お餅は伝統的なファストフード
先日の新聞記事によれば、お餅(もち)の消費量がこの20年で相当に減少したそうです。その記事が参照している総務省家計調査データだと、1991年の1世帯当たりのお餅の年間購入量は3421グラム、そして2011年は2463グラム、つまり20年間で購入量が28%減少しました。
お餅はもち米で作りますが、ご飯のお米はうるち米。米の種類が違います。お餅の消費量だけが減ったのか、それともお米の消費量が減ったのでお餅の消費量もそれに応じて少なくなったのか。農林水産省が発行している「食料需給表」でお米の全体を調べてみると、1人当たりのお米の年間供給量は、1990年度が70.0㎏、そして2010年度は59.5㎏。つまり20年間で15%の減少です(ここでは購入量 = 供給量とします。ここでの目的に関しては両者の違いは気にしなくていいので)。つまり、最近の日本人は、主食のうるち米を食べなくなった以上にもち米で作られたお餅を食べなくなったようです。
我が家はお餅が好きで、といっても毎日食べるわけではありません。正月の必須品目であるところのお雑煮では1日に2回はお餅(我が家の場合は小ぶりな丸餅が好み)と付き合いますが、何かをちょっとお腹に入れておきたいときのファストフードとしても利用しています。
お餅はその調理の簡単さを考えると、伝統的なインスタント食品や伝統的なファストフードと呼んでもいいと思います。おせち料理は、料理を作るという点では、せめて正月の間は主婦にゆっくりと休んでいただきましょうという意味合いの料理なので、3日間は準備に火を使わない。例外はお雑煮ですが、お餅の手間は焼くだけ。年末に搗(つ)きたてでまだ柔らかいならなら焼く必要はない。出汁も年末に準備しておけば、インスタントラーメンのような感覚で作れるのがお雑煮です。
最近の、店頭価格が4000円から5000円くらいのオーブントースターは、製造会社によって違いはあるのでしょうが調べてみると、チルドピザでもお餅でも非常に上手に焼くらしい。お餅にはほどよい焦げ目がつき中はふっくら、網にもくっつかないらしい。四角い切り餅や小さめの丸餅ならオーブンレンジで5~6分で焼けるので、オーブントースターでも似たようなものでしょう。
忙しい独身男性や独身女性は、ちょっと小腹がすいたときや休日の朝ごはん、あるいは、残業で夜遅くに帰り着いたときにおかずは何とか頑張ってちゃっちゃっと作るとして、切り餅パックや丸餅パックが在庫してあれば、お餅を焼いてご飯代わりに食べられます。マツタケお吸い物パックや味噌汁パック・トン汁パックが手元にあるなら、そこに焼いたお餅をドボンすれば、吸い物仕立て・味噌仕立ての簡易版お雑煮になりそうです。こうなれば、お雑煮というよりも、日常食としての餅入り味噌汁や餅入りスープです。
関連記事は「自炊女子と料理男子」。
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