« 宅配寿司とマグロの産地 | トップページ | 手巻き式のタイマー & 茹でる »

2013年4月18日 (木)

画竜点睛を意識しすぎたかもしれない農薬の広告コピー

人気ブログランキングへ

コピーライターは最後に格好よく睛(ひとみ)を書きこもうと思ったのかもしれません。しかし、その思惑がどうも外れてしまったような広告コピーに出合いました。あるいは、広告主の意向がライターに余計な一行を付け加えさせることになったのか。

農業関連の雑誌や新聞には、当然のことながら農薬の広告も掲載されます。ある外資系企業の農薬(正確には、除草剤)の広告コピーが目に入りました。広告の種類は、ユーザー事例紹介。

水稲用の除草剤(田植同時除草剤)なので、水田に生えてくる雑草の初期段階での「防除」がその機能です。だから、「除草剤の特徴」と「ユーザー便益」という形で広告をまとめると、ユーザー便益は「省力化」ということに収斂してきます。

「除草剤に求められる『省力化』! 先駆者、【メーカー名】の田植同時除草剤が選ばれています!」というキャッチコピーで始まり、以下のような商品便益の説明やユーザーの感想が続きます。

・「田植と同時に除草剤の散布が終了するので、他の作業に時間を割くことができます。」(商品便益の説明)

・「すぐに田植同時で使い始めました。育苗をやっているので田植をやってから除草剤をまくのは時間的に大変。今では、あとから除草剤を散布することなんて考えられないよ。」(ユーザーの声)

・「水稲農家の高齢化は進んでいます。それに対応するためにも、省力化につながる田植同時処理の技術はやめることはできないと組合員の方は言います。」(商品便益の説明とユーザーの声)

ここまでなら全体の落ち着きはいいのですが、最後のあたりに「今後とも、子・孫に食べさせる安全なコメを作りたいです」というユーザーの声が挿入されます。僕の眼には、彼か彼女か知りませんが、ここでコピーライターが睛(ひとみ)の仕上げをやり損なったと映ります。プロを相手の農薬や除草剤の宣伝文に安全の刷り込みは要らない。わざとらしい。もっとも、自家消費用のコメや野菜は、売り物とは別の方法で作る農家も多いので、このユーザーの声は、除草剤と無関係な文脈では、十分に意味を持ちます。

コメ農家の中には、「紅葉の落ち葉が舞い散る山々に分け入り、落ち葉集めを始めます。この落ち葉を発酵させた腐葉土で【コメのブランド名】を育てています。・・・無農薬・無化学肥料・無除草剤です。・・・落ち葉の堆肥を田んぼに撒き、田植の準備にかかります。」(あるコメ農家のホームページより)というような農家もあり、こういう農家の作るコメの宣伝コピーには「安全」という文字を使ってもまったく違和感はありません。

人気ブログランキングへ

|

« 宅配寿司とマグロの産地 | トップページ | 手巻き式のタイマー & 茹でる »

米と麦」カテゴリの記事

経営とマーケティング」カテゴリの記事

農業ビジネス」カテゴリの記事

雑感」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1317632/51257298

この記事へのトラックバック一覧です: 画竜点睛を意識しすぎたかもしれない農薬の広告コピー:

« 宅配寿司とマグロの産地 | トップページ | 手巻き式のタイマー & 茹でる »