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2015年3月25日 (水)

穀物輸出のモチベーションのありよう

国内に需要の少ない種類の装飾過多の壺や皿を盛んに作ってヨーロッパに輸出したというのが17世紀後半の「古伊万里」です。消費地のニーズ詳細を生産者に伝えて売りさばく仲介者がいないとそういうことは起こらない。しかし、いくら仲介者がいても、華美で繊細な壺や皿に対する基本ニーズが国内にあり、それを満たす生産技術がないとそういうものは作れません。

無理をして例えてみると、オーストラリアのうどん用小麦栽培もそれに近いところがあります。日本で作られ食べられているうどん用の小麦粉は大部分がオーストラリアからやって来ます。ケーキ用の小麦粉とは性質が違いますが、そういう基本ニーズを分っているので、日本のうどん用小麦のニーズ詳細に対応することができたのでしょう。しかし、オーストラリア人がうどんを好きだとは思われない。

タイのインディカ米の場合はわかりやすい。インディカ米の輸出国であるタイは、コメという商品の顧客向けカスタマイズが得意な国です。コメが好きで、よくコメを食べる。コメのことは詳しく知っている。余剰生産されたコメを外国に輸出する。輸出増進に必要なら、自分の好みとは違っても、輸出国のニーズに合うようにコメを微妙にカスタマイズする。

しかし、そういう文脈ではよくわからないのが米国におけるコメの生産と輸出モチベーションです。米国はコメの輸出国です。米国に住むアジア系住民を別とすれば、あるいはごく一部のリゾット好きやSushi好きを別とすれば、米国人がコメを好きとは思われない。しかし、別の文脈だとよくわかる。みずからは積極的に食べてみようとは決して思わないけれど、外国に売れそうなので、それを食べ物として好きかどうかは関係なく、輸出目的でインディカ米とジャポニカ米を生産する。売れるものは好ましい。このあたりはオーストラリア人とうどん用小麦の関係と似ています。

国によっては、穀物輸出のモチベーションに、ちょっと不思議なものを感じますが、モチベーションのありようはさまざまです。

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