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2014年12月

2014年12月30日 (火)

お天気雪

お天気雨というのがあります。日が照っていて、同時に雨が降る天気のことですが、札幌はお天気雪が得意です。雪の降りが適度に厚いと太陽がぼんやりと陰り、写真のような状態になります。その後カラッと晴れるか、雪で陽射しが全く消えてしまうかは空(そら)のみぞ知る。

ブログは1月4日(日曜)までお休みさせていただきます。よいお年をお迎えください。

          Dec2014

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2014年12月29日 (月)

橙(だいだい)のポン酢とマーマレード

この冬は今まではいつもよりもはるかに寒い模様ですが、例年は暖かい産地から橙(だいだい)が届きました。ポン酢とマーマレードにします。

生産量が多くて入手の比較的簡単な柚子もときどきは使いますが、我が家の自家製ポン酢の中心は初秋の「すだち」と冬の「だいだい」です。「すだち」や「だいだい」の絞り汁に米酢、醤油、煮切り味醂、かつお節、だし昆布を加えたものを大きなガラス容器に詰め、冷蔵庫の中で必要になるまで寝かせておきます。複数本作るのですが、在庫があるので平均睡眠時間は数か月。昆布を取り出して、かつお節を濾して、小ぶりな容器に移せばいつでも使えます。こういう時の配偶者の口癖は「もう1台、冷蔵庫があったらいいなあ。」

マーマレードは「だいだい」のような柑橘類の果皮と果汁に糖類を加えて加熱しゼリー状にしたものでジャムの一種です。柔らかくなった皮のほのかな苦みがおいしい。マーマレード用の糖類には、北海道産の「甜菜(てんさい)糖」を選んでいます。マーマレードは、もっぱら自家製豆乳ヨーグルトといっしょに楽しみます。

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2014年12月26日 (金)

≪コメの価格「下落」6割≫ だそうです。意味、わかりますか?

ある新聞の見出しに≪コメの価格「下落」6割≫とありました(12月25日)。普通に字句のままに読むと≪去年は5㎏袋入りで2,000円だったコメが、今年は800円≫という意味になります。あるいは、日本全国にはいろいろな銘柄のコメがあり同じ銘柄でも複数の地域で生産されていて、産地と銘柄の組み合わせは大ざっぱに数えて100近くになりますが、そういう組み合わせの6割で価格が下落しているという意味かもしれません。この見出しはそう読めなくもない。

見出し作成者の意図が、読者を惑わすこと、あるいは見出しだけを見て立ち去る忙しい読者に不正確な印象を植えつけることなら、その意図は成功しているようです。

見出しに続く本文の最初に置かれている要約風の数行を拝見すると「日本経済新聞が主要なコメ生産者にアンケート調査を実施したところ、約6割が今後も小売価格の下落が続くとみていることが分かった」となっているので、≪コメの価格「下落」6割≫とは、≪コメの小売価格が「下落」すると、アンケート調査対象になったコメ生産者のうち、その6割が考えている≫という意味であることがわかります。

アンケート数字やそれを加工した数字はこの記事の中にいっぱい出てくるのですが、十分な裏付けデータを提示しない断言も目につきます。たとえば「消費者のコメ離れが続き需給が締まらない」そうですが、それに関連する記述は「農林水産省によると10月のコメ小売価格は前年同月比7%安の5㌔1865円(消費税込み、全銘柄平均)で約3年ぶりの安値だ」だけ。これだけでは「消費者のコメ離れが続」いているのかどうかはわからない。

たとえば、下のようなグラフが一緒に提示されていたら「消費者のコメ離れ」傾向は納得できますが、そういう親切はこの記事には見られない。

Photo

特定産地で生産されている特定銘柄の値段があいかわらず高いという現実があります。他の良食味米と価格差ほどの差があるとは思われませんが、まあ、ブランド価値というのは味の差以上に価格差を生み出すということなので、それでよしとします。そういうブランド米のファンは年齢層が高いので、消費量が徐々に減っている可能性は高い。しかし、それだけでは、消費者の「全般的なコメ離れ」を説明できない。

ぼくの大胆な仮説は「お米が甘くなって、お米の消費量が低下?」です。

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2014年12月25日 (木)

タクシーの運転手に関する思い出、二つ

ある雪の休日の夕方に、札幌市内で小型の個人タクシーを拾いました。行き先を言うと、ぼくと同年輩の男性運転手がカーステレオの後部座席用スピーカーの音量を適度に大きくしてくれました。流れてきたのは、女性ボーカルのUnforgettable。乾いていて、そして、しっとりしていて、うまいなあ、と思い、そのまま聴いていました。

3曲聴いたところで目的地が近づいてきたので、「この歌手はなんという名前ですか。」
「ジャニス・シーゲル。・・・お客さん、マンハッタン・トランスファーはご存知ですか。」
「ええ、一応。」
「マンハッタン・トランスファーの女性ボーカリストです。」
「うまいですねえ。」
「ヘレン・メリルもちょっと飽きてきたので、近頃は、もっぱらジャニス・シーゲル。」

こういうタクシーにめぐり合わせると、幸せな気持ちになります。 It was an unforgettable taxi。

古い町ではドキッとすることを云うタクシーの運転手に出会うことがあります。

「お客さん、奈良の仏教は生きている間の仏教です。京都の仏教は死んでからの仏教ですが。」以前、奈良に所用で出かけた時に地元の運転手がそう教えてくれました。明快すぎる対比だったので、鮮明に記憶に残っています。あるいは誰かの受け売りかもしれないが、自分の言葉になっていました。

奈良の仏教は現世で利益を得るための仏教、京都の仏教は死んだあと極楽浄土に行くための仏教、ということですが、あるいはもっと形而上学的な意味合いを込めていたのかもしれません。奈良に都があった頃の奈良のお寺は人文科学系の最先端研究を競うというか、智の深みを追い求める国立大学のような学問と研鑽(けんさん)の場所でした。そういうことも含めて、奈良時代以降の奈良の仏教は人が生きている間に悟りに近づく手助けになるものであり、決して葬式用の仏教ではないと、その運転手は云いたかったのでしょう。

奈良と京都という区分の仕方に意味があるかどうかは別にして(鎌倉時代になる前の日本の仏教を輸入品のままで未成熟だという理由でまともに取り扱わないような流儀もあるので、それに比べるとおだやかな区分ですが)宗教というものの本質に触れるようなひとことです。こういうタイプの地元の自慢は聞いていて楽しい。

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2014年12月24日 (水)

とりあえず気がつかないふりをしよう、ないことにしよう、なかったことにしよう

なし崩し的に第二次世界大戦(日中戦争と太平洋戦争)に巻きこまれていった当時の一般市民であるところの日本人の心象風景を以前は想像するのがけっこう難しかったのですが、とくにここ十数年の日本の状況がその作業を簡単にしてくれました。キーワードは「とりあえず気がつかないふりをしよう、ないことにしよう、なかったことにしよう」。

