アベノミクスと「日本再興戦略」(改定 2014)

米国のレーガン大統領時代の政権は、「企業のための企業による企業の政府」と云われましたが、現在の日本の安倍政権の特徴を同じように表現すると「グローバル企業のためのグローバル企業によるグローバル企業の政府」ということになります。
【「日本再興戦略」改定 2014 -未来への挑戦-】(平成26年6月24日)などを斜め読みすると、グローバル企業や類似の環境で仕事をしていない限り出会わないであろうところの三文字言葉や四文字言葉、あるいは英語のカタカナ用語に溢れています。どういうタイプの読者を想定しているのでしょうか。よくわからない。
三文字言葉・四文字言葉と英語カタカナ用語をランダムに拾ってみます。MBA用語辞典や経営・マーケティング教科書で意味を確かめないと先へ進めないような表現が次々と現れます。
KPI (Key Performance Indicator)
PPP / PFI (Public Private Partnership / Private Finance Initiative)
デフレ・マインド
イノベーション・ナショナルシステム
成長エンジン
アクションプラン
ワーキンググループ
プラットフォーム
コーポレートガバナンス
グローバル・ベンチマーク
インベストメント・チェーン
バリュー・チェーン
クラウドファンディング
スチュワードシップコード
コンパクトシティ・プラス・ネットワーク
この戦略には「担い手を生み出す~女性の活躍促進と働き方改革」、「地域活性化・地域構造改革の実現/中堅企業・中小企業・小規模事業者の革新」、「世界に冠たる高品質な農林水産物・食品を生み出す豊かな農山漁村社会」といった章や節も並んでいます。学歴の高いキャリアウーマンを別にすれば、当該の章や節で対象となっている人たちには、上述のような用語の理解はおそらくは難しい。
書き手と、書き手が想定している読者層の一部がとんでもないすれ違いを起こす可能性も高そうです。
しかし、「グローバル企業のためのグローバル企業によるグローバル企業の政府」が、仲間うちに向けて書いた公的な装いの私的な文章だとすれば、その言葉遣いにとくに違和感はありません。
著者(たち)は、実際は、どのような読者を想定しているのでしょうか?
関連記事は、<ダニ・ロドリク著「グローバリゼーション・パラドックス」と、下村治著「日本は悪くない(悪いのはアメリカだ)」:グローバリゼーションと国民経済>。
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