秋の大量の竹とんぼ
秋になるとベージュ色の小さな竹とんぼが大量に風に乗って舞い始めます。弱い風に乗ってひらひら飛ぶのも得意ですし、強い風を利用して遠くまで飛翔するのも巧みです。あまりに量が多い時は、淡い色の羽根虫がいっせいに飛んでいるのかと錯覚します。我が家のベランダに飛び込んできたものを数枚集めてみたのが、下の写真です。
小さな竹とんぼの正体は、ある樹の果実 (fruit) ないしは種 (seed) です。この時期は、樹の真下に立って見上げたら、飛翔前の大量の竹とんぼが枝で待機中の様子が観察できます。
その樹の名前はシンジュ。漢字だと神樹と書きます。神の樹。「とても成長が早い、幹の太さは1メートル、高さは25メートルにもなる、ぐんぐんと天に向かって大きくなるさまから神樹」というのが名前の由来だそうです。英語名は Tree of Heaven。神の樹、あるいは天の樹。植物図鑑風の名称は、近所のどなたかが作った木の表札(説明板)にもあるように、ニワウルシ(庭漆)です。
モノの本によると原産地は中国の東北部・中央部と台湾ですが、ドイツ、米国、スペイン、オーストラリアなど世界中に拡散してきたみたいです。日本だと、おそらくは北海道。僕は札幌でこの樹に初めて出会いました。この樹の果実(ないし種)は独特の風情で飛翔するので思い出に残るはずですが、日本の別の場所では見たことがない。
この樹からは大量の竹とんぼが飛び立ちます。しかし、春になってそれなりに離れた場所から苗が育っているのに気がついたという記憶もないので、繁殖力は強いのか弱いのか、一定面積ごとに棲み分けることに徹しているのか、その実態がどうもよくわからない。
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