« 強い品目は自由化推進、弱い品目は保護政策: 米国の乳製品の場合 | トップページ | 桜はむつかしい・補遺 »

2013年4月 2日 (火)

高齢者向けの宅配弁当はどんな味?

弁当や宅配弁当、宅配オードブルの案内(新聞の折り込みチラシや郵便受けへのポスティング)がけっこうな頻度で届きます。それらを実際に食べることはないので、チラシを拝見して味などを想像するだけですが、先日、若い人向けのメニューが得意だと思われる、ある弁当屋のチラシが目につきました。店舗販売と宅配サービスの両方を展開している弁当屋の広告です。

そのチラシとは関係なくある全国紙の地元経済面に目を通していると、その弁当屋のビジネス展開に関する記事にぶつかりました。「高齢者向け配食参入」とあります。製造や流通のしかた(ノウハウ)が、弁当箱なども使い捨てか再利用を前提としたものかなど、既存のものとはけっこうに違うはずなのでどうするのかと考えながら読んでいたら「(ある)医療法人から高齢者配食事業を引き継ぐ」ことで高齢者向け市場に対応するのだそうです。

若い人向けの弁当なら、若い女性向き商品のカロリー計算などは誰かがやるとしても管理栄養士が活躍するタイプの市場ではありません。しかし「医療法人」インフラを引き継いだ「高齢者向け配食ビジネス」となると「栄養管理士」の資格を持った女性が忙しく働いている光景が浮かんできます。

僕は、病院で入院食を食べたとか、管理栄養士が必須の公共施設で食事のお世話になったことはないので僕自身でそうした食べ物の味の評価はできませんが、一般の公的な病院に2週間ほど入院経験のある料理好きな知り合いの話によると、そういう病院では「食事がまずいので死にそうだ」という心理状態になるのだそうです。「計算を合わせるためにフリカケをつけてあったりする。」その方をお見舞いした時にとても早い夕方の晩ごはんメニューを拝見すると、たしかに、おなかがすいていても食欲の湧くものではなさそうでした。 

だから、1年ほど前の、医学や農学、あるいは栄養学がご専門の方々の「食と医」についてのパネル・ディスカッションのなかで、なるほどねえという意味で面白かったのは、「管理栄養士のつくった料理はまったくおいしくない。」「ほとんどの管理栄養士は、栄養バランスのことしか知らないので、もっとも食育の必要なのは管理栄養士かもしれない。」というどなたかの発言でした。その意見には、皆さんもすでによくご存じのように、というニュアンスが色濃く含まれていたと記憶しています。

インターネットの便利さは「管理栄養士国家試験 過去問に挑戦」などというサイトがあって、過去の実際の試験問題がすぐにみられることです。

管理栄養士の試験の範囲は「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち」「基礎栄養学」から「臨床栄養学」、「給食経営管理論」など多岐にわたっていて難しそうです。そのなかに「食べ物と健康」という科目があり、これが唯一食べ物の味やおいしさに関係するかもしれないという期待を抱かせます。さっそく過去数年分を拝見しましたが、僕の結論は、管理栄養士であることと、おいしい食事を提供できるということとの間にはまったく相関はなさそうだということです。だから、料理の好きでない、栄養バランス重視の管理栄養士の方が勤務する施設の食事を継続して食べる羽目に陥った時には、ある種の覚悟が必要かもしれません。

で、「高齢者向け配食ビジネス」ですが、他の条件が同じならおいしいものの方が人気がでるので、管理栄養士と料理人がどう折り合いをつけるのか、つまりどんな「おいしい食べ物と健康」ができ上がるのか楽しみではあります。

関連ブログ記事は「精米したてのお米(無洗米)を牛乳パックで宅配」と「子供の頃の味のトレーニング」。

人気ブログランキングへ

|

« 強い品目は自由化推進、弱い品目は保護政策: 米国の乳製品の場合 | トップページ | 桜はむつかしい・補遺 »

ヘルシーエイジング」カテゴリの記事

経営とマーケティング」カテゴリの記事

食べもの」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1317632/51046043

この記事へのトラックバック一覧です: 高齢者向けの宅配弁当はどんな味?:

« 強い品目は自由化推進、弱い品目は保護政策: 米国の乳製品の場合 | トップページ | 桜はむつかしい・補遺 »