作家の井上ひさしは、『東京セブンローズ』という、太平洋戦争敗戦直前と敗戦直後の日本を舞台にした小説の中で、七人の女性と一緒に活躍する男性新聞記者に次のように語らせています。

『大日本帝國といふ國家がなくなれば當然、日本人は存在できなくなる。したがつて、最後の一人になるまで徹底して抗戰し、一億の日本人はみな玉砕するしかない。・・・さう思い込み、さういふ立場で紙面をつくってゐたわけですよ。だが、ちがつた。たしかに大日本帝國はなくなった。それぢや日本人が存在できなくなったかといへば、さうではない。ここにかしこに日本人がゐて、日本語がある。つまりなくなったのはかつての支配層だったんです。もっといへば、大日本帝國の實體、その中身というのは、なんのことはない、當時の支配層のことだつたんですな。そんな簡単なことがわからなかつたのだから情けないといってゐるのです』

ぼくは、その一部を少し変えて、以下のようにしてみたい。

『大日本帝國といふ國家がなくなれば當然、日本人は存在できなくなる。したがつて、最後の一人になるまで徹底して抗戰し、一億の日本人はみな玉砕するしかない。・・・さう思い込み、さういふ立場で紙面をつくってゐたわけですよ。だが、ちがつた。たしかに大日本帝國はなくなった。それぢや日本人が存在できなくなったかといへば、さうではない。ここにかしこに日本人がゐて、日本語がある。國という仕組みとは別に、人がゐて言葉がある。つまりなくなったのは神國日本といふ虚構、天皇に権力を賦与しながら天皇が実質的な権力を持たないといふ大日本帝國の實體、その中身というのは、なんのことはない、明治以来、國家神道を推し進めてきた當時の支配層のことだつたんですな。そんな簡単なことがわからなかつたのだから情けないといってゐるのです』

しかし、支配層でなかった人たちも、男性は『大東亞新秩序、紀元二千六百年、月月火水木金金、一億一心、大政翼贊、八紘一宇、玉砕、どれもこれもぴかぴかの漢字、かういつた御立派な漢字で天下國家を論じて、それで日本はどんな國になりましたか。少しでも立派な國になりましたか。答えは出ています。すつかりだめな國になつてしまつた』と賢い女性から論評され、一方、女性は『大日本婦人會の襷(たすき)を大袈裟にかけて<進め一億、火の玉だ>と連呼しながら、そこの不忍(しのばず)通りを嬉しそうに提灯行列してゐたのはどこのだれだ』と男性から揶揄されるような状態だったので、おたがいにまったくの無関係とはいえない。

つまりは、2014年という現在と同じです。現在はどんな状況か。前述の「とりあえず気がつかないふりをしよう、ないことにしよう、なかったことにしよう」というキーワードで気になることを二つ整理してみます。

原発事故はなかったことにしよう。福島原発からは放射性物質があいかわらず漏れ出しているがそういうことには気がつかないふりをしよう。福島原発は東京五輪のためにとりあえず ”the situation is under control” ということにしておこう。原発から出た放射性廃棄物質の有効な廃棄方法はないがその問題にはとりあえず気がつかないふりをしよう。既存の原発再稼働も、MOX燃料だけを使う大間原発の建設も問題がないということにしよう。大間原発から30キロメートル以内にある函館市の異議は、別の都道府県の言い分なので、ないことにしよう。

外国の軍事基地が自国内にあるというのは、その逆を考えると簡単に理解できることだが、自国がその外国の植民地ということだ。しかし、日本にある沖縄や岩国や厚木・座間・横田などの米軍基地については沖縄を除いては今までもそうだったように、これからもその存在や意味に気がつかないふりをしよう。日本国憲法第九条の一項と二項は、日本国内の米軍基地の存在と実質的な運用セットになっているが、そういうことには気がつかないふりをしよう。与党が日本国憲法の肝心な部分を大日本国帝國憲法風に置き換えようとしていて草案まで作成しているが、そういうことには気がつかないふりをしよう。

先日、投票率が52%の第47回衆議院議員選挙が実施されましたが、その後も「とりあえず気がつかないふりをしよう、ないことにしよう、なかったことにしよう」が継続中のようです。

関連記事は「憲法雑感」。

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2014年12月22日 (月)

30㎏袋入りの北海道産大豆「とよむすめ」

写真は30㎏入りの袋に入った「とよむすめ」という種類の北海道産の有機栽培「大豆」で、自家製味噌と自家製豆乳ヨーグルトの原料です。まとめて買った方が当然安いので、今年は30kgの袋入りを購入しました。袋に押してある検査日付印は平成26年(2014年)11月12日。札幌暮らしだと、一般消費者でも、こういう注文ができます。

来年1月下旬から2月上旬にかけて仕込む予定の味噌には10㎏、毎日食べる豆乳ヨーグルトには1年間で14kgくらい使うので、残りの5~6kgは何かに消費するとして(余裕があるなら味噌の追加でもいい)、1年間に大豆30kgは米麹や乳酸菌を利用した発酵食品作りに消費してしまいます。味噌用の米麹は市販のものを購入し、豆乳ヨーグルト用の乳酸菌は自宅で作る。

30㎏袋そのままだと重すぎて嵩(かさ)張って不便なので、今後の調理の都合を考え、1㎏ずつ小袋に小分けして保存しておきます。

味噌は毎年10㎏くらいの大豆を使って仕込むと、熟成した2年物を余裕を持って使えるし楽しめる。梅干しもそうですが、こなれた旨みには2年間程度は必要です。

30kg_b 30kg_a

蛇足ですが、米(コメ)1俵は60㎏で、現在の日本人の一人当たりのコメ消費量は1年間でだいたい60㎏です。パン・ラーメン・うどん・パスタなどを通して消費される小麦の一人当たり年間消費量は30㎏くらい。豆腐・油揚げ・味噌・納豆・醤油・豆乳などの材料である大豆のそれは約8㎏です。

米と小麦の一人当たり年間消費量推移についての関連記事は、「お米が甘くなって、お米の消費量が低下?」。

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2014年12月19日 (金)

詠み人知らずの「ミートソース」と、山上憶良の「宴を罷(まか)る」

以下の十数行はどなたかがご自身のブログ記事の中に、どこか別のサイトから引用してあった一節です、とてもいい内容だったのでその部分をそのまま個人用に保存してあります。ぼくにとっては、いわば、詠み人知らずの簡潔なミートソース論です。それを孫引きします。

≪結婚して初めて、嫁がミートソースを作った。「どうだった?」と聞かれたので正直に「美味かった」と前置きしてから、 以下の改善点をメモ帳に列挙して一項目ずつ読み上げた。

