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2015年1月13日 (火)

兼業農家について雑感

日本の農家数は163万戸ですが、そのうち専業農家は45万戸で、農家数でみると全体の28%です。一方、いわゆる兼業農家は118万戸でその戸数割合は72%。兼業農家のうち農業を主とする人たちが36万戸(22%)なので、農業以外が主な収入であるところの兼業農家の割合は50%になります(2010年、総務省・農林水産省)。

 ・専業農家 28%
 ・兼業農家 72%
   ・農業が主たる業務の兼業農家 22%
   ・それ以外 50%

兼業農家は、揶揄の対象になることが多いようです。結局、趣味の農家ですな。農業向けの補助金泥棒みたいなもんでしょう。こういう経営マインドの希薄な農家がいるから日本の農業生産性はあいかわらず低いままである、云々。

しかし、視点を変えると、兼業農家は、農業以外の仕事(というか、収入源)がどんなものであれ、またその農業以外の労働が別の自営業であれパートタイムであれ季節依存型であれ、その組み合わせはなかなかにハイブリッドです(ここではハイブリッドという用語を、ハイブリッドエンジンやハイブリッド回路といった使い方と同様に、積極的な意味で使っています)。

「農業」と「工業」と、それからIT(情報技術)と流通とサービスを個別要素とする「情報サービス産業」のGNPや、産業としてのそれらの存在感が国民一般の心理に占める心理的な大きさを大ざっぱに上下逆向きの台形で図示すると以下のようになります。

It

たとえば、従来から地方の兼業農家でよく見られるのが、市役所・役場や近所の民間工場に勤めながら、忙しさが季節変動する(農繁期・農閑期)ところのお米の生産を続けるといったパターンです。図でいえばブルーやグリーンのタイプになります。

しかし、農業以外の仕事は、物理的に自宅から移動の必要な勤め先を必ずしも前提とはしないし、誰かに従業員として雇われる必要もない。ホームページのデザインやトランザクション処理設計が得意な人が、一方では親の後をついで農業をやりながら、他方ではIT関連業務で別に一定量以上の収入を得るというのも、別のブルーのパターンです。

WEBや企業業務のシステムエンジニアリング、三次元プリンティングや製品設計などIT(情報技術)関連の20歳代、30歳代の家庭を持ったエンジニアたちが、暮らしやすさ、働きやすさを求めて、UターンやJターンという従来パターンとは無関係に、地方に移住していくというのは最近よく耳にする話です。インターネットとネットワークを通した労働の需要供給マッチングサービスがあれば、需要は東京やその近辺にはしっかりとあるので生計はたてられます。小さい子供のためには緑の多い地方環境がいいかもしれない。

そういう人がまわりの農家の人と知り合いになり、従来型とは違った、あとから農業に踏み出すタイプの兼業農家になるかもしれません。ITに詳しいので、その気になれば、細かい温度管理・湿度管理や光の管理、二酸化炭素濃度の調整を必要とするような植物工場の設計や管理もできる。そうなれば、ハイブリッドな茶色のパターンの実践です。

もっとも、そんな前向きなハイブリッド性は、農業に関して云えば、彼(あるいは彼女)が農作物を土壌栽培することの意味や利点、それから、土で育った旬な野菜のおいしさや力強さを知っている限りにおいて成立するのであって、そうでなければ普通のIT屋さんの範囲を出ません。

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