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2013年7月11日 (木)

積極的に出す情報と、とりあえずは出さない情報

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「3号機の優先審査 要望」「北電、泊再稼働を申請」というタイトルの新聞記事があります(日本経済新聞、「北海道経済」欄、2013年7月9日)。

「北海道電力は8日、泊原子力発電所1~3号機(泊村)の再稼働に向けて原子力規制委員会に安全審査を申請した。国内で最新の3号機を優先して審査するよう要望。」

「3号機の優先審査を求めた理由について酒井副社長は8日、①2009年運転開始で国内で最も新しいこと ②蒸気発生器の数が他電力が再稼働申請した原発の多くと同じことを、挙げた。」(【註】3号機の蒸気発生器は3つ)

3号機はプルサーマル発電が予定されている発電機で、以下に引用した北海道電力のホームページ(プルサーマル関連)に記載されているように、北海道電力は国から原子炉設置変更許可を取得済ですが、こういう重要な事実は「(今回は)とりあえずは出さない情報」として扱われているようです。

【註】プルサーマル発電とは、泊原子力発電所のような、ウラン燃料を燃焼させる設計の軽水炉で、ウラン燃料以外に、「ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料(MOX燃料)」を一定の割合で混ぜて発電すること。高速増殖炉計画が「もんじゅ」の事故で見通しがつかないので、「余剰プルトニウム減らし」という意味を持つ(高木仁三郎「市民の科学をめざして」などを参照)。

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当事者が特定の情報を状況に応じてとりあえずは出さないというのはよくあることですが、ジャーナリズムはその当事者ではないので、つまり、客観的な視点の情報はスポーツ欄のスポーツ記事だけという印象の強い上記媒体もジャーナリズムの一員なので、そういう場合は必要な補足情報(今回の場合は3号機がプルサーマル発電予定機であるということ)は記事本文に埋め込んだ方が読者には親切だと思われます。

北海道電力が、沖縄電力のように、原子力発電所を持たず火力発電やその他の電源だけの電力会社になることを僕は希望していますが、経営者の思考回路はとりあえず自社の経営効率、北海道経済の経済効率で、経営教科書を超えた思考回路はお持ちではないようです。

経営教科書的思考回路では、安全や命は費用の1項目です。従って、安全性や放射性廃棄物の超長期処理などに関する費用は、費用として対応できる範囲で費用として処理しますが、企業の処理能力を超えるようなものは想定外の「社会的コスト」で、つまり、そういう事態が発生した場合は「費用の外部化」を政府に依頼することになります。「費用の外部化」とは企業の費用を国民の税金で肩代わりさせるという意味です。

経営教科書的思考回路の専門家というと、人の命や安全性にかかわる議題になった時にすぐに思い出すのが、ベトナム戦争当時に米国・国防長官であった故ロバート・マクナマラです。費用としての命の計量化が得意な人でした。

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