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2013年8月21日 (水)

先進企業以上に効率的かもしれない主婦の夕食準備

これを効率的というのか、さぼっているというのか、どちらにせよ、ある視点から見れば「無駄の排除」には違いありません。

ある日刊紙のマーケット商品欄の特集記事が目に入りました。「便利さに対応 生鮮取引(上)<カット野菜、卸売市場縮める>」)。「大手食品メーカーの昨年の調査では、主婦が平日の夕食の準備にかける時間は『30分以下』が22.7%で15年前の2倍。共働きや一人暮らしの世帯を含めれば、比率はさらに高まる。」(日本経済新聞 2013年8月16日)

この記事で引用されている数字が正しいとします。そこでいう主婦は、文面によれば共働きではないようなので、ご主人、ないしはご主人とお子さんといっしょに暮している専業主婦ということになります。その専業主婦の4人に一人が、夕食準備時間が30分以下。

以前、夕食準備は近所のコンビニを2~3軒回ればおしまいという若い主婦をあるテレビ番組の取材対象として拝見したことがあります。「岩村暢子著『家族の勝手でしょ!』」をもとに作った取材番組なのでヤラセではない(と思われる)。コンビニめぐりを午後6時に開始。鮭の塩焼きからヒジキの煮物、きんぴらゴボウまで各種の惣菜をコンビニのはしごで調達し6時半には帰宅。7時から夕食。この賢明な若い主婦の主婦としての付加価値は、決してコンビニのトレーをご主人や子供に見せないこと。調達してきた調理済みの食材を自宅のきれいなお皿に美しく盛り付け直すと、それだけで、ご主人にとっては昔懐かしいおふくろの味になるそうです。

この主婦の場合、夕食準備時間は30分とも云えるし、60分とも云える。しかし新聞記事の文脈では、食材・加工食材・惣菜などの加工食品の購入時間は入っていないようなので、この若い主婦の準備時間も30分以内。

さて、30分以内で夕食をたとえば3人分準備するには、ご飯は、研ぐ時間などはないので無洗米を使ってそのときに炊飯器や電子レンジで早炊きするか、朝などに炊いてあったのをチンするか、買ってあったご飯パックをチンするかはわかりませんが、いずれにせよ、おかず関係は、加工食品を利用するか、出来合いの総菜や漬物を並べるかしないと30分以内で処理できない。あるいは、ご飯は面倒なのでパン屋のパンかもしれません。それから、お皿にきれいに盛り付けるのは手間がかかるしあとで洗うのも大変なので、そういう無駄は排除しているのかもしれない。加工食品の乗ったトレーごとチンしてそのまま食卓に出す。工程の切り替え時間というか工程間の移動時間は、極小になります。

さきほどの新聞記事の最後に「ファストフィッシュ」に関して次のような一節がありました。「首都圏の鮮魚チェーン□□では・・・そのまま皿としても使えるカラフルなトレーを使いレンジ加熱で食べられるソテーの販売を始めた。□□常務は『便利な商品を買い物のきっかけにしてもらい、次には鮮魚にも手を伸ばしてもらえれば』と話す。」

失礼ながら、こういうのを英語でWishful Thinking と云います。いくつかの辞書を参照するとその意味は、硬い方から柔らかい方へと順に「願望的思考」、「希望的観測」、「甘い考え」、そして「自分の望むことが真実だという幻想」となります。僕なら「ないものねだり」と意訳します。

そういうお手軽・簡単系から複雑系へと逆コースをたどる消費者はまずいません(正確には、ごくまれにはいます。しかし、ビジネスとしての売り上げ数字には決してつながらない程度の頻度で。)。ファストフィッシュによって魚に目覚めるお手軽・簡単系の消費者がかりにいるとしても、加工食材としての味付き魚の味には目覚めるかもしれませんが、骨のない魚の切り身が海を泳いでいるに違いないと思っているような人が、鮮魚に目覚めるとは考えられない。

夕食準備時間が30分以内とはすごいことです。スローフードの我が家では無理な話です。

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