調理家電の二大がっかりと、四大お気に入り
「日本三大がっかり」の観光名所というのがあり、一般的には、札幌の「時計台」、高知の「はりまや橋」、長崎の「オランダ坂」ということになっているようです。期待を込めてそこに行ったら「あれっ」とか「えっ」「うーん」という感じになるのを「がっかり」だとすると、多くの人たちのそういう共通見解に対して、札幌の時計台を日常光景として暮らしている僕としては、とくに異論はありません。
余計なことですが、「日本三大うんざり」の盆踊りないしそれに類する街の踊りというのをどなたかが募るのであれば、僕は、その候補に札幌の「よさこいソーラン」を推奨したいと思っています。同意していただける方も多いかもしれません。一瞬の色香や息を呑む気品、見る人を圧倒し、たちまちそこに引きずり込む土俗性の力といったものを良質な盆踊りは持っていますが(たとえば、「おわら風の盆」、「阿波踊り」、「ねぶた」)、「よさこいソーラン」はそういうものとは無縁の催し物だと僕の眼には映ります。有体(ありてい)に云えば、お金のかかった学芸会。なぜなら、本人と父兄、それから学校の先生という狭いサークルが満足することで成り立つのが学芸会だからです。だから、関係者は札幌ドームにでも閉じこもって騒いでいただけるとありがたい。
◇
さて、これは我が家という限定された消費者の勝手な意見なのでどれくらいの数の共感者がいらっしゃるかわかりませんが、僕は、比較的最近に発売された調理家電の二大がっかりは以下の二つだと考えています。
・ ご飯用の米粒を使ってパンを焼く電気パン焼き器(ホームベーカリー)
・ 油を使わずに熱風で揚げ物をつくる調理家電(フライヤー)
「米粒パン焼き器」の目的(のひとつ)は、コメをご飯ではなくパンという形で提供して消費量が停滞しているコメの消費量を少しでも増やそうと云うことですが、食べ物というのはある程度おいしくないといけない。米粒パンでも、当初のもの珍しさの段階が過ぎれば、炊いたご飯と同じ程度にはおいしくないと食べ続けてもらえない。我が家でもいろいろ工夫しながら米粒パンを焼いてみましたが、舌に訴えかけてきません。米粒パンを食べることが「苦行」に近づいてきたので、その時点で米粒パン焼き器とのおつきあいは中止しました。この器具の最近の売り上げ状況は知りませんが、このパン焼き器でコメの消費量拡大を狙うのは、「苦行」を楽しむタイプの消費者が予想以上に存在しない限り、難しい。
我が家で「米粒パン焼き器」と同じ運命をたどったのが「油を使わないフライヤー」。一定水準以上の風味が出ないものは、生の食材を対象とする我が家では不合格。こんなでき上がりのものを無理して食べるくらいなら、もともとあまり食べることの少ないフライや揚げ物をまったく食べない方がイライラの減少によって精神は安定します。ただし、フライ・揚げ物用の冷凍食材や冷凍食品(エビフライ、フライドポテト、春巻など)を調理するには、余分な油脂もぬけるので、お奨(すす)めかもしれません。
こういう新しいタイプの調理家電は配偶者が最初に目をつけ、僕がその機能や価格になるほどと同意し、それから配偶者が(あるいは配偶者と僕がいっしょに)家電量販店などの店頭で現物を確かめた後に購入するというパターンが多い。しかし、実際に数回使ってみて食味や風味が期待はずれなもの、調理の実力が宣伝の謳い文句を下回るものは迷わずに廃棄処分という意思決定をします。
廃棄処分というあまり楽しくない作業(このなかには、そういうものを使いそうな知り合いにさし上げる、中古品として販売する、有料ゴミ袋にいれて捨ててしまうという選択肢がありますが)は、どういうわけか配偶者の関心対象とはならずに、僕の仕事になっています。
◇
「二大がっかり」だけだと日本の得意な調理家電に対してフェアではないので、調理家電(ただし広義の調理家電)の我が家の四大お気に入りを挙げてみます。
・ 精米機(用途のほとんどが玄米の三分搗き、まれに巻き寿司用に白米)
・ 真空パックシーラー(いろいろな食品の保存に便利、粉ものの一時保管にも活躍)
・ ホームベーカリー(天然酵母の小麦粉パン、気が向いた時の「米粉」パン)
・ ヨーグルト・メーカー(主に豆乳ヨーグルト用、甘酒作りにも重宝している)
五つ目を加えるなら、ハンドミキサー。
| 固定リンク
「食べもの」カテゴリの記事
- 小股の切れ上がった色白のレンコン(2020.12.07)
- 我が家では米麹は一年を通して使います(2020.10.28)
- サツマイモは美人の鳴門金時(2020.10.26)
- 「八品目セットのお節」に如くは無し(2020.10.01)
- 大豆雑感(2020.09.25)
「経営とマーケティング」カテゴリの記事
- 「土地の記憶」「水の記憶」のカラー印刷はコンビニが便利(2021.01.18)
- 急いでいるときは「レターパックライト」は使わないほうがいい(2021.01.15)
- 女性知事の「Stay Home」発言が「お座り」に聞こえる(2021.01.14)
- その中華料理店で優遇されていたのはビールと焼酎(2021.01.13)
- 新潟県五泉市産の里芋(2020.12.29)
「雑感」カテゴリの記事
- 窓の雪とホワイトアウト(2021.01.20)
- 「土地の記憶」「水の記憶」のカラー印刷はコンビニが便利(2021.01.18)
- 急いでいるときは「レターパックライト」は使わないほうがいい(2021.01.15)
- 正月が近づくと海鮮類が高くなる(2020.12.30)
- 冬至です、これから日が長くなります(2020.12.25)
コメント