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2015年4月 9日 (木)

機能性食品と食材の機能性(その1)

機能性食品と呼ばれているものにはほとんど興味がありません。しかし、野菜や果物といった普段の食材の持つ機能性には関心があります。ここでいう野菜や果物の機能性とは、野菜や果実が持っている生体調整にかかわる成分や機能のことです。

体内で発生する活性酸素は人体を傷つけます。活性酸素を消去する抗酸化物質をたくさん含んでいる野菜があります。抗酸化物質は生体調整に関する成分のひとつです。そういう野菜を食べるとぼくたちの体の抗酸化力も高まります。だから、そういう「抗酸化力」の強い野菜は「機能性」の高い野菜ということになります。

一般的な食品分類では「タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル」からなる五大栄養素というのが最初に出てきます。この分類はそれなりに役に立ちますが、そういう分類が依って立っていたところの考え方のもとで「軽視されていたもの(嗜好に関する成分)」や「存在価値が不明だったのでほとんど無視されていたもの(生体調整に関する成分)」を舞台に登場させた最近の分類方法の方が、食品・食材の全体的な姿を捉えようとしているので、ぼくには腑に落ちるようです。

その方法とは、食品が持つ栄養に関する特性を第一機能、嗜好(食品の持つ色・味・香りなど)に関する特性を第二機能、そして、食品の持つ生体調整に関する特性を第三機能とする分類方法です。

現在栽培されている野菜や果物は歴史上長い間生存してきた生きものの子孫なので、その体内に役に立たないものを持っているはずはないというのがぼくの勝手な考え方です。役に立たないものを抱え込んでいたらすでに淘汰されてしまっている。

生体調整に関する成分には、お腹の環境を整えるオリゴ糖類や食物繊維類、血圧の上昇を抑えるペプチド類、それから、抗酸化力によってヒトの体内の活性酸素を消去し老化や動脈硬化を予防するポリフェノール類(アントシアニンなど)やカロテノイド類(リコピンなど)、ビタミンCやビタミンEがあります。

そういう特定の生体調節成分を多く含む(多くは工業的手法で人為的に多く含有させている)食品が、一般に機能性食品と呼ばれています。

機能性食品、あるいは機能性食品の錠剤版であるところのサプリメントというとすぐに思い出すのは、朝刊の折り込み広告などによくあるように、食べ切れないほどの人数分のマグロの赤身、うんざりするほどの個数のシジミの写真です。そういう多量の食材に含まれているよりも多くの特定成分が1個の錠剤に含まれているというのが折り込み広告のメッセージです。

しかし、最近はそういう錠剤だけでなく、機能性野菜というカテゴリーの野菜も見かけるようになりました。特定の機能性成分を強化した野菜のことです。工業的手法で機能性を人為的に多く含有させているとはいえないタイプの食品です。栽培技術や交配技術は関係しますが、ここでは工業的手法とは呼ばないことにします。有機栽培の野菜が慣行栽培のものよりも抗酸化力が高い、あるいは旬の野菜が旬を外れたものよりも抗酸化力が高いという測定データは多いので、必ずしも工業的手法を使わなくても野菜の機能性は高まります。

参考までに、いくつかの機能性野菜の商品パッケージやホームページの商品紹介欄から機能性に関する文言を以下に引用してみます。

(1)ある食品会社の機能性ブロッコリー: 「スルファラファンが通常のブロッコリーの約3個分」、「機能性ブロッコリー」、「北海道産」

(2)同じ食品会社の機能性ミニトマト: 「リコピンが従来品種の約2倍」、「カロテンが従来品種の約3倍」、「機能性ミニトマト」、「宮城県産」

(3)別の会社の機能性ミニトマト: 「高リコピントマト」、「リコピン約1.5倍」、「トマトの赤はリコピンの赤」、「リコピンとは活性酸素を消去する赤い色素です」

(4)ある農業グループの機能性赤タマネギ: 「健康タマネギ」、「注目の健康成分『ケルセチン(ビタミンP)』が従来のタマネギの1.5~3倍」、「北海道産」

特定の機能性だけを、他の状態は同じで、強化したものなのか、それとも特定の機能性は強化されたがその結果他の機能性や栄養素が少なくなったのかは、商品案内からはわかりません。

(その2)に続く

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