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2013年1月22日 (火)

野生種の黒米

奈良時代から1300年にわたってほそぼそと栽培され続けてきた野生種の黒米の玄米です。名前は弥生紫。種類はもち米。産地は四国の徳島。野生種なので籾(もみ)が風で落ちやすく、栽培が難しい。姿は黒くて細長く、アメリカなどでよく見かけるワイルドライスに似た雰囲気があります。

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穀物(稲や小麦など)や野菜(トマトなど)のような農産物も、野生の状態から人に手なずけられた栽培対象(つまり、栽培植物)になった段階で、野生の本性(たとえば、虫や細菌などの外敵からの高度な防御機能)を徐々に減らしていきます。野生の植物が栽培植物になるとは、たとえば、次のようなプロセスをさします。

野生の穀類の特徴のひとつは、種がはじけて地面にバラバラと落下することです(「穀粒の脱落性」)。バラバラとはじけ飛んだその種をエサとしてついばんだ鳥がそれを体内に入れて遠くに運んでいけば、その植物は別の場所で生育できるかもしれない。綿毛のついたタンポポの種は風に吹かれて遠くに飛んでいきそこで発芽します。

しかし、野生種のコメを人が収穫しようとすると、籾(もみ)はバラバラとはじけて落下するので、収穫作業としては、落穂ひろいになってしまい、非常に効率が悪い。だから、人はバラバラとはじける度合いの少ない突然変異種をさがしてきて近場に植え付ける。それを改良する。その結果、多くの稲穂を「一網打尽」にできるような収穫のしやすい稲を作り上げました。その一網打尽が可能な稲穂のイメージは「実るほど 頭を垂れる稲穂かな」によく出ています。小麦も同じことです。人間に頼っていれば高い確率で将来の種の保存が保証されるという平安と、人間に依存することによって野生の強さを喪失してしまうという、穀類にとってのトレードオフ関係がここで成立します。

21世紀の今でも籾(もみ)が風で落ちやすいというこの黒米(弥生紫)には、したがって、野生の気性がまだ強く残っていることになります。

三分搗きのコシヒカリ一合にたいして、大さじ半分くらいの弥生紫の野生を混ぜて炊いてみました。炊きあがりは、淡いピンクに染まった「うるち米」の地に「もち米」の紫が浮かび、遠目にはほとんど「赤飯」です。

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