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2014年9月 2日 (火)

繊細な日本酒と冷蔵便

そうでないタイプの日本酒もありますが、丁寧に作られた日本酒はとても繊細です。粗雑な扱いをされるとすぐに壊れてしまう。

日本酒が壊れてしまうとは、味わうための日本酒が、一夜にして、いわば、料理用の日本酒になってしまうことです。料理酒として造られた日本酒を一度飲んでみると僕の云わんとすることがお分かりになると思います。酒飲みには向かない。

甘さと酸っぱさが混淆したところの果物のような香りと味が消えていました。香りと味の決め手である酵母が死んでしまったようです。そこに残されていたのは単調な米の甘さだけでした。アミノ酸過多のお酒です。配偶者はこれを粉っぽい味だと形容しました。

そのお酒は、ある地方の小さな蔵元が造っている純米吟醸無濾過生原酒(コメは備前雄町)と、純米吟醸無濾過生原酒(コメは阿波山田錦)です。とても美味しい。何度も飲んでいる。しかし今回だけはなぜか味が死んでいます。

釈然としないので、地酒屋を通して蔵元に状況を調べてもらいました。

配送業者が蔵元の「冷蔵」指定を守らずに、八月下旬の東京以西(と、わざと曖昧な書き方をしますが)で、それを常温放置してしまったそうです。運送中の車両や流通途中の倉庫で「冷蔵」以外の保管の仕方をしてしまうと、気温の偶然に恵まれない限り、それが二日程度でも日本酒を殺してしまいます。こういうのは今や過去形で語る種類の話かと思っていたら、しっかりと現在進行形でした。よくある話は、いつまでもよくある話であり続けるみたいです。

お取り寄せでなく、近所で繊細な種類の日本酒を買う時も、だから、ちょうどコンビニの飲み物用冷蔵庫のようなガラス扉のついた冷蔵設備のあるお店を選ばないといけない。気を付けたいのは、店頭に並んでいるときは立派な冷蔵庫の中だが、バックヤードでその他大勢の商品といっしょに保管されているときにどうなっているかです。消費者には見えない。聞くわけにもいかない。

このあたりは自分で何度か失敗を重ねてよいお店にたどり着くか、信頼できる口コミ情報をどこかから手に入れるしかありません。

ちなみに今回は蔵元から替わりが「冷蔵便」ですぐに送られてきました。苦情を申し立ててトラブルが解決した顧客は非常に高い確率でリピーター顧客になるという実証研究があります。その実証研究に事例がひとつ追加されました。

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 お気に入りの鳴海織部のぐい呑み

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