ダークスーツの調理系男子
先週金曜日の午後6時30分過ぎのことです。葉物野菜や大根の入った買い物かごをさげ、15センチくらいの長さにカットされた長いもを朝食用にいくつか買うためにそちらのコーナーに配偶者と向かうと、30歳を少し過ぎた感じのダークスーツの青年が買い物かごを手に、なにかを計算するような視線で棚の食材を眺めてしていました。
その青年の買い物かごの中を拝見すると、「豚肉」「鶏肉」「キャベツ1個を半分にカットしたもの」「白ネギ」「トマト」「しめじ」「ブロッコリー」。数日分の晩ごはんに十分な量の食材が入っています。こういう種類の買い物には手慣れた様子で、奥さんに頼まれて買い物中という雰囲気ではありません。
30歳過ぎのダークスーツが金曜の夕方にこんな場所にいるとはよほど仕事が暇に違いないという感想をお持ちの、グローバル企業勤務で一日の労働時間が15~16時間のお忙しい都心のビジネスマンやビジネスウーマンの方もいらっしゃると思いますが、札幌の彼には、彼のプライオリティーと生活のリズムがあるのでしょう。
失礼を承知で声をかけてみました。「お料理をされるのですね。」青年は声の主であるぼくを見、となりの配偶者の姿を確認し、少し驚いたような、少し照れたような表情になって「ひとり暮らしですから」。一方、その青年と同年代の、あるいはもう少し年上の女性の買い物かごが、加工食品とインスタント食品、それからお菓子でいっぱいになっているのはよく見る光景ではあります。
おそらく青年はその日の夜は非常に忙しい。その日と週末と次の週の平日の晩ごはんの準備というか、下ごしらえに時間を割くに違いないからです。数日間のメニューを作り、材料を切り分け、下味をつけるものはその作業をその場で済ませてしまう。こうすれば、食事代は外食よりははるかに安くつく。
この青年の場合は消費税増税後に自炊を始めたとは思われませんが、今年の4月以降に調理系男子が増えたとしても驚かない。高級価格帯以外の外食産業の売り上げが落ち込んでいる原因の一つが、独身調理系男子の増加だということに、ここでは、しておきます。「『聡明な女は料理がうまい』」、「賢い男は自炊が得意」。
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