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2015年2月26日 (木)

時間の投射感覚と平均寿命

ぼくたちが「平均寿命が80歳を超えた」などいう場合の一般的な概念としての「平均寿命」とは、その年に生まれた人が、特別な社会情勢の変化などがない限り、これから何歳まで生きられるかを示したものです。だから日本の男性の平均寿命は、1898年では43歳、1947年では50歳、1960年で65歳、女性のそれは1898年では44歳、1947年では54歳、1960年で70歳ということになっていました。そして、現在(2012年)の日本人の平均寿命は男性がほぼ80歳、女性は86歳超です。

下のグラフは、1898年から2010年までの日本人男女の平均寿命をプロットしたものですが、その110年の推移がわかります。

_18982010

1947年生まれの男性は、彼が生まれたころには、平均的には50年くらいしか生きられないと想定されていました。しかし、多くの人は実際にはそれよりは長い人生を生きています。同様に2012年に生まれた日本人女性は、平均的には86年間は生き続けるだろうと考えられています。しかし、今後のことは実際にはわからない。

長期計画のことを百年の計とも云います。これは、一世代の長さを30年と考えると、自分の世代、子の世代、孫の世代の三世代分に相当します。つまり、百年の計とは、自分から見た孫の世代がやがて人の親になるころまでの将来を思い描いて作る計画ということです。ヒトにはこういうふうに、自分や自分の家族を基準にして時間の距離を想像することが、その気になれば、できます。

しかし、平均寿命が長くなってヒトのこの(未来や過去への)時間投影感覚が長くなったかというと必ずしもそういうふうにはなっていない、逆に短くなっているようです。

原子力発電や原子力発電にともなう放射性廃棄物の処理についての議論、一部の方があいかわらずお好きな地球温暖化の議論やCO2濃度の推移に関する議論を見ていると、一部は、わからない将来のことを気にしてもしょうがない、そのときの判断はそのときの当事者におまかせという意味での思考停止状態にあるようだし、あるいは、1850年前後から現在までの短い時間幅を切り取ってきてその範囲だけで気温やppmのシミュレーションゲームを繰り返しているようです。これが仮想ゲームならそれでもいいのですが、このゲームには実際は利害が色濃く絡んでいます。

現在の平均寿命は80歳だけれど、人生50年時代を生きた人たちの方が、より長い時間投影感覚、時間投射感覚を持っていたと思われます。生きる時間が細切れになってきて、細切れの向こう側を考えることが面倒になってきたのでしょう。コストパフォーマンスの悪いことはしなくなる、ということかもしれません。

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