« 蓮根(れんこん)雑感 | トップページ | 朝ごはんに味噌仕立てのケンチン汁風、あるいは豚汁風 »

2013年11月25日 (月)

法的規制・公的基準値と自分の判断

人気ブログランキングへ

「法的規制・公的基準値と自分の判断」などと書くと大げさですが主に食べ物に関することです。

蕎麦(そば)は蕎麦粉が原材料のうちに30%以上含まれていたら公的には蕎麦と呼んでさしつかえありません、加工食品を構成する原材料は、それらを商品パッケージに記載する際はJAS法などの表示規則では通常は多い順に書くので、「□□産の蕎麦粉を使った蕎麦」と銘打ってあっても、原材料欄が、「小麦粉、そば粉、食塩」とか「小麦粉、そば粉、食塩、山芋」などとなっている場合は、蕎麦粉は3割程度と考えた方がよさそうです。だから、とりあえず適当に入った駅ビル地下の蕎麦屋などで出されるザル蕎麦が、蕎麦風味のうどんといった光景は珍しくない。

しかし、公的基準値と、蕎麦は10割か8割じゃないと食べられたものじゃないので食べないという蕎麦好き消費者の判断や消費行動はまったく別物です。法的・公的基準値が個人の判断や行動に影響を与えないという意味で、両者は別物であり併存します。

同じことは加工食品に含まれる「トランス脂肪酸」や「食品添加物」、農産物に含まれる「農薬」にも当てはまります。

マーガリンやショートニングに含まれるトランス脂肪酸については日本では規制はありません。欧米と違って禁止(あるいは、禁止予定)対象品目ではありません。食品添加物もウコンのような自然の添加物もありますが、たいていは味や色味の人為的な加工、食品を長持ちさせるための防腐加工、味噌や醤油といった発酵食品の「促成栽培」に使用される工業的な添加物がほとんどです。だから、たとえば、スーパーで醤油や味噌の特売が享受できる。無農薬栽培は大変なので、たいていは農産物の生産には農薬を使います。

(トランス脂肪酸についての関連記事は「1億2700万人の 8000人と3億1500万人の 7000人、あるいは一般人の被曝限界とトランス脂肪酸」)

しかし、そうした加工食品や農産物が市場に出回っていると云うことは、法や公的基準値に適合したものが出回っていると云うことで、まれには違反もありますがそういう例外を別にすれば、それらは適正に製造され栽培されているわけです。しかし、そのことと、あるタイプの消費者が添加物のない(あるいは少ない)加工食品を選択し、マーガリンは口にせずにバターを使う、無農薬栽培や有機栽培(有機栽培がすべておいしいとは限らないけれども)の米や野菜を少々高い価格を支払って買うという判断や消費行動とは別物です。

それと同じことで、放射性セシウム含有量の多い食品とそうでない食品に対しても消費行動の違いが出てきます。

福島県には限りませんが、福島第一原子力発電所からの放射性物質の影響を受けた・受け続けている地域の農産物や近辺の海域で獲れた水産物のなかには、農林水産省発表の今月(2013年11月)中旬の資料を参照しても、放射性セシウム濃度の高いものが少なからず目につきます。

たとえば、「福島県のソバ:100ベクレル、大豆:96ベクレル、小豆:59ベクレル、ムキタケ:39ベクレル、ナメコ:27ベクレル」(11月19日の厚生労働省発表資料)あるいは、「福島県のシロメバル:120ベクレル、キツネメバル:120ベクレル、アイナメ:110ベクレル、コモンカスベ:110ベクレル、ヒラメ:96ベクレル、イシガレイ:90ベクレル、マコガレイ:57ベクレル、スズキ:48ベクレル(11月20日の厚生労働省発表資料)、福島県以外だと「宮城県のソバ:76ベクレル、岩手県のシイタケ:23ベクレル、栃木県の大豆:49ベクレル、神奈川県のシイタケ:29ベクレル」(11月19日の厚生労働省発表資料)などです。

大幅にゆるい方に改定された現在の公的基準値は当該食品1㎏あたり100ベクレルですが、日々の食材選択に関する自己判断基準値としては、前述のようなロジックに基づき、また2011年3月10日以前の実績値に基づき、10ベクレルでも1ベクレルでも0.1ベクレルでもかまわない。公的基準値と自己基準値とは別物です。

話題が食べ物を離れますが、下に添付したのは1942年(昭和17年)6月11日付のミッドウェイ海戦を報ずる新聞記事の一部です。このブログ記事の表題の用語を使えば、これも公的基準値ないし政府規制に基づいた報道記事ですが、知的な国民はこの記事内容を自分の判断内容とする必要はありませんでした。しかし、当時のおおぜいの国民が「大政翼賛(たいせいよくさん)」、「八紘一宇(はっこういちう)」といったことを信じていたか、「非国民」と指差されないように信じた振りをしていたのかは別にして、ともかくこの記事の表現形式と内容に凝縮されている「公的基準値」を受け入れたという事実は、どうも、否定のしようがないようです。

_19426

食べものの話にもどれば、放射性物質関連の食品に関して非常に簡潔にまとめられた公的基準値は「食べて応援しよう!」(農林水産大臣及び消費者担当大臣の共同メッセージ)ですが、こういう方向のメッセージとは別物の、個的で家族向きの基準値を持ち続けることも必要かもしれません。

人気ブログランキングへ

|

« 蓮根(れんこん)雑感 | トップページ | 朝ごはんに味噌仕立てのケンチン汁風、あるいは豚汁風 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

食べもの」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1317632/54026199

この記事へのトラックバック一覧です: 法的規制・公的基準値と自分の判断:

« 蓮根(れんこん)雑感 | トップページ | 朝ごはんに味噌仕立てのケンチン汁風、あるいは豚汁風 »