« 「トップクラスの気候専門家ということになっている十代の悪ガキ」 | トップページ | たまには「あごだし」 »

2014年4月 8日 (火)

血圧が「130/85」から「148/95」へ

数十年の歴史をふり返ってみると、「知見」や知見に基づく「基準値」・「ガイドライン」というものも「諸事情」によってけっこう変化します。これは、そういう事例のひとつです。

先日(4日)、日本人間ドック学会と健康保険組合連合会が、人間ドックなどで今まで集めてきた健康な1万人のデータを分析した結果、とくに持病がない人は、「収縮期血圧が147以下」、「拡張期血圧が94以下」なら高血圧を気にしなくてもいい、という新しいガイドラインを出したそうです(以下の2014年4月5日付の新聞記事)。

147_20140405web

今までの「医学界」のガイドラインは、「収縮期血圧が129以下」で「拡張期血圧が84以下」だったので、基準値が「130 / 85」から「148 / 95」へと血圧の高さや幅が相当に緩やかになったことになります。

こうなると今まで「血圧が130を超えたら、□□□を」といった宣伝文句で商品プロモーションをしてきたサプリメントなどの特定保健用食品・栄養機能食品の製造販売会社は大変ですが、そういうものに縁のない僕としては、そういう商品のマーケティングの内容がどう変わってくるのか、高みの見物状態です。

モノの本を引っ張り出してきて過去50年くらいの血圧ガイドラインなるものを、定期健康診断を受けたり人間ドックでお世話になる立場で並べてみると以下のようになります。

□ 1960年代は、「150 / 100」
□ 1970年代は、「165 / 95」(WHO世界保健機構)

□ 1993年からは、「140 / 90」が「境界域高血圧」として「165 / 95」を補完(WHOと国際高血圧学会)しましたが「140 / 90」が高血圧の基準値として独り歩きを始めました。その方がビジネスが有利に展開する人たちが多かったのでしょう。

□ 2009年からは「130 / 80」が正常血圧、「130~139 / 80~89」は「正常高値血圧」という不思議な言葉で呼ばれるようになりました(日本高血圧学会)。「135 / 78」は片方が正常血圧の範囲に収まっていないのでないので、正常高値血圧になります。そして「収縮期血圧が140以上」あるいは「拡張期血圧が90以上」のどちらかに該当すると「高血圧」と判断されます。

だから、「135 / 85」は決して高血圧ではないのがけれど、ある地方自治体の血圧ガイドラインは生真面目に「収縮期血圧の基準値は90~129」、拡張期血圧の基準値は ~84」となっており、そういうガイドラインがそのまま運用されると、日本中「高血圧患者」だらけになってしまいます。

日本の人口は約1億2700万人です。その4分の1が2009年以降に新たな高血圧患者になるとすると3000万人、5分の1だと2500万人。高血圧治療関連ビジネスにとってはターゲット層の拡大は喜ばしいことではあるのでしょうが、国民の支払う医療費も増大します。今回の発表は国民医療費の削減という目的が背景にあるのでしょうが、こういうぼんやりとしたガイドラインも、薬やサプリメントよりも食材にはるかに高い優先順位を置く一般人にとっては、悪くはありません。

□□□

人気ブログランキングへ

|

« 「トップクラスの気候専門家ということになっている十代の悪ガキ」 | トップページ | たまには「あごだし」 »

ヘルシーエイジング」カテゴリの記事

経営とマーケティング」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

食べもの」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1317632/55656121

この記事へのトラックバック一覧です: 血圧が「130/85」から「148/95」へ:

« 「トップクラスの気候専門家ということになっている十代の悪ガキ」 | トップページ | たまには「あごだし」 »