今年(2014年)の梅干し:二番目の工程

「今年(2014年)の梅干し:最初の工程」の続きです。
梅干し作りの二番目の工程は、「赤紫蘇」です。ゆったりとした白梅酢の中で重石を載せられて休憩中の梅を、塩で揉(も)んでアク抜きをした赤紫蘇の葉で「日の丸弁当」の赤に染めます。要はこれだけのことですが、この工程が結構な重労働です。強い力が必要な種類の作業という意味ではなく、ひたすら根気が要求されるタイプの作業です。
茎がついたまま摘みとられたり刈り取られた赤紫蘇から、濃い赤紫の葉の部分だけを一枚一枚丁寧にはずしていきます。この作業に手抜きが入ると、赤の色が濁るし、熟成時に梅干しといっしょに食べることになる赤紫蘇そのものの食感と食味も損ないます。退屈というよりも、量が多く時間がかかり苦行に近い手作業になるので、音楽を聴きながら手を動かします。配偶者と二人がかりです。
今年の背景音楽はキース・ジャレットの1970年代半ばの複数のピアノソロコンサート・アルバム。我が家の一年以上寝かせた梅干しを売り出すのなら、一個が500円以上じゃないと割に合わない、いや500円くらいなら知らない人には売りたくないな、などと考えながら根気を持続します。
赤紫蘇の葉は、二~三度水洗いして泥や汚れを落としたあと、大きめのステンレスボールで塩もみしてアクを抜きます。アク抜きは二回。嵩(かさ)が減ってしなっとなったのを白梅酢の中で待機中の梅の上にすきまなく敷き詰めていきます。梅と赤紫蘇を交互にサンドイッチにすると染めの効果は高いのですが、サンドイッチ作業で梅を傷つける恐れがあるので、我が家ではそこまではやりません。
容器の白梅酢はひたひた程度が適量なので、余った白梅酢は貴重な調味料として慎重に瓶詰めして冷蔵庫に保管します。
下の写真は、茎から葉をとりはずす作業にとりかかる前の、結構なボリュームの赤紫蘇です。
次の工程は梅の「土用干し」です。夏の土用は、立秋(八月八日頃、今年は八月七日)の前十八日のことですが、札幌では天日干しにふさわしい天候が土用から少し後ろにずれるので「立秋前の天日干し」ということになります。この工程を通過すると少し梅干しらしくなってきます。
しかし、本当に梅干しらしくなるのは、それから一年以上甕(かめ)の中で熟成させてからです。できたら熟成期間は二年間。時間をかけた熟成が、おいしい梅干しの最終工程ということになります。
白梅酢と赤梅酢については「白梅酢とヒメマス、赤梅酢と簡易しば漬け」をご覧ください。
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