・具は全部みじん切りにしろ
・ミンチは牛肉以外ありえない
・セロリが無いならミートソースを作るな
・具材はしっかりと炒め終わってから煮込め
・白でも赤でもいいからワインで臭みを消せ
・トマトは缶詰でもいいからイタリアントマト以外使うな
・ローリエくらい入れろ。苦味が出る前に取れ
・最後にバターくらい入れろ
・ケチャップを入れるな。ケチャップの味しかしないだろ
・なぜ辛くした
・ミートソースを1.4mmのスパゲッティーニにかけた理由を言え
・この緑色の缶に入ったパルメザンチーズを捨ててこい
・今後一切、これをスパゲッティミートソースと呼ぶ事は俺が許さん

泣いて実家へ帰られた。俺が悪いのか。≫

ぼくがいちばん同感するところは ≪セロリが無いならミートソースを作るな≫という項目です。大人の味のセロリを軽んじてはいけない。ケチャップについては、この若い奥さんの感性は、ぼくの想定域を超えているのでノーコメント。しかし、若い奥さんを泣かして実家に帰してしまったところの「俺」は、ぼくの目には、「美味しかった」という前置きを忘れない優しい親切なご主人と映ります。

山上憶良(やまのうえのおくら)という万葉歌人がいました。地位のあまり高くない官僚で、中華的な素養と教養に満ち溢れていた方です。それが理由かどうか、701年(大宝元年)正月の遣唐使の最後に、少録(記録係)として加わっています。

以下は、大宰府で催された宴会のときの彼の歌です。

≪山上憶良臣(おみ) 宴を罷(まか)る歌一首≫
≪憶良等は今は罷(まか)らむ 子哭(な)くらむ その彼の母も吾を待つらむぞ≫

斎藤茂吉の「万葉秀歌」からこの歌に関する解説を借りると「一首の中に、三つも『らむ』を使って居りながら、訥々(とつとつ)としていて流動の響きに乏しい。」「この一首は憶良の短歌ではやはり傑作と謂うべきであろう。」「併(しか)し大体として、日本語の古来の声調に熟しえなかったのは、漢学素養のために乱されたのかもしれない。」なんだかよくわからない説明です。

子供も泣いているだろうし妻も待っているのでという「訥々」とした諧謔の裏で流れている思いを、さきの「ミートソースのご主人」風の率直さで表現すると、「こういう無教養な連中と酒など飲んでも何も面白くない、退屈なだけだ、さっさと帰ろう。」ということになります。無教養とは漢籍の素養や漢文化の美意識に欠けることです。気の利いた漢詩のひとつも作れない奴ら、ということでもあるのでしょう。中華的な教養の中には「華夷思想」の賛美に近い理解もおそらく含まれる。しかし、宴席にはそれほど酷(ひど)い連中がいっしょだったのか。

呉 善花の「日本の曖昧力」というのは刺激的な本で、そのなかに、大学での彼女の授業で、中国人留学生や韓国人留学生、ペルー人留学生、それから日本人の学生に写真のような二つの焼物(コーヒーカップ)を見せて感想を求める場面が出てきます。「あなたはどちらがほしいと感じますか?」

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≪中国人留学生B ― 韓国製のほうがキラキラしていてきれいです≫
≪韓国人留学生 ― やはり、韓国製のほうが高級感があっていいと思います≫
≪日本人学生B ― やはり、鹿児島かな。韓国のものは、金ピカで少し安っぽく見えてしまいます≫

彼女の考えでは、「中国人や韓国人には、『均一に整った(左右対称)美』『きらきらとした輝き』を持つ韓国製のコーヒーカップの方が鹿児島産のものに比べて、より美しいものに見え」、「多くの日本人は鹿児島産のコーヒーカップが持つ『歪みの美』『鈍色に沈んだ美』にこそ、芸術性を感じてしまうのです」。

憶良と宴会で同席した大宰府勤務の官僚たちは「スパゲティミートソースの奥さん」に近いのか、それとも「鹿児島産のコーヒーカップが好きな日本人学生」のような感性の持ち主なのか。憶良にとっては彼らは明らかに「ミートソースの若い奥さん」なのでしょうが、当時はそういうどっちつかずの官僚にも原神道的な霊性と美意識(呉 善花は別の場所ではこれを「縄文の感性」と呼んでいる)が色濃く流れていたと思うので、憶良はまわりとの感性の違いに苛立っていただけだったのかもしれません。

適度に酔っぱらったときに、≪「どうだった?」と聞かれたので正直に「美味かった」と前置きしてから、 以下の改善点をメモ帳に列挙して一項目づずつ読み上げた・・・・・今後一切、これをスパゲッティミートソースと呼ぶ事は俺が許さん。泣いて実家へ帰られた。俺が悪いのか。≫と、≪山上憶良臣宴を罷(まか)る歌一首 憶良等は今は罷(まか)らむ 子哭(な)くらむ その彼の母も吾を待つらむぞ≫をゆっくりと読み比べてそれぞれの情景に関して想像をたくましゅうするというのもけっこう楽しい作業ではあります。

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2014年12月18日 (木)

パック詰めの粒ブドウと、袋やマグ入りのスナック野菜

通常は房(ふさ)以外では販売されることのなかったブドウの「粒売り」販売を検討中というニュースが目に入りました(日本農業新聞)。パック包装出荷を実現するための生産面と流通面の改良課題もあり、現在はテストマーケティング段階だそうです。

写真は、記事から勝手にお借りしたものですが、「シャインマスカット」と「ナガノパープル」を粒売り用のパックに包装した今秋の試作品です。写真のように、1パックが税込429円だとすると、パックの中にはブドウが12~13粒くらい入っているようなので一粒は35円前後です。チョコレートケーキ一切れの替わりに、高級ブドウをワンコインで少しだけ楽しみたい消費者層向けということになります。そういう消費者層は、たいていの場合、女性です。

で、そういう消費者層に属するのかどうかぼくとしては判断が迷うのですが、ある知り合いの女性にこの写真を見せて感想を求めたところ、「この値段ならブドウは3種類入っていないとね。」と反応は明快です。

 Photo
「シャインマスカット」と「ナガノパープル」を粒売り用のパックに包装した試作品

この「パック入りの粒売りブドウ」を見て、オランダの、ある「スナック野菜」商品のことを思い出しました。経営母体はいつのまにか変わったようですが、Tommies というオランダのスナック野菜ブランドです。ミニトマトやミニパプリカ、ミニキュウリなどを袋やマグに詰めてスナック用の野菜として子供と大人に販売している。大人の方が多く買うかもしれません。

以前、ミニトマトと野菜工場について調べているときに、このTommies のミニトマトが日本では「アイコ」という名前で流通している卵型のミニトマトとおなじものだとわかり、「アイコ」をずいぶん前に開発した日本の種苗会社もすごいが、それにスナック野菜という視点で跳びついたオランダのマーケティングセンスもたいしたものだと思った記憶があります。

Tommies
写真はTommies のホームページよりお借りしました。

こういう商品で野菜市場と果物市場が活性化するのは悪くありません。

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2014年12月17日 (水)

