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2015年4月10日 (金)

機能性食品と食材の機能性(その2)、あるいは野菜のサプリメント化

ぼくたちが体を健康に維持するのを助けるという意味で、野菜は3種類の能力というか機能性を持っています。「抗酸化力」と「免疫力」と「解毒力」です。

【註】この3つの機能性区分については、デザイナーフーズ(株)の考え方を参考にしています。

ぼくたちの抗酸化力を高めるところの抗酸化物質が豊富な野菜があり、ぼくたちの免疫力を高めるのを支援するのが得意な野菜があり、またぼくたちの肝臓の解毒力を助けるのが得意な野菜もあります。特定の機能性に恵まれた野菜もありますが、野菜は生きものなので複数の機能性を、その野菜自身にとっては心地よいバランスで持っていると思われます。

野菜が持つ機能性やその強さは、野菜の種類によって(たとえば、黄・橙・緑・白・赤・紫・黒といった野菜の色の違いによって)、また季節によって(たとえば、夏野菜と冬野菜、あるいは収穫時期がその野菜の旬の時期かどうか)、あるいは栽培方法によっても(たとえば、有機栽培か無農薬栽培か慣行栽培か)、違ってきます。

赤い野菜は抗酸化作用の大きいリコペンを含み、紫の野菜は強い抗酸化力だけでなく心臓の血塊発生防止を助けると考えられているアントシアニンを含みます。免疫力を高めてくれるのは、秋の野菜のキノコや白菜・白ネギ・大根といった色の白い野菜、つまり、寒くなる時期の鍋料理の具材です。野菜は、肝臓が化学物質を分解し水溶化するプロセスをサポートしますが、とくにアブラナ科の野菜はそういう働きが強い。アブラナ科の野菜とは、大根、白菜、キャベツ、ブロッコリー、ちんげん菜、菜の花などです。食物繊維も、有害物質を体に入れない働きを持つ種類と、体外へ排出する働きを持った種類があります。

「機能性表示食品制度」が今月(2015年4月)の1日から始まりました。この制度では、その食品が体のどの部位にどのように良い食品なのかを、国(消費者庁)の審査なしに企業や生産者の責任で表示できます(「責任」とは「機能性」の根拠となる研究データやメカニズムを消費者にわかりやすく公開する義務を負うということ)。複数のメディアの報道を拝見すると、機能性食品の生産者や企業は、この制度の導入を新たな需要拡大の機会、商機の到来だと考えているようです。

消費者庁のガイドラインによると、機能性表示食品制度の対象製品は食品全般で、「サプリメント」「サプリメント以外の一般加工食品」および「生鮮食品」の3つです。ビタミン・ミネラルなどの食事摂取基準で基準が設定されている栄養素は対象外ですが、「たんぱく質」「n-6系脂肪酸」「n-3系脂肪酸」「食物繊維」「ビタミンA」の5つの栄養素の構成成分は含まれます。

したがって、「機能性食品と、食材の機能性(その1)」で取り上げたブロッコリーやミニトマトやタマネギのような機能性野菜や既存のサプリメント商品・健康食品はあらたな訴求メッセージを付加して機能性表示食品として再登場するかもしれません。

ぼくは、大根でもニンジンでも小松菜でもセロリでも、丁寧に栽培された旬の野菜の持つ高い機能性をおいしい食材として食べることは大好きですが、いわゆる「機能性強化野菜」にプレミアム価格を支払って購入することには興味がありません。言葉を換えれば、野菜や果物のサプリメント化には興味がない。青魚を食べるのではなく、EPA/DHAを含んだサプリメント錠剤を時間の節約になる、食生活のコストパフォーマンスが良くなるという理由で選好される方がいらっしゃいますが、ぼくはそういう風ではない。同じことです。

機能性表示食品制度では、該当する食品を生産・販売する企業や生産者は「機能性」の根拠となる研究データやメカニズムを消費者にわかりやすく公開する義務を負うということになります。なかには眉に唾をつけて眺めた方がいいような機能過剰な食品も現れる可能性がありますが、生鮮野菜や果物の機能性についてのメッセージが、それなりの説明付きで市場に溢れること自体は悪くはないと考えています。

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