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2014年9月29日 (月)

西と北の電力会社のビジネス感覚の違い

新聞記事に書かれていることは必ずしも事実とは限らない。記事の作成意図に合わない種類の出来ごとはたいていの場合切り捨てられてしまい、作成目的に合った「事実」だけが紙面に並ぶことになります。インタビュー記事も同様で、インタビュー内容のすべてが紙面にあるわけではありません。「選択と集中」という操作が生のインタビュー内容に加えられ、編集された結果がインタビュー記事として登場します。

事実という言葉が英語の FACT と同一内容だとすると、FACTは「作られたもの」「作られたこと」というのがもともとの意味なので、新聞記事に事実の捏造が散見(ないし「頻見」)されてもそれに目くじらを立てる必要もないのかもしれません。そういう記事は捨て置いて、自分の眼と頭を使えばいい。

とはいうものの、以下に、西と北の電力会社に関する三つの「新聞記事」を並べてみます。二つは電力の域外販売についての一般的な取材記事、もうひとつは新社長へのインタビュー記事。その記事の内容がどこまで作られたものかはここではそれほど気にせずに必要部分を引用します。(【註】必要部分を引用するというぼくの行為も「必要部分の意図的な選択」には違いありません。)

三つの記事を読み比べてみると、新しい環境変化をどう機敏にねちっこく利用するかという三つの企業のビジネス感覚の違いが、もっと大きな紋切型用語を使えば、それぞれの企業のコンティンジェンシープランの差が見えてきます。

◇最初の記事(下線は「高いお米、安いご飯」による)

『関電、仙台に火力発電所 来秋着工、首都圏に売電へ』(朝日新聞デジタル 2014年9月26日)

『関西電力が、大手商社の伊藤忠商事グループと共同で、仙台市に石炭火力発電所を建設する計画を進めていることが25日、分かった。2017年の完成をめざし、つくった電気は首都圏などの顧客に売る考えだ。

両社は9月11日、傘下の会社を通じて石炭火力での発電を担う特別目的会社を設立した。石炭を燃やして湯を沸かし、蒸気で発電機を回す仕組みの発電所を、仙台港近くに設ける計画を進めている。出力は、大型の原子力発電所1基の10分の1ほどで、11・2万キロワットの見込み。来年秋の着工を計画しているという。発電した電気は、両社で分け合う見通し。

関電は今年4月、子会社の関電エネルギーソリューションを通じて、首都圏の工場やビルなどへの電力販売を開始。現在は、自家発電などで余った電気を買い取るなどして調達しているが、事業拡大に向けて電源をどう確保するかが課題だった。(・・後略・・)』

◇二つ目の記事(下線は「高いお米、安いご飯」による)

『中国電、西日本全域で販売』(日本経済新聞 2014年9月27日)

『中国電力は関西や九州、四国での電力販売に乗り出す。2016年4月の家庭向けの電力小売り自由化に合わせ、域内の電力消費量の1割に相当する100万キロワット規模の電気を域外で販売する構えだ、域外販売としては初の大規模供給となる。電力価格の安さを武器に西日本全体に販路を広げる。』

そして、なぜ中国電力の電力価格が安いかというと、これは原子力発電はいちばん低コストだから重要だという姿勢の日本経済新聞らしくない記事説明となっています。

『中国電が攻勢に出る背景には、原発への依存度が低く、関電などより電気料金が安い点がある。』

【註】中国電力は、確かに、火力発電所と揚水式の水力発電所が充実している電力会社です。出力128万キロワットの島根原子力発電所などなくてもとくには困らない。

◇三つ目の記事

『(北海道電力)新社長一問一答』(日本経済新聞 「北海道経済」 2014年9月26日)

―― 電力再値上げを申請中の社長就任だが。優先する経営課題は。
『停止が長期化している泊原子力発電所の一日も早い再稼働を目指したい。収支、財務は悪化しており、電力需給の面でも喫緊の大きな課題だ。経営効率化についても検討を進めている。・・後略・・』

―― 原発再稼働には反対の声も上がる。
『電力の安定供給上、会社の運営上、原発は必要だ。原発を作り上げ今まで運営し、大きな貢献をしてきた。需給安定の面や、電気料金でも大きな貢献をしてきている。』

関連記事は、「原子力発電に関する誤文訂正問題」。

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