電子レンジ雑感

「関西地方に住む20代の会社員女性が先月、購入したばかりの電子レンジでジャガイモを加熱していたところ、電子レンジ内から発煙、火災報知機が鳴り消防車数台が駆けつける騒ぎとなった。火災は免れたものの、ジャガイモは炭化し、耐熱皿が割れた。」(産経新聞、12月16日)というニュースが目に留まりました。ジャガイモを電子レンジで長時間加熱しすぎたそうです。もともとカレーを作っていた時の臨時プロセスとしてのジャガイモ加熱らしいので、料理を始めたばかりの自炊系女子の方かもしれません。

我が家の火の元は、もっぱら火力の強いガスレンジとガスオーブンで、電子レンジもあるにはあるのですが使用回数は年に数回以下。電子レンジの親類のIHクッキング・ヒーターにも縁がない。そういう輩が電子レンジに関して講釈を垂れるのは僭越至極なのですが、そこはお許しをいただいて。

テレビの内部構造を知らなくてもテレビ放送は楽しめるし、OSというものについてほとんど知らなくてもパソコンやスマートフォンをそれなりに使いこなすことはできます。自動車も同じです。しかし、自動車は操作が難しいし路上で他者への凶器となるので、教習所で運転や交通規則を一定期間習い免許証を取得することになっている。

使い方によっては凶器となるところの手工用や料理用の庖丁も、作業中に数回程度自分の指を切って血を流せば、徐々に使い方に習熟してきます。包丁研ぎも、上手の指導があった方がいいとは思いますが、見よう見まねでやり方を覚えることもできる。

火事の原因になることもある天ぷら油とガスレンジに使用許可証が要らないように、電子レンジにも使用許可証は求められません。電子レンジが食材を加熱する原理を知らなくても電子レンジでチンはできる。しかし、油の入った鍋やフライパンを火のついたレンジにかけっぱなしにしておくとヤバいように、容器に入った食材を電子レンジで長時間加熱し続けるとヤバそうだということは、電子レンジ加熱の簡単な理屈(マイクロウェーブには水分子を激しくふるわせる性質があり、それを水分を含む食品に当てると食品中の分子がお互いにぶつかりあって摩擦熱を出し熱くなる)を分っていた方が納得できる。加熱しすぎて食材から水分がなくなるとどうなるか。

日本語訳が電子レンジであるところのこの器具は、英語では Microwave Oven と呼ばれているので、この点に関しては英語圏の消費者の方が理屈や仕組みを直感的に理解しやすい。

同じニュースによれば「女性は、カレーを調理していた際、まだ堅かったジャガイモだけを取り出して耐熱皿に入れ、『肉ジャガ』の自動調理の設定で加熱していたところ、発煙した。」そうなので、このようなタイプの女性を揶揄するつもりは決してないのですが、まず「聡明な女は料理がうまい」(桐島洋子著)でもお読みになった方がいいかもしれません。書籍代と通読時間は、長い目で見て無駄にならないと思います。

関連記事は「『聡明な女は料理がうまい』」。

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2014年12月16日 (火)

食べものに関する機能性表示制度の第三カテゴリー

第三のカテゴリーというからには、第一と第二のカテゴリーがあるはずです。第一と第二のカテゴリーは宣伝も盛んなので、それらを知っている人は詳しく知っていてそういう商品にお金も使っています。しかし、そういうカテゴリーに分類されているとは知らずに食べている人も多い。

「保健機能食品」と称される食品群があります。食品といってもいわゆる普通の加工食品だけでなく、保健機能成分を持ったカプセルや錠剤のようなものまで含まれます(食品衛生法)。保健機能食品とは他との関係で何かと云うと、以下のように、医薬品と一般食品との中間に位置するものです。

■ 医薬品(医薬部外品を含む)
■ 保健機能食品
■ 一般食品(健康食品といわれるものを含む)

そして、この「保健機能食品」には二種類の食品があり、ひとつが「トクホ」と略されることの多い「特定保健用食品」、もうひとつが「栄養機能食品」で、さきほどの第一カテゴリーが「トクホ」、第二カテゴリーが「栄養機能食品」にあたります。

「トクホ」は、個別に有効性や安全性などの審査を受けてその製造・販売が許可される「個別許可型」の食品で、関与する成分の保険用途が医学的・栄養学的に明らかにされていて、適切摂取量も医学的・栄養学的に設定できるものとなっています。

「栄養機能食品」は、摂取基準に適合しているものであれば許可が不要な「自己申請型」の食品で、おおまかにいうと、通常の食生活では一日分の必要分を摂取できない場合に、その補給・補完のために利用される食品(栄養素)のことです。現在認められているのは5種類のミネラル(亜鉛・カルシウム・鉄・銅・マグネシウム)と、12種類のビタミン(ナイアシン・パントテン酸・ビオチン・ビタミA・ビタミB1・ビタミB2・ビタミB6・ビタミB12・ビタミンC・ビタミンD・ビタミンE・葉酸)。

「トクホ」の市場規模は、過去10年は、年間6,000億円程度(メーカー希望小売価格ベース、したがって実質市場規模は4,000~5,000円程度)で推移しているようです。利用(摂取)目的の内訳推移を見ると、「整腸」と「中性脂肪・体脂肪」対策が圧倒的に大きい。ちなみに、整腸とは、乳酸菌関連食品を食べることです。

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来年(2015年)春に、食品の新しい機能性表示制度が始まるそうです。「トクホ」や「栄養機能食品」では対象外となっていた野菜や果物といった生鮮食品や穀物も対象になるらしい。つまり第三のカテゴリーの登場です。(関連記事は「『健康マーク』付きのコンビニ弁当やコンビニ惣菜などが登場するらしい」。)

北海道は官民挙げて「データで語る機能性加工食品の開発」に熱心ですが、別の地域では生鮮野菜の持つ抗酸化力や免疫力などのプロモーションに熱心な企業もあります。第三のカテゴリーはそういう活動と適合的です。

下の表は「日本食品標準成分表」にもとづくごく一部の野菜の栄養素(鉄分・ビタミンC)の年度別比較ですが、成分表はその年前後の平均的な値を表示してあるので、これを年度別比較として栄養素の推移を眺めるのではなく、「旬の露地栽培野菜が持つ栄養素」と「ハウス栽培野菜の栄養素」と「植物工場野菜の栄養素」の比較という風に読み替えることもできます。たとえば、1951年や1982年が旬の露地栽培、2000年や2010年がハウス栽培、2010年の表にレタスやミニトマトやパプリカがあればハウス栽培と植物工場、という具合に。

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商品パッケージやPOPを利用して、食材自身に自分の持つ力(栄養素の量や抗酸化力などの測定値や比較相対値)を語らせられたら、第三のカテゴリー向きのマーケティングになりそうです。

