« 納豆と亜麻仁油と、白髪三千丈 | トップページ | CO2濃度と農産物の収量 »

2014年3月31日 (月)

書き手の意図がよく見えない、温暖化と農産物に関する不思議な内容の記事

人気ブログランキングへ

「地球温暖化」に関して、紙面やインターネット空間をなんとなくにぎやかにすることが目的なのかなと思われるような内容の記事にときどきお目にかかります。僕にはそう見えるけれど、実際は埋め草風の記事ではないのかもしれません。ここでいう「地球温暖化」とは、人間の産業活動や経済活動が生み出すCO2が、ここ150年くらいの地球の温暖化(という害悪)のもっとも重要な原因(つまり、主犯)であるという主張のことです。

以下は、地方紙ではなく、全国紙と地方紙の中間的な位置づけの新聞 (Web版3月26日付) にあった「」です(『・・・』が引用部分)。個人名には関心がないのでここではその部分は伏字(□)で置き換えることにします。

 『地球温暖化で今世紀中ごろに平均気温が二・五度上昇した場合、日本の果樹生育エリアが劇的に変化し、国内最多の出荷量を誇る静岡県でのウンシュウミカンの生育が難しくなるとの予測が、農林水産省関連の研究機関、果樹研究所の□□□□上席研究員らの分析で分かった。横浜市で開催中の、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)作業部会の基礎データとして二十六日夕に報告される。』

『IPCCは対策を講じない場合、米や小麦などの主食や果樹の栽培適地が北上し、現栽培地では生産不能になると予測している。』つまり、我々がぼんやりしていて対策を打たず、その結果大きな温度上昇があった場合はウンシュウミカンの『栽培適地は本州内陸部や北陸地方に移動する』しかし、『新たな栽培適地に産地を移すのは簡単でない』。

この記事の不思議なところは、二つあって、ひとつは、世界の平均気温が二〇五〇年あたりに今よりも二・五度上昇したら、と唐突に始まることで、こういう場合は、読者の皆さんもすでによくご存じの通りということでしょうが、そういうことをよく知っているわけではありません。また、なぜ平均気温が二・五度も、これから三十年間から四十年間で上昇するのかについても、IPCCがどうもそう考えているらしいからだと云うこと以外には、その記事からは読み取れない。

もうひとつの不思議は、その結果、ウンシュウミカンのような果樹の栽培適地が北上するのでけしからんと言っているらしいことです。ある農作物の栽培適地が気候の変化でA地域から、(A地域よりは北の)B地域に移動するというだけで、A地域にとっては困ったことですが、B地域にとっては迷惑な話ではない。これはほとんど、台風が発生して我が家のあたりを通過するのはけしからん、台風が発生しないように方策を講じるか、その台風がどこか我が家の近所ではない別の場所を通るようにしてくれと文句を云っているのに近い。

穀物(たとえば米や小麦)や野菜・果物(たとえば大豆やインゲン豆、ブロッコリー、オレンジ)のような農産物、それから松のような樹木も、CO2濃度が高くなると、種類によって程度の差はあれ、確実に収量が増え、成長が加速されます。農産物についての分析とその紹介記事なので、そういうところも踏まえたものだと参考になるのですが、どうも書き手の意図がよく見えない記事ではありました。

人気ブログランキングへ

|

« 納豆と亜麻仁油と、白髪三千丈 | トップページ | CO2濃度と農産物の収量 »

経営とマーケティング」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

農産物」カテゴリの記事

野菜と果物」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1317632/55579068

この記事へのトラックバック一覧です: 書き手の意図がよく見えない、温暖化と農産物に関する不思議な内容の記事:

« 納豆と亜麻仁油と、白髪三千丈 | トップページ | CO2濃度と農産物の収量 »