« 電子レンジとインスタント麺 | トップページ | 能登の冬の棚田 »

2014年3月10日 (月)

「ちりめん山椒」と「梅干し」と「焼き海苔」と「おもてなし」

浴衣と袢纏(はんてん)で館内のどんな場所をウロウロしてもさしつかえのない、温泉地にある食事つきの宿泊施設が一般的には温泉旅館と呼ばれています。旅館によって、食事の内容や給仕の具合、接客態度といった「おもてなし」の程度は違いますが、たいていはおもてなしの程度が高くなると、夜と朝の食事を含んだ宿泊費もそれに応じて高くなります。しかし、値段が高いからといっておもてなしの質も高いと限ったわけではありません。

おもてなしのレベルが高いか低いかの個人的な(あるいは、勝手な)判断指標は、朝ごはんに関しては簡単で、朝ごはん(ここでは和風とします)の定番登場品目であるところの「ちりめん山椒」と「梅干し」と「焼き海苔」です。

「ちりめん山椒」と「梅干し」が、ご飯のおかわりがほしくなるような味の自家製で、さらに、海苔が出される直前に軽くあぶられた風情(ないしは、現在進行形で海苔に熱が加えられているような供され方)だと僕の満足度は一番高い。その全部がそろわなくても、自家製の「ちりめん山椒」を常に用意してある旅館や食事処は、僕の経験の範囲では、朝夕の食事の質は言わずもがな、全般的なサービスのレベルが高い。

「ちりめん山椒」も「梅干し」も自宅で作るので(関連記事は「根気のいる初夏の作業: 実山椒と赤紫蘇」)、それらに対する味の土地勘はそれなりにあると思っています。

知り合いに勧められて泊まった「おもてなし」を売りにしている旅館の朝食の机に、想定とは違って、袋に入った工場製品としての「ちりめん山椒」とパッケージされた「焼き海苔」が置かれたりすると、そしてその袋の材料表示欄によくある種類の食品添加物などが並んでいたりすると、一生懸命ににこやかに接客手順通りに頑張っている若い仲居さんには申し訳ないが、相当に興醒めではあります。

おいしく調理された季節の食材はうれしいものですが、「カニ」なんぞに材料費を回すくらいなら、こういう地味なものにもっと手間暇をかけてくれた方が、僕にとっては「おもてなし」になる。アマチュアの手作りでは絶対にまねのできないレベルの「ちりめん山椒」が、こういう場所では食べてみたい。しかし、そういう客は、少数派、3シグマの外側の存在かもしれません。

□□□

人気ブログランキングへ

|

« 電子レンジとインスタント麺 | トップページ | 能登の冬の棚田 »

経営とマーケティング」カテゴリの記事

雑感」カテゴリの記事

食べもの」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1317632/55274738

この記事へのトラックバック一覧です: 「ちりめん山椒」と「梅干し」と「焼き海苔」と「おもてなし」:

« 電子レンジとインスタント麺 | トップページ | 能登の冬の棚田 »