関連記事は「食と3種類の知とヘルシーエイジング(3)(3-2)(その2)」。

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2014年12月15日 (月)

一週間前の電話世論調査に続いて、今度は出口調査の対象

新しくてめずらしい経験というのは続くものらしい。

投票には、昨日の午後2時過ぎに行きました。日曜日のお昼ご飯のあとなので、投票所はそれなりに混雑しています。入る時からその人たちがいることに気がついていたのですが、投票後に投票所を出たあたりで若い男性から協力を依頼されました。配偶者も中年の女性から声をかけられています。地元の新聞社による選挙の出口調査です。

一週間前の7日(日曜日)のお昼過ぎに、地元の新聞社から(実際には、その新聞社から仕事を依頼されている調査会社だと思いますが)、14日の衆議院議員選挙に関する電話世論調査の電話がかかってきました。電話世論調査の対象になったのは固定電話の持ち主になって以来、ということは結構な年数の間でということですが、初めての経験です。

出口調査の調査対象になったのも今回が最初です。調査内容は、あたりまえですが、簡潔でとても具体的なもの。一つの選挙区の何カ所で出口調査をしているのかは知りませんが、選挙区ごとに有効な調査回答を1,200~1,300も集めたら信頼できる推計結果が出るはずです。だから候補者によっては、午後8時を過ぎるとすぐに当選確実が出ることになる。ぼくが票を入れた候補者が開票後すぐに当選確実になったかどうかはここでは書きません。

午後2時過ぎの札幌の気温はマイナス3℃、それが14日のおそらく最高気温です。調査員は建物の中で暖をとることもできず、対価のある労働とはいえご苦労さまでした。

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2014年12月12日 (金)

ミニ野菜とミニ白菜

頭にミニとつく野菜はいろいろあるし、野菜売り場でもよく目にします。一つのカテゴリーとして成立していて消費者にいちばん人気のあるのがミニトマトです。それ以外にミニカボチャ、ミニパプリカ、二十日大根をミニ大根とすればミニ大根、それからミニ青梗菜(チンゲンサイ)なども頻繁に見かけます。

その野菜に関してミニというカテゴリーが確立しているかどうかは、けっこう大ざっぱですが、2分の1や4分の1にカットされたものが、ラッピングされて切り売りされているかどうかを見るとわかります。

野菜の性質にもよるのですが、大玉トマトの切り売りは見かけたことがない。ミニスイカ、というか小玉スイカというカテゴリーは確立していると思いますが、同時に大きなスイカは半分や4分の1やそれ以下のサイズで切り売りされています。それをぼくたちは不思議だとは思わない。

同じように半分や4分の1にカットしてラッピングした切り売りが人気の野菜は、キャベツ、白菜、カボチャなどです。北海道だと長芋というのもあります。蓮根(レンコン)なども通常はそれなりの大きさにカットされたのが棚に積まれています。

そういう野菜の購入者・消費者の中には、家庭の専業主婦、働いている主婦、料理をする独身男性と独身女性などが含まれますが、それぞれに消費量の都合や料理の仕方の好みがあるので、市場では「ミニ版」と「切り売り版」が仲良く住み分けているようです。

すぐに今晩の鍋に使うのでお手軽な4分の1カットの白菜を買う。大きなカボチャは硬くてあきらめるがミニカボチャなら普通の包丁でどうにかなるのでミニカボチャ。サラダにはミニ大根やミニニンジンがだんぜんに向いている、などなど。

最近我が家で活躍しているのが、近隣農家で栽培している有機ミニ白菜。1ロットの浅漬けに最適な量です。

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2014年12月11日 (木)

北海道神宮と北海道大学植物園と鎮守の森

「鎮守(ちんじゅ)の森」とは、神社を囲むように、かつては必ず存在した森のことです。杜(もり)と表記されることも多い。いつのころからか、社(やしろ)という建物、表象物が主になり、鎮守の森はそれを取り囲むものということになりましたが、もともとは森そのものが神様の住む社だったようです。森そのものが神様だったので、建物は必要なかった。

「もともとは」とは、仏教や儒教が入ってくる前の、日本人の霊的な感性がそのあたりに満ちていた頃、という意味です。あるいは神道という言葉を使うなら、明治時代に国家神道が作られるそのはるか以前の、古い神道が日本に溢れていた頃、という意味です。

廃仏毀釈などといっしょに進められた、明治政府による神社の統合によって、神様のいなくなった、あるいは神様が近隣の大きな村や町に強制疎開させられたところの森や杜が数多く生まれました。その結果、森が伐採されてしまったところと、幸いにも鎮守の森がそのまま残ったところがあります。

鎮守の森の森林植生は、その地域本来の植生、いわゆる原植生を残していると考えられています。現在では、周辺の自然が破壊されていることが多いので、鎮守の森が、その地域のかつての自然を知るための手がかりとなっています。

北海道神宮は、明治時代にできた旧・官幣大社(かんぺいたいしゃ)、つまり国家神道の神社です。昭和39年までは、札幌神社と呼ばれていました。北海道神宮の南には、円山原始林と呼ばれる原生林が広い範囲で残っていますが、ぼくの目には鎮守の森という風には映らない。

もともとは森そのものが神様の住む社だった、森そのものが神様だったので建物は必要なかった、ということなら、むしろ、「北海道大学植物園」の方がぼくにとっては鎮守の森かもしれません。なぜなら、「植物園」はもともとそこにあった原生林をそのまま保存しているからです。そこでは原生林の面影が濃いハルニレ(春楡)やイタヤカエデ、ミズナラ、ハンノキ、ドロノキなどの落葉広葉樹林が広がっていて、そうした樹木の広がりの中に立っていると、ほっとする気持ちが湧きあがってくると同時に神秘感にとり囲まれます。

この鎮守の森は入園料が必要だし、雪の時期は閉鎖されます。しかし、季節と時間帯によっては、この鎮守の森の神秘な空気のなかをまったくのひとりで散策することもできます。

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2014年12月10日 (水)

日本酒の勝手な好みと勝手な飲み方

こんな飲み方をしたらその酒の杜氏に怒られるかもしれません。ロックや冷やがお勧めの日本酒をゆるい燗で飲む。

自宅で晩ごはんのときに、食前酒と食中酒を兼ねたのを二合程度楽しむのに最も好きなのは、精米歩合が65%くらいの純米酒です。それをゆるい燗でいただく。それ以上米を削った吟醸や大吟醸は必要ありません。吟醸や大吟醸でない純米酒で、ゆっくりと味を楽しめるもの。それから値段も手頃なもの。35%くらいしか削らないので普通は値段も穏当なものになります。

そういう日本酒にはなかなかめぐり会えないのですが、コンビニエンスストア・タイプの冷蔵庫が備えてある酒屋で先週末に偶然出会いました。一定量を常に出荷、というタイプの純米酒ではないので、その時に買った二本の一升瓶で今年の出会いはおしまいだと思います。

