2014年新米の卸値が値下がりしているらしい、が・・・
「新米、値下がり」「2014年産の新米が値下がりしている。早めに収穫した九州産などに続き、代表銘柄の一つの新潟産コシヒカリの卸値が前年に比べ1割程度下がった。店頭価格も下落する見込みだ。消費減退などで高水準の在庫が続いている影響が大きい。」と書いてある新聞記事が目に入りました(日本経済新聞 2014年9月10日)下はその記事の中のグラフです。
そういえば、2010年にもコメの値段が安くなったと一部で騒がれていたのを思い出します。
上に引用した記事の内容は、それなりに正しいのでしょう。「それなりに」とはその記事が該当する市場セグメントに関しては、という意味です。たとえば、上のグラフは「全農卸値、一般品」を対象としています。
「農産物は、農協への出荷が半分、消費者や小売流通チャネルへの直接出荷が半分」というブログ記事でも触れたように、市場に出荷される農産物の約半分が農協経由、残りの半分は、農家や農業法人から(エンド)消費者や大規模小売チャネルに直接に出荷されています。大規模小売チャネルは、販売キャンペーン等のイベントで農家からの仕入れ値を買いたたくのがお得意なので、農協経由の値下がりした値段がそのための参照ツールになる恐れはありますが、消費者への直販市場はそういう影響は受けない。
消費者直販市場とは、消費者が、有機栽培米や無農薬栽培米、低農薬の特別栽培米といった安全・安心なお米、あるいは、より食味の良いお米に対してプレミアム価格を払うことを同意した市場のことです。そういう市場では、途中に手数料ビジネスのインターネット仲介業者が入ることもありますが、農協経由市場の価格が及ぼす影響という意味では気にしなくていい。二つの似て非なる世界が併存しています。
我が家や、わが家の二~三の知り合いも、それぞれお気に入りの農家から直接にお米を購入していますが、値段は安定していて、上に引用した折れ線グラフのような変動はありません。生産する方も買う方もそれでよしとしている。
そのうち消費税が食料品を含めて10%に上昇するであろうことを考えると、農協経由市場での1割程度のお米の値下がりは、食料品消費者であるところの消費者の財布の健全性のためには、ちょうどいい調整装置の役割を果たすことになりそうです。
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