いろいろと便利な、農産物と海産物のムック本
雑誌と書籍をあわせた性格を持つ刊行物のことをムック (mook) と呼びますが、そういうのに配偶者が目を通していました。「食品の放射能汚染 完全対策マニュアル ― 内部被曝を避けるための保存版食材ガイド」というタイトルがついています。発行は2011年10月16日。このタイプの出版物は、ありそうで、実際のところはほとんど見かけない。
東京中央卸売市場に入荷してくる野菜・きのこ・果物・茶・穀物などの地域別の入荷量や季節ごとの地域別生産量などをまとめた「農産物」篇と、築地市場に入荷してくる「海産物」の地域的な分布(漁場分布)や回遊魚の場合はおおまかな回遊ルートを、それぞれ100品目についてまとめてあります。つまり、想定している主要読者は首都圏の住人。
海産物で云えば、下の絵のような情報が、個別の魚介類ごとに整理されています。だから、食べものに関して「迷ったら安全サイド」という考え方をする人たちには有益な内容であると同時に、住んでいる地域にかかわりなく、農産物の季節ごとの主要産地や魚介類の生息海域や主要漁場を知るという食材のベンキョーにも便利です。
チェルノブイリの事故で国土の23%が放射性物質で汚染されたベラルーシでは、消費者が購入した食料や生産者が栽培した食べものを持ち込んで気軽に放射性セシウムの汚染度を測定できる施設が全国に860か所あり、年間の検査検体数は1,100万個だそうです(「NHK解説委員室」・解説アーカイブズ〈2011年11月8日〉より)。最近はデータソースがNHKだとその内容を疑ってかかるのが基本原則になってきましたが、それはさておき。
日本でも、スーパーや近所の小売店などで買ってきて自宅で食べる食材、あるいは自宅で育てた野菜などが、放射性物質汚染という観点からどれだけ安心かということを自分で手軽に測定することのできるような施設があればいいのにと思っていたのですが、僕の知る範囲では、東京の郊外(八王子市)に一つだけあるようです。
そのホームページは次のような書き出しで始まっています。
「安心は測ることから。」「気になるものはぜひハカルワカル広場で測定してください!
「子どもたちを内部被ばくから守りたい
人々が集まり交流できる広場にしたい
市民が気軽に測れる低価格(1検体1000円)の測定を実現したい」
「ハカルワカル広場は、そういう強い思いを共有するたくさんの人々によって設立され、運営されています。」
「普段の食材は大丈夫かな?小さい子に土いじりをさせても平気かしら・・・? そんな時にぜひご利用ください。お庭の土や食材、気になるものは測ってみましょう! お買いものついでにぜひお立ち寄りください。」
「測定料は1検体につき1000円です。
使用する測定器はベラルーシのATOMTEX社製AT1320Aです。
測定限界値は検体の状態によって変わりますが、1リットルの検体で測定した時にCs134+Cs137で約10Bq/kg になります。」
◇
以下の数行は、あとで2014年3月10日に追加。
うかつでしたが札幌にも、東京・八王子の「ハカルワカル広場」とおなじような活動をしている「はかーる・さっぽろ(さっぽろ市民放射能測定所)」という市民グループがあるようです。そこでの使用測定器は「ハカルワカル広場」と同じで「ATOMTEX社製のAT1320A」。
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