一升瓶はきちんと冷蔵庫に保管し、食事時に必要量をゆるい燗にします。

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2014年12月 9日 (火)

冬を感じさせる野菜

冬が近づいてきたなとか、確かに冬の最中だな、と感じるきっかけになる野菜についてです。

雪の多い地域では「雪囲い」が冬の到来を知らせてくれます。北海道では冬から春にかけては雪と氷と寒さなので、ユリ根とゴボウを除けば、普通の野菜は栽培されていません。しかし、冬でも貯蔵してあるのを出荷するという意味でなら、カボチャやジャガイモ、それから、雪中キャベツと雪中大根も冬の野菜です。

我が家がいちばん冬の本格的な到来を強く感じる野菜は二種類あって、残念ながらともに北海道では生産されていません。ひとつは、愛知県の渥美半島で栽培されている「セロリ」、もうひとつが広島県は福山の「慈姑(くわい)」です。

渥美半島のセロリは大きい。肉厚で香りが強く茎まで緑色が深い。サラダでも楽しめるし、加熱料理でもとてもおいしい。軽い苦さがたまらない。マヨネーズとマグロのトロの子供、あるいは、子供舌のまま大きくなった大人にはわからない世界です。

慈姑(くわい)は、冬というよりもお正月ですが、中くらいから大きめの慈姑をオーブンで焼き、熱の通ったそれに塩をつけて食べる醍醐味は何ものにも替えがたい。これも、子供舌の大人には縁のない世界です。ああ、もったいない。

水上勉の「土を喰う日々」で、慈姑(くわい)をそのまま焼いて食べるという食べ方を知りました。

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2014年12月 8日 (月)

電話世論調査

我が家は今までまったく縁がなかったのですが、昨日(日曜日)の午後12時半過ぎに、0120‐で始まるある電話番号から我が家の固定電話に電話がかかってきました。地元の新聞社の世論調査の電話で、主題は14日の第47回衆議院議員選挙です。珍しい経験なのでちょっと相手と会話を楽しむつもりで依頼に応じました。

こういう電話世論調査は、通常は「RDD追跡方式電話聴取法」というものにもとづいて実施します。

RDDとはRandom Digit Dialingの略。ランダムに作り出した番号に電話をかけて質問を行い結果を聴取する方法で、その対象母集団は、地域番号(03や06や011など)がついた一般加入電話の電話番号(たとえば、東京だと03-1234-5678など)で、090や080で始まる携帯電話、ないし050で始まるIP電話などは対象となっていません。つまり、昼間、固定電話のある家にいて、電話での質問に数分間くらいお付き合いできる程度には時間に余裕のある人たちが「有効回答者」候補になります。この手の調査電話が、我が家に、日曜の昼間にでもかかってきたら面白いと思っていたところ、たまたまそういう機会にめぐり合いました。

家族の中でいちばん年長の人に答えてほしいということなので、ぼくが答えます。調査対象は各世帯ではひとりで、そのひとりは乱数による無作為指定のはずなので、我が家の場合は最年長者という乱数が発生したのでしょう。電話をかけてきた女性は、我が家が札幌市のどの地域(区)にあるのかはわからない様子でした。確かにRDD方式なのでしょう。質問は全部で6項目。質問内容の詳細は省きます。家族の中でいちばんの年長のぼくがいなかったときには我が家は調査対象から外れるのか、それとも配偶者に依頼が回るのか聞き忘れました。

若い年齢層は、結婚しているかどうかは別にいて、誰かがその時刻に自宅にいないと役に立たないところの固定電話を持っている割合が少ない(固定電話からケータイやスマホへ転送と云うのも簡単ですが、そこまでして固定電話を持つ必要はない)。従って、こういう調査に若い人たちが選ばれる確率は低い。日曜日が労働日で日曜に自宅にいない種類の職業の人も、有効調査対象から外れる。つまり、この手の世論調査は、最初から調査対象が偏っているので、調査結果は以前から眉に唾をつけて眺めることにしています。今回、入力データの一部になったので出力結果には目を通すつもりですが、「眉唾」という姿勢は変わりません。

もっとも、固定電話を所有していない若い年齢層の投票率は最近は低いので(実にもったいない権利の放棄です)、調査対象が偏ることによって、結果として、電話世論調査が実際の投票状況を正しく反映しているといった事態になっているのかもしれません。

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2014年12月 5日 (金)

酸素と二酸化炭素(その2)

気象庁のウェブサイトに「二酸化炭素濃度の経年変化」というページがあります。一部を引用します(『・・・』部分とグラフ)。

『温室効果ガス世界資料センター (WDCGG)の解析による2013年の世界の平均濃度は、前年と比べて2.9ppm増えて396.0ppmとなっています。工業化以前(1750年頃)の平均的な値とされる278ppmと比べて、42%増加しています。(ppmは体積比で100万分の一を表します。)』

Sep_2014

つまり、産業革命頃は二酸化炭素濃度が300ppm、現在はその濃度が400ppm、つまり、この260年くらいの間に0.03% (300ppm) だった二酸化炭素濃度が0.04% (400ppm) まで上昇してきたというのが気象庁の記述やこのグラフのメッセージです。しかし、気象庁は、それが責任守備範囲の外であるという理由からか、産業革命よりずっと前の二酸化炭素濃度には興味がないようです。

(その1)で触れた「酸素」(ニック・レイン)という本は、地球や人を素材にした酸素についての著作なので、酸素と関連の深い二酸化炭素についても興味深い(そういう知識のある方にはあたりまえの)記述が含まれています。

・6億年まえから4億5000年前くらいにかけては、地球の二酸化炭素濃度は、4,000ppm (0.4%) から 5,000ppm (0.5%) だった。同時期の酸素濃度は、だいたい15%程度(ちなみに現在の酸素濃度は21%)。

・しかし、デボン紀(3億8500万年前)にさしかかるあたりから二酸化炭素濃度は3,000ppm (0.3%) に下がり始め、いわゆる石炭紀(3億6000万年前から2億9900年前、この地層から石炭が多く産出されるので石炭紀と呼ばれる)の終わった頃には、300ppm (0.03%) と低下した。その頃の酸素濃度は30%を超えている。(【註】300ppmという石炭紀終わりの二酸化炭素濃度は、イギリスの一部で織物機械や蒸気機関車が動き始めたころの二酸化炭素濃度とほぼ同じ。)

・その後、二酸化炭素濃度はいったん1,200~1,300ppmまで上昇し、そこからゆっくりと下がり始め、現在 (300ppm~400ppm) に至る。酸素濃度は現在の21%に徐々に落ち着いてきた。

IPCC(第5次報告書「政策決定者のための要約」など)や気象庁、メディア報道は二酸化炭素(温暖化ガス)濃度が上がって大変だ、CO2を削減しよう間歇泉のようにあいかわらずかしましいようです。「IPCCの第5次報告書(政策決定者向けの要約)に関する雑感」に書いたように、「政策決定者向けの要約」の媒体向けリリース骨子をそのときの日本経済新聞から引用すれば、以下のようになっています。

