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2013年2月 8日 (金)

市販の浅漬けなどに興味がない理由

味噌、タクアン、糠漬け、浅漬けなど、家庭で作る発酵食品はすべて乳酸菌のお世話になっています。もっとも、最近はすべて簡単に買えるので作らないお宅も多いですし、我が家でも名古屋の守口漬けのような自宅で無理なものは作りの丁寧なのを選んで購入しています。

乳酸菌は米(コメ)粒にもくっついているし、たいていの野菜にもひっついています。だから、米のとぎ汁などは、もとの米粒が元気な状態だと、砂糖などを養分として加えると簡単に乳酸発酵を開始します。しかし、精米してから1年間そのあたりに常温で放っておいたものは、普通は元気とは云えない。

さて、「大量調理施設衛生管理マニュアル」(厚生労働省)といっしょに消毒に関する本などを眺めていると市販のカンタン漬物やカンタン味噌に関していろいろと考えさせてくれるのでちょっとした暇つぶしになります。

「大量調理施設衛生管理マニュアル」によれば、野菜や果物を加熱せずに提供する場合の殺菌方法は、「必要に応じて、次亜塩素酸ナトリウム等【注2】で殺菌した後、流水で十分すすぎ洗いする。」となっており、【注2】の内容は、「次亜塩素酸ナトリウム溶液(200mg/ℓで5分間又は100mg/ℓで10分間)又はこれと同等の効果を有する亜塩素酸ナトリウム溶液(生食用野菜に限る)、次亜塩素酸水並びに食品添加物として使用できる有機酸溶液」と説明されています。

一般に「滅菌」というのは、それがヒトに有害であるか無害であるかを問わず、対象物に存在しているすべての微生物およびウイルスを死滅させるか除去することです。「殺菌」は「滅菌」よりは、菌を死滅させるという点に関してはその程度が甘く定義された用語ですが、要は、一般細菌や酵母は、一定濃度の次亜塩素酸ナトリウム液で5分間から10分間処理すれば死滅するということです。

市販の白菜の浅漬けは上記「管理マニュアル」の殺菌処理プロセスを通過しているわけで、さてその場合、漬物に不可欠の乳酸菌はどこに潜んでいるのだろうと考え込んでしまいます。おそらく、どこにもいなくなる。しかし、その結果、乳酸発酵の風味がしないともはや漬物とは呼べないので、乳酸発酵の風味が各種の添加物で上手に作りこまれているのでしょう。

特売用のカンタン味噌やカンタン醤油も同じ。保存剤を入れてあるのだけれど開封すると長持ちしない。微生物の生態系が生きていないので当然そうなります。「味噌は2年ものか、それよりも長く寝かせたのにかぎる」という記事で書いたように、時間をかけて熟成させた手前味噌の旨さが楽しめるのも、そこで麹の作り出した酵素・酵母と乳酸菌の生態系が生き続けているからです。

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