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2013年10月 7日 (月)

「天つ神」・「国つ神」と稲作

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現在まで連綿と続く新嘗祭(にいなめさい)という祭事の責任者であることからわかるように、天皇は、稲作技術の統領、つまり稲作の元締めという位置づけです。いつのころからか、そういう物語が定着しました。新嘗祭とは天皇が新米を供えて神々を祭る稲作儀礼のことですが、天皇が即位後に行う最初の新嘗祭は大嘗祭(だいじょうさい)と呼ばれており、これが即位後の最も重要な祭祀です。つまり天皇にとっては、稲作技術責任者としての地位の相続が最も重要な務めだということになります。

天皇家がその子孫であるとされるところの神様は高天原から地上に降りてこられたので「天つ神」と呼ばれています。一方、「天つ神」が降臨される以前から地上でそれぞれに地方を統治しており、天孫降臨以降に、「天つ神」に征服・支配された地の神様が「国つ神」です。

伊勢神宮・内宮にお住まいの霊的・精神的・祭儀的なシンボルとしての「天つ神」が「天照大神」、「天照大神」の食べ物やそのインフラストラクチャであるところの農業の担当が外宮の豊受大神。天照大神が伊勢・五十鈴の川上に定住される前は、そこには「猿田彦(さるたひこ)」という「国つ神」がいたらしい。

内宮と外宮の間、内宮から1キロメートルくらい離れたあたりに「猿田彦神社」があります。「猿田彦」は、天照大神の孫(つまり、天孫)であり降臨ミッションの責任者であるニニギをお出迎えし案内する係りだったので、のちにその縁で天照大神が伊勢・五十鈴の川上に引っ越してきたのだそうです。「猿田彦神社・御由緒略記」やその他にはそう記されている。

下の写真は10月初め、つまり稲刈りが済んだ後の「猿田彦神社」の御神田(ごしんでん)の様子です。

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もともと「国つ神」のひとりであった「猿田彦」に稲作のノウハウがあり、従ってあたりまえの生活風景としての神社裏の「神田(しんでん)」なのか、それとも、天孫降臨グループも稲作は非常に得意だったので「稲作は天つ神」という神話を形成する過程で「稲作という租税徴収システム」を完成し、そのシステムを機能させるために「国つ神」の領地に稲作を持ち込んだのか。いずれにせよ、興味がわきます。

内宮・外宮に限りませんが神社で売られているお札などの値段は「初穂料 ○○○円」と表示されています。「初穂」とは、その年に初めて収穫されたお米のことです。租庸調(そようちょう)という税金システムや、出挙(すいこ)という国家から農民への稲の貸付システムのあった昔は、収穫後の稲(初穂)の少なくない一定割合を(それから、出挙を使っている場合には利子相当分の稲を付加して)税として現物納付したので、まさに「稲作という租税徴収システム」だったわけです。しかし、初穂という言葉の響きそのものは、初穂料と長くなっても悪くはない。今度、護符でも買う機会があったら、とれたてのお米で払ってみますか。

余分なことですが、伊勢神宮のお札は大麻といいます。意味重視で大幣(おおぬさ)と同じように「大麻(おおぬさ)」と強引な読み方をする場合もありますが、麻(あさ)の魔除けの力をもらうので「大麻(たいま)」と素直に読んだ方が腑に落ちます。下の写真は、その麻の繊維で作ったお祓い用の大麻。麻は野州(やしゅう)麻、産地は栃木。

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【註】写真は「下野・会津・津軽 手仕事専科」様のホームページからお借りしました。この場を借りてお礼申し上げます。

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