・気温上昇が人間活動に起因する可能性は95%以上
・温暖化ガスの濃度は少なくとも最近80万年で前例のない水準
・CO2濃度は産業革命前から40%増加
・今世紀末までに気温は0.3~4.8度上昇
・同期間で海面は26~82センチ(メートル)上昇

「政策決定者のための要約」を、僕の気になる点を含めて三行程度に凝縮すると、以下のようになります。

・地上でも大気中でも海洋でも地球の温暖化が進行しており、このことには疑いの余地がない。人類が、1950年代以降の、この地球温暖化の主要原因であることは非常に高い確率(extremely likely: 95-100%)で確かである。なお、過去15年間は温暖化は休止しているが、温暖化の長期トレンドへの影響はない。 (【註】①下線は「高いお米、安いご飯」による②以前は、「1950年代以降」でなく、「産業革命以降」の地球温暖化の主原因は人間の産業活動と云っていたようだが、対象期間が変化した。)

ある主張をする時に、その主張と適合的な範囲の対象を選び取るというのは比較的よく観察されるやり方ですが、「最近の80万年」や「1950年代以降」というのもそういうやり方だと思われます。

80万年前というのは、これも大ざっぱにいえば、ジャワ原人や北京原人が暮らしていた頃の少し前です。北京原人は火を使い鹿の肉を焼いて食べた。

最近の80万年を切り取って「温暖化ガス(二酸化炭素)の濃度は少なくとも最近80万年で前例のない(高い)水準」というのと、最近の数億年を切り取って「過去数億年を見ると、ここ数千年の二酸化炭素濃度は異常なほど低い。しかし21世紀の現在は、250年前の最悪の事態は脱しつつあるようだ。」というのでは景色がまるで違ってきます。

農産物に関して云えば、彼らは二酸化炭素濃度が300ppmの地球環境より600ppmのもとで暮らす方が、成長や再生産と云う意味では、幸せなようです。

(酸素と二酸化炭素の終わり)

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2014年12月 4日 (木)

酸素と二酸化炭素(その1)

ガンは老人病です。歳をとるとガンになりやすい。なぜか。原因は酸素です。ぼくたちは呼吸によって体内に酸素を取り込みますが、このうちの2%が活性酸素に変わります。活性酸素にはウィルスなどの外敵から体を守るという大切な働きもありますが、これが曲者(くせもの)です。

世の中には、空気(酸素)を嫌う微生物がたくさんいて、これらは嫌気性の微生物と呼ばれています。この嫌気性の微生物の中にはとても役に立つのがいます。

微生物やバクテリアがエネルギーを作る時に、空気がある場合にはその行為というかプロセスは「呼吸」と呼ばれ、空気が無い場合は「発酵」と呼ばれています。発酵とは、微生物が空気の無いところで生きるための一つの方法です。微生物の中には、発酵でアルコールや乳酸などを作るものがあり、その産物として日本酒や乳酸発酵食品ができあがる。それらをぼくたちは発酵食品としてありがたく頂戴する。各家庭でおなじみのビフィズス菌は嫌気性微生物です。

「酸素」(ニック・レイン著)という刺激的な本があります。以前、「食と3種類の知とヘルシーエイジング」というブログ記事を書くときに参照しました。そのブログ記事の一部を以下に引用します。(『・・・』が引用部分)

『(ヒトは若い間は)たとえば、病原菌の侵入といった外部からの脅威があれば、細胞内で酸化ストレスを増大させ、そうすることで免疫を活性化し、外部からの感染に打ち勝つようなメカニズムとプロセスが機能します。しかし、再生産年齢に到達した後、つまり外部からの脅威がそれほど気にならなくなった時期以降、その年齢に見合った別の仕組みが採用されるかというとそうではなくて、若いときと同じ仕組みが継承されます。

仕組みは同じで変化しない。しかし、脅威の主因が変化する。

脅威の種類が年齢に応じて変化することにより、再生産年齢以前では個体にとって支援であり防御であったその同じ仕組みが、再生産年齢以降では、個体の存続という意味では、非支援的、ないしは有害となります。

齢をとるにつれて、脅威の中心は、外部から突然にやってくる感染から、細胞内のミトコンドリアの劣化(フリーラジカルの漏出)といった内的な現象へとシフトしていきます。細胞の工場機能の劣化がきっかけで細胞内の酸化ストレスが増大し、それによって活性化された防御作用が、外敵ではなく、自分自身を継続的に傷つけます。継続的に発生する(つまり、慢性的な)炎症が、自分自身の内部に心臓病やガン、関節炎などを引きおこすわけです。・・・中略・・・ヒトは、若いときには好都合な機能だが齢をとると不都合になるという意味でのトレードオフを、自然選択(種が生きのびるための知恵)として積極的に採用したらしい。』

ぼくたちは「光合成」というものについて小学校で習います。植物や藻類や植物性プランクトンなどが、二酸化炭素と水と光エネルギーをとりいれて、炭水化物を合成し、水を分解する過程で生じた酸素を同時に大気中に放出するという一連の作用が光合成です。

「むかしむかしあるところに」みたいな書き方をすれば、むかしむかしあるときあるところに、太陽の光エネルギーを利用して、空気中にふんだんにある二酸化炭素から有機物を作るのを得意とする光合成バクテリアというのが出現しました。これはほとんど経費がかからない省エネ有機物生産です。そうやって光合成バクテリアがおおいに繁殖した結果、地球環境に酸素がだんだんと蓄積されてきた。しかし、バクテリアなどはそもそもが非常に酸素に弱い。酸素は彼らにとっては猛毒のようなものです。

だから、そういうバクテリアは酸素がいっぱいに蓄積された新しい地球環境で生き延びるために画期的な適応戦略をとった。酸素に強いミトコンドリアの祖先と仲間になった。ミトコンドリアの祖先は、酸素を利用してブドウ糖からエネルギーを取り出す代謝経路の作成に成功した酸素に強い変な奴です。バクテリアは地中深くに潜り込み酸素を避けて逃げ回るのではなく、酸素に強いところの同類のミトコンドリアを自分の細胞内に取り込むことで酸素リッチな地球環境と折り合いをつけ、生き延びることに成功しました。

ぼくたちヒトの細胞の中でも、この細胞内発電機とでもいうべきミトコンドリアが活躍しています。

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2014年12月 3日 (水)

「さっぽろさんぽ」と「札幌市エネルギービジョン」について、雑感

札幌市役所で所用を済ませた後、二階の一画に向かいました。札幌市関係の資料が閲覧できる簡易図書館のようなコーナーです。そこに札幌市が発行しているお持ち帰り自由な観光案内パンフレットや政策ビジョンをまとめた冊子などがずらっと並んだ棚があるので、そこから「さっぽろさんぽ 市内めぐりMAP 2014」と「札幌市エネルギービジョン(2014年度~2022年度)」をいただいて帰りました。

