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2015年3月20日 (金)

「貧乏人はイモを食え」という見出しでもつけてみますか?

以前、といっても60年以上も前の話ですが、新聞の見出しの上では「貧乏人は麦を食え」という答弁をしたことになった大蔵大臣がいらっしゃいました。蛇足ですが、その麦とは麦ごはんに入れる大麦のことで、パンやケーキやお菓子に使う小麦のことではありません。

農林水産省が「食料自給率」と「食料自給力」に関して新たなガイドラインを出しました(2015年3月17日「食料・農業・農村基本計画(原案)」と補足資料)。食材の輸入を一切せず、国内の農地をフル稼働した場合に、どの程度の食料を供給できるのかを示すものを「食料自給力」と呼んでいます。ただし、現在、花やタバコを栽培している畑でも食べものを作るという仮定のもとでの話です。

要は、この数年間38%~39%で推移しているカロリーベースの「食料自給率」を50%にするのはとても無理でありその他の思惑もあって45%に引き下げたらしいのですが、それだけだとみっともないので、知恵を出したのでしょう。その知恵とは、「ともかく必要カロリーが摂取できたらいいじゃないの」という献立を国民の参考のために提示することで、管理栄養士がそれを見たら目くじらを立てて怒るに違いない以下のようなものです。揶揄するわけではありませんが、60数年前の大蔵大臣にならってひとことでいうと「日本人はイモを食え」あるいは「貧乏人はイモを食え」。

□朝食: お茶碗一杯のごはん、浅漬け2皿、焼きいも2本
□昼食: 焼きいも2本、サラダ2皿、粉吹きいも1皿
□夕食: 焼きいも2本、粉吹きいも1皿、野菜炒め2皿、焼き魚1切

焼きいもとは普通はサツマイモの焼きいもで、粉吹きいもの材料はジャガイモなので、ジャガイモの生産量がサツマイモの生産量よりも断然多いのだが両者のバランスは大丈夫かといったことはとりあえず気にしないことにして、要は、どうだ、というくらいイモを食べたらカロリー補給だけは大丈夫。だから、カロリーベースの食料自給率は100%を達成できるというわけです。肉や卵は舌が味を忘れない程度の頻度で食卓に出ることになっています。

ぼくの勝手な計算では、ぼくたちの食事内容をコメを増やすような方向で変化させ、同時に肉類と油脂類を減らしていけば、食料自給率50%は十分に達成可能ですが、肉とパンと油っぽい料理が好きな方にはうんざりするような選択肢です。しかし、そういう方でも、毎日がサツマイモとジャガイモよりはいいかもしれません。

イモといえば、数年前に「ジャガイモとオランダ人、あるいは世界の4大主食(その3)」という記事を書きました。オランダも日本と同じで(家畜のエサなどの輸入問題があり)穀物自給率がとても低いのですが、オランダ人の主食はパン(小麦)とジャガイモです。とにかくジャガイモをびっくりするくらいいっぱい食べる。そういうことを考え合わせると、今回の農林水産省の「イモづくし」献立は、ぼくには、それなりのユーモアが感じられて面白いと思いました。

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