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2013年2月21日 (木)

くま・くすのき・そら・うみ・ふくろう

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明治の始まるほんの少し前に生まれて昭和16年に75年の生涯を閉じた「南方熊楠(みなかた・くまぐす)」という和歌山出身の博物学者がいます。「南方(みなかた)」が姓で「熊楠(くまぐす)」が名です。僕は、博物学者・生物学者・民俗学者の熊楠よりも、仏教学者・哲学者としての熊楠に惹かれます。

「熊楠」という、ちょっとびっくりするような彼の名前が好きで、なぜなら森の中の「楠」という植物的な力と、「熊」という動物的な力の二つをあわせもっているからです。札幌でも近ごろは、和歌山の熊とは種類の違う熊が住宅地や住宅地に隣接した畠を食べ物を求めて歩いているようですが、楠や熊の「力」とは、森の生命力であり森の霊力です。調べてみると、彼の生まれた地域では、「楠」という神聖な樹木をヒトの名前の一部とすることはごくあたりまえのことだったようです。しかし、彼の名前は、そこに熊も加わっている。

壮大な名前ということだと、「空海」以上の壮大な名前を、寡聞にして、僕は知りません。空と海、すなわち、広大な世界です。「おいおい、若い時にそんな名前をつけて大丈夫だったかね」とも思いますが、沙門(しゃもん)空海、四国の山野を跋扈(ばっこ)し、太平洋の波や空と対峙していた若い私度僧のころの汗と苛立ちと自信と野望がその名前からは湧きだしてくるようです。空海のその後の思索と瞑想の深まりと、それから世俗の権力と自由に交わる様子を見ると(それを好んだかどうかはわかりませんが)、その名前をつけた時にその名前に込めた「射程距離」の長さへの思いが想像できます。

しかし「円空」となると、「空海」の空とは違う空の趣きで、つまり「○」で、これはやはり漂白の木彫り僧にふさわしい名前だったのかもしれません。

僕は、森の神様であるところの梟(ふくろう)のファンですが、梟(ふくろう)という字の入った名前を持ったヒトにはまだ出会ったことがありません。その理由はよくわからない。音読みは「キョウ」。突出したという方向でのいい意味にも、また逆の方向の悪い意味でも使われています。日本でも昔は、梟はどうも肉食の怖い鳥と考えられていたようです。

下の写真は阿寒のアイヌコタンの入り口で、あたりを睥睨(へいげい)している梟(ふくろう)<シマフクロウ>の像。智慧があふれています。

カラスの知性などについて考えていたら(「カラスの肉はおいしい、そうです。 」)、ミネルバのフクロウに思い至り、それから北海道のシマフクロウ、クマ、クスノキ・・・となって、今回の記事です。

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