「さっぽろさんぽ」というイベント案内つき折り畳み地図の編集は広報課、「札幌市エネルギービジョン」(2014年10月発行)というA4版70ページの大判冊子の企画・編集は市長政策室政策企画部です。この二つに共通しているのは、文章や表現のわかりやすさです。「エネルギービジョン」の方は、4文字英語用語(たとえば、HEMSやBEMS)や英語用語のカタカナ表記(たとえば、デマンドレスポンスやウォームシェア・クールシェア、スマートコミュニティ)もいくぶん目立つのですが、そういうのはすべて平易な用語解説が同じ見開きページにあるので、よしとします。

「さっぽろさんぽ」は札幌をよく知らない知人にでも送ってあげたいような素敵な内容です。ぼくが気に入ったのは「札幌の四季」という1ページ。

『春 桜も梅もタンポポも、一斉に咲きます。』
『夏 ビアガーデンが夏を連れてきます。』
『秋 豊平川にサケが帰ってきます。』
『冬 まちじゅうが、ウインターワンダーランド。』

「エネルギービジョン」と「さっぽろさんぽ」に共通するわかりやすさはいったいどこから来たのか。北海道の現在の行政責任者の議会答弁やインタビューなどをテレビやその他の媒体で拝見すると、この方はとても官僚言葉・官僚表現がお好きなようです。「持続可能な社会をめざして」などという発言は無難なのだけれど、文脈によっては聞いている方はよくわからない。一方、札幌市の現在の行政責任者はご自分の語彙を軸に話されるのがお好きなようです。そういう影響が、間接的に、こういう二種類の紙媒体の文章にも現れているのでしょう。勝手にそう思っています。

「エネルギービジョン」の基本理念は「エネルギーを創造する環境首都・札幌 ~低炭素社会・脱原発依存社会を目指して~」。低炭素社会については違和感がありますが、ここでは深入りしません。

「エネルギービジョン」の文章表現というか用語選択に関して「ないものねだり」風のお願いを一つさせていただくとすると、「札幌市エネルギービジョンの策定にあたって」という最初のページに二度顔を出す英文和訳紋切型の表現をもっと別のものに替えてほしい。

紋切型の表現とは「原子力発電に依存しない持続可能な社会の実現を目指し」(下線は「高いお米、安いご飯」)のことです。持続可能な、あるいは sustainable といわれてもよくわからない。「原子力発電に依存せずに、私たちの国民資源を、過去の世代や次世代、将来の世代のために引き継いでいけるような社会の実現」となっていれば、ぼくにはわかりやすい。持続可能な、とはそもそもそういう意味だ、と云われたらそれまでですが、むつかしいですか?

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2014年12月 2日 (火)

健康食品が知らない業者から勝手に送られてくる?

世間はサプリメントや健康食品関連の宣伝がテレビにも新聞の折込み広告にも溢れています。ターゲットは中年以上の健康と体型が気になるおじさんとおばさん、および高齢者です。

詐欺的な販売行為を得意とする人たちは消費のトレンドについては敏感です。そういう方面の変化をパッととらえる頭の働きが非常にいい。だから2~3年前から「金融商品」や「健康食品」の押し込み販売に着目したのでしょう。ターゲットは、たいていは、高齢者。もっとタフな相手とタフなゲームをするのも面白いと思うのですが、そういうことはしないらしい。

食べものに関する消費者問題にはある程度の関心があるので、国民生活センターのホームページや「くらしの豆知識 2014」という内容の濃い小冊子に目を通していると以下のような箇所に出合いました。

<2013年度に最も相談が増加したのは、「健康食品」である。前年度に引き続き、高齢者宅に注文した覚えのない健康食品が送付されてくる、送りつけ商法の相談が多い。>

「健康食品」に関する2013年度の「相談件数」は4万5000件を超え、2012年度の相談件数と比べると7割近くも増加したそうです。

 2013年度   2012年度  増加件数
 46,760件    28,061件   18,699件(67%増)

<商品の送付方式は代金引換によるものが多く><最近では、健康食品に現金書留封筒や振込用紙を同封して送り付け、代金の郵送や振り込みを行うよう消費者に指示する手口も見られます。><トラブルにあう人の平均年齢が74.3歳と高いことも特徴です。>

そういうものが送られてくることがあらかじめわかっていたら、宅配のオニーサンやオネーサンに、こんな荷物は受け取らないと受け取り拒否をすることもできますが、たいていは誰がこんなものを送ってきたのかと首をかしげながら受け取ってしまうのでしょう。

かりに受け取ってしまっても、14日間、商品というか荷物を開封せずにそのまま保管しておけば、その後は自由に処分できます。うさんくさい箱を14日間も保管しておくのはうんざりという方で、先方に電話をする元気のある方は、販売業者に商品の引き取りを請求すれば、勝手に処分できるまでの保管期間が14日間から7日間に短縮されます(特定商取引法)。

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2014年12月 1日 (月)

蟹(カニ)とマグロ

お歳暮にカニ、お正月にカニと、11月以降の広告や折り込みチラシやダイレクトメールは非常にかしましい様子です。ぼくは、カニは大きいのも小さいのもとくには好物ではないのだけれど、北海道フードマイスターなので、毛ガニ、花咲ガニ、タラバガニ、ズワイガニ(松葉ガニ、越前ガニのこと)といった北海道のカニや、北海道近郊のカニやカニの仲間は一応は全部口にしています。

札幌の対面販売の魚売り場で一番見かけるカニは毛ガニですが、毛ガニや花咲ガニは「かご」で獲り、タラバガニやズワイガニは「網」で獲ります。

北海道の大きなカニに憧れて観光目的で来日した外国からのお客様(とくにタイやシンガポール、中国・香港・台湾の方など)は大歓迎です。温泉に入っておいしい北海道の食べ物を満喫していただきたい。テレビのローカルニュースなどで拝見すると、実に幸せそうにタラバガニの大きな足の身を口に運んでいます。

世の中にはカニとマグロの両方がとても好きな人たちがいらっしゃいますし、そういう育ち方をした子供も少なくないようです。

これはぼくの偏見ですが、カニとマグロとその延長線のものばかり食べていると微妙な和食素材の味がわからなくなり、加工食品会社のいちばん便利なターゲット顧客の一員になりやすい。そういうタイプの人たちが、白身魚や昆布出汁の微妙を好むとは考えづらい。言葉を換えれば、マヨネーズ風味の加工食品や、何にでもマヨネーズをかけるのが好きな人たちになりやすい。ぼくがいっしょにテーブルを囲みたくないタイプの人たちです。

といいながら、知り合いに頼まれると、食べやすく加工されたタラバガニの足をお店から送ったりもするので、最近は食べる機会はほとんどないにもかかわらず、カニを見る機会は多い。

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