« 少し春と、春がいっぱい | トップページ | 球根と地下茎 »

2015年4月15日 (水)

プロモーション・メッセージと原材料

Kit Oisix

地元の特定の商品を悪く云うことが目的ではないので、できるだけ商品名を出さないようにしますが、商品パッケージ上のこういう商品紹介はいただけません。ぼくの流儀で、初めての加工食品は商品パッケージの裏面の「原材料名」欄から読み始めます。

□(裏面の)原材料名: 湖塩(オーストラリア産)、海水(知床らうす深層水)、昆布粉末

食品の原材料は重量の多い順に書くことになっているので、この商品は、オーストラリアから輸入した塩に、地元の海水から作った塩と昆布の粉末を少し(あるいは、わずかに)追加した加工塩だと理解できます。オーストラリアからの輸入塩です。それはそれで結構です。

しかし、表の商品プロモーション・メッセージを拝見すると、以下のようになっています。

□「大自然の残る知床、羅臼の深層水を汲み上げ造り上げた塩に、天然羅臼昆布の粉末をブレンドしました。」

こういうのを、商品紹介メッセージと原材料が一致してしない状態にあると云います。もっとも、こういうタイプの塩は北海道に限ったわけではありません。

この前の日曜日の北海道知事選挙にはお二人の方が立候補されました。投票日前に、新聞といっしょに配達された「選挙公報」からお二人のメッセージの一部を抜き出すと次のようになります。

当選された方のメッセージ:
「世界にはばたく産業創造プログラム」
「原発に依存しない北海道を目指し、多様なエネルギー資源を開発します。」

落選された方のメッセージ:
「目標は高く。めざせ3倍。道内総生産50兆円をめざします。」
「北の大地のエネルギーは脱原発で。英知を結集し電気料金の値下げをめざします。」

メッセージ全体(選挙公約とも云います)を構成するおのおのの文にどういう動詞を選ぶか、あるいは特定の動詞を他のどういう動詞との組み合わせにするかによって、その文に書かれた内容に対する本気度がでます。

「進めます」「推進します」「確立します」「築きます」「形成します」「取り組みます」「歯止めをかけます」「活かします」「ひらきます」などは、本気度が強いと思われる項目(政策)に対して使われている動詞です。しかし「目指す」「めざす」となると、その動詞を含んだ一文や一節にたいていは時間を表わす表現がないこともあって、本気度は低下します。「目指す」という本気度の希薄な動詞を、本気度の強い別の動詞とひとつの文の中で組み合わせて、そのことに対する本気度のなさを悟られないようにするというのも戦術のひとつです。

「目指す」「めざす」という動詞が使われた場合、その一文や一節の意味合いは以下のいずれかだろうと思います。

(その1)「目指し」たのだけれど、諸事情でうまくいかなかった。そういうことなので、しかたがない。いつまでに目指すとも言ってないし、選挙民に嘘はついていません。

(その2)「目指す」と発言しておかないといろいろとまずいのでそうしたのだけれど、そもそもそんな気持ちはないので、それを本気で「目指す」ことはありません。そういうニュアンスは文章から明らかだと思いますが・・。

(その3)風呂敷を大きく広げることが必要だと感じたので、大きな風呂敷を広げてみたのです。だから「めざします」です。ビジョンの提示なので、結果については自信がありませんが、それでよしとしてください。

上の「塩」と、比較をしてみると面白いです。

□□

人気ブログランキングへ

|

« 少し春と、春がいっぱい | トップページ | 球根と地下茎 »

塩・味噌・醤油・酢」カテゴリの記事

経営とマーケティング」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1317632/59637451

この記事へのトラックバック一覧です: プロモーション・メッセージと原材料:

« 少し春と、春がいっぱい | トップページ | 球根と地下茎 »