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2014年11月19日 (水)

すっぴんの数の子とたらこ

塩は使うのでまったくのすっぴんというわけではありませんが、鮮やかな赤に染められてはおらず、あるいは、白い肌に漂白されていないので、すっぴんと云うことにしておきます。

数の子は鰊(にしん)の卵(卵巣)を塩漬けにしたもの、たらこは、スケトウダラの卵(卵巣)を塩漬けにしたもの。なお、辛子明太子は、そのたらこをさらに唐辛子で味付けしたものです。

辛子明太子は北海道ではなく、スケトウダラの獲れない(しかし朝鮮の加工食品文化と関連のある)北九州の名物になっており、このあたりの事情は、北海道で獲れた昆布が北陸で高級な干し昆布となり、京都や大阪で値段の高い塩昆布に加工されるのと同じです。

鰊もスケトウダラも北海道の魚です。鰊は50年以上前に北海道沿岸から忽然と姿を消しましたが、近年は小樽沿岸などでは「群来(くき)<海岸に押し寄せた鰊の産卵で海が乳白色に染まる現象のこと>」が観察されるようになりました。スケトウダラは漁獲量が管理されている魚です。卵はたらこになり、身はかまぼこの材料になります。

お化粧をした加工食品の方が、そうでないすっぴんの加工食品よりも、どういうわけか、よく売れます。どういうわけか、と云う必要もないのですが、見かけのおいしそうな方に消費者の手が伸びるということです。食欲を十分に刺激する程度まで赤く染められたたらこや辛子明太子の方が、塩漬けしただけで地味なくすんだ赤のものよりも断然よく売れる。デパ地下やスーパーでは鮮やかな赤以外を見つけるのが非常に難しい。数の子も、色白の美肌が好まれます。

札幌で暮らす楽しみのひとつは、北海道で獲れた素材を使ったすっぴんが比較的手軽に手に入ること。我が家ではたらこや辛子明太子にはあまり関心がないので、もったいないのですが、すっぴんのお楽しみは季節限定、年に一度のお正月用数の子ということになります。

塩漬けだけの少しくすんだ黄色をパリパリと食べます。パリパリ音と弾力のある歯ごたえの両方を楽しみます。

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