売り場でドレッシングも一緒に購入すると好みの味のサラダがすぐに食べられます。しかし、カット野菜だけでは、ダイエット中の人を別にすれば、量と種類がおそらく十分ではないので、カット野菜と似たような性格であるところの出来合い総菜も一緒にその人の食卓に並ぶであろうことが想像できます。これをもう一歩進めると、これは年齢やライフスタイルとも関係してきますが、出来合い惣菜ではなく、宅配の夕食弁当ということになります。

「姥(うば)捨て山年齢・症候群」というものを考えています。僕の勝手な造語です。

『(前略)ダンノハナという地名あり。その近傍にこれと相対して必ず蓮台野(れんだいの)という地あり。昔は六十を超えたる老人はすべてこの蓮台野へ追い遣(や)るの習(ならい)ありき。老人はいたづらに死んで了(しま)うこともならぬ故に、日中は里へ下り農作をして口を糊(ぬら)したり。(後略)』(柳田國男「遠野物語 <111>」)という話が遠野で伝承されてきたということは、それほど遠くない昔までは日本のどこかで実際に「姥捨て」が行われていたということなのでしょう。

僕の云う「姥捨て山年齢・症候群」は実年齢とは関係がありません。食の日常が、カット野菜や出来合いの総菜や宅配弁当に相当な程度で依存するような状態になることを、「姥捨て山年齢・症候群」と勝手に呼んでいます。

キャベツを一玉買っても食べ切れない、腐らせてしまうのももったいないので、切り刻まれたひとり分が袋詰めされているのを買って食べる方が合理的と考えるのが「姥捨て山年齢・症候群」の特徴のひとつ。それと反対なのが、その方が安いのでキャベツはまるごと購入、5日間で片づけるとして、今日はサラダ、明日は蒸しキャベツを楽しんで、明後日は煮物、その次の日は他の野菜と一緒に野菜炒め、それから焼きそばの具、一部は浅漬けにしておくと毎日おいしい漬物も食べられる。

後者のタイプは、実際の年齢が何歳であるにせよ、「姥捨て山年齢・症候群」からは遠く離れています。

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