« 対象に潜むスピリットと、それを掴(つか)む書 | トップページ | 春の陽射しと関東以南の太平洋側の野菜 »

2015年2月12日 (木)

「ゆめちから」という北海道産小麦粉の需要が増加中

「国産小麦、安さが需要喚起」という見出しの記事がありました(日本経済新聞、2015年2月10日)。「国産小麦の需要が拡大している。2014年に値下がりし海外産より安くなったことで、原料の一部に国産を採用する製パン大手も出始めた。国産小麦がパンや中華麺向けでも需要拡大へ一歩を踏み出した。」そうです。下のグラフもその記事からお借りしたものです。

その記事で言及されている国産小麦とは、北海道産の「ゆめちから」のことで、記事では触れられていませんが「ゆめちからは」は「超のつく強力粉(きょうりきこ)」です。

Feb2015

ぼくが初めて「ゆめちから」と出合ったのが、2011年の夏。その頃に2回「ゆめちから」に関するブログ記事を書いています。「ゆめちから」に関する説明や調理経験、味の感想などをそこから引用してみます。

『ゆめちから』という超強力小麦粉」より。

◇ 北海道産の小麦に「ゆめちから」という新しい秋播(ま)き品種があります。超がつくほどの強力粉だそうです。まだ生産量が少ないのでその小麦粉は業務用にしか出回っていないのですが、とあるきっかけで少量ですがその超強力粉が手に入りました。

◇ 「ゆめちから」は超強力粉なので、パンなどには「ゆめちから」だけよりも「ホクシン」などの軽いものと75%対25%から50%対50%にブレンドした方が向いているそうです。また軽い小麦粉の代わりに米粉を使ってもモチモチ感のあるパンが焼けるようなので、米粉とブレンドさせる方をさっそく試してみます。その場合の比率は「ゆめちから」が70~80%に対して米粉は20~30%。アマチュアが家庭で失敗しないのは80%と20%だそうです。

◇ 失敗確率を低くするために「ゆめちから」は80%弱で米粉は20%強とし、ドライイーストやバターや若干の砂糖などを加えて「標準的な食パン風」にホームベーカリーで焼いてみました。・・・・適度にぷわっと膨らんでおり、デパートやスーパーでパン屋さんの店先を通りかかった時の甘いにおいがします。これは、ふくらみをつけるために、我が家の天然酵母の小麦粉パンでは決して入れない砂糖やバターを入れたためだと思います。米粉が入っているので食感は少しモチモチしています。

◇ 「ゆめちから」は病害にも強いとのことなので、北海道での生産量が増えてそのうち買いやすい価格で広く市場に出回るのを待っています。

次に、「続・『ゆめちから』という超強力小麦粉」より。

◇ 北海道産の小麦粉で作るパンらしいパン。材料は、

  ・「ゆめちから」の小麦粉 70%
  ・「ハルユタカ」の全粒粉 30%
  ・天然酵母(自家製)
  ・塩
  ・水

のみ。北海道産小麦粉だけのちょっと贅沢なやつです。たっぷりの野菜スープとこのパンだけの朝ごはんにしてみました。よく膨らんで、皮がパリッとうまい。バターは使わない。パンの風味は、正直に言えば、「ハルユタカ」だけで焼いたのにはどうもかなわない。・・・「ハルユタカ」だけのパンは厚切りにしたのが縦に長く裂けるのにたいして、「ゆめちから70%、ハルユタカ全粒粉30%」だとそれほど長くは裂けない。

◇ 「ゆめちから」は超の付く強力粉ですが、それ自身だけでは風味の良いパンは無理で、他の香りや味の良い小麦粉、あるいは少しおとなしい小麦粉と一緒になると、ブレンディドウイスキーではありませんが、おいしいパンができあがるようです。応用範囲の広いインフラストラクチャーみたいな小麦粉です。パートナーが小麦粉でなくて米粉でもパンとしては大丈夫。

その後、「ゆめちから」とは縁がなかったのですが、昨年(2014年)の秋に、地元の消費者向けの北海道産農産物の短期即売会みたいなイベントが老舗のデパートであり、そこで出合ったのが下の写真の「ゆめちからブレンド」(強力粉)。

そのブレンドにおける「ゆめちから」の割合は30%強。ぼくの経験値よりは少なめです。ブレンドのお相手は、商品には書いてありませんが、おそらく「きたほなみ」です。「きたほなみ」は「ホクシン」の後継品種で「うどん」などに使われる中力粉(ちゅうりきこ)です。超強力粉の「ゆめちから」が味や香りの良い中力粉とブレンドされてほどよい強力粉ができあがる。(「北海道小麦の種類と用途」という表を参照してください。)

Photo_2

Rev_2

なお、ある資料(アグリシステム株式会社の講演資料、2013年)によれば、日本のパン用小麦の需要量は外国産と国内産を合わせて1年間で130万トン、そのうち国産小麦の需要量は2012年までは3万トン(比率は2.3%)、しかし2014年には「ゆめちから」効果で、国産小麦の需要量は20万トン程度(比率は15%)まで増加していくとのこと。最初に引用した記事と内容がほぼシンクロしています。

□□

人気ブログランキングへ

|

« 対象に潜むスピリットと、それを掴(つか)む書 | トップページ | 春の陽射しと関東以南の太平洋側の野菜 »

米と麦」カテゴリの記事

経営とマーケティング」カテゴリの記事

農業ビジネス」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1317632/58886829

この記事へのトラックバック一覧です: 「ゆめちから」という北海道産小麦粉の需要が増加中:

« 対象に潜むスピリットと、それを掴(つか)む書 | トップページ | 春の陽射しと関東以南の太平洋側の野菜 »