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2015年7月

2015年7月31日 (金)

梅の天日干し:初日(2015年版)

いわゆる梅の土用干しの頃は、気象台や気象予報士の天気予報は、台風接近中のような情報を除いては、ほとんど当てにしません。よく騙されるからです。

午前5時に起きて空を見上げ、朝の空気を吸い込んで匂いを感じ、6時頃に干すかどうかを判断します。平かごやそれを置く台などの準備はその時までに済ませてあるので、30分から40分もあれば余裕を持って、梅が行儀よく並んだ二枚の平かごを陽射しの下に配置できます。そうすると、その日の午後3時くらいまでの仕事や用件は、予定通りに消化できる。

「作業量がたいへんなので今年は赤紫蘇は少なめです。梅干し全部を少ない赤紫蘇で淡い赤に染めるのではなく、三分の一だけを日の丸弁当にふさわしい赤に染めます。・・・・・三分の一だけを赤紫蘇の赤で染め、三分の二については赤紫蘇は使わないと決めました。」(「梅干し用の赤紫蘇作業(2015年版)」)

しかし、赤紫蘇を使っていない方の色がどうにも落ち着かない。彼らは干す前までは白梅酢の中で休息中でしたが、夜にまた梅酢溶液に戻す時に、その白梅酢を、冷蔵庫にストックしてある去年の赤梅酢とすっかり入れ替えて、少しでも赤く色づくようにしようと思います。二日目、三日目、ないしは四日目と、必ずしも連続でなくても、天日干しの回数を重ねると、幾分かは効果があるはずです。

平かごに並べる時に個数を数えてみたら、全部で503個でした。今年は15㎏分の生梅(和歌山産の龍神梅)を買ったので、梅干し加工前の生梅1個の平均的な重さは30gということになります。

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          赤紫蘇と一緒に寝かせてあったもの

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          赤紫蘇を使わなかったもの

梅干しや味噌のような常温で長く保存できる基礎加工食品は、不測の事態に備えるという意味合いもあって、ずっと自宅で作り続けています。2010年産の自家製赤梅酢は、瓶詰めにしたうちの一部をまだ冷蔵庫に保存してあります。

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2015年7月30日 (木)

緑色のシンジュの種

シンジュも札幌の落葉広葉樹のひとつです。日本各地で見られる広葉樹ですが、ニワウルシ(庭漆)やシンジュ(神樹)と呼ばれています。原産地は中国だそうです。

初秋から次の春まで、緩やかに風の流れる日も雪の降る日も、種がその形状から竹トンボの飛翔力を持っているので、ほとんどすべての場所に飛び込んできます。ベランダなどは毎日のように掃いても「いたちごっこ」です。写真は昨年の秋の飛び込み量の少ない日の様子ですが、竹トンボの多い日だと、配偶者の「業務報告」におつきあいする時間も長くなります。

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繁殖力が非常に強いという報告もあり、いかにもそういう風情の樹ですが、種を膨大にばらまいている割には、少なくとも街中では樹の数は増えていないようです。

次の写真は、この前の週末の近所のシンジュの様子。緑色の種が透けて写ってきれいですが、ともかく数が多い。そのうち、これが淡い茶色になり、時間差をつけてどんどんと翔びたっていきます。

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2015年7月29日 (水)

続・栗はドングリ

週末の夕方に散歩をしていたら、台風の影響を受けた強い風と雨で落ちてしまったのか、まだ緑の栗のイガが地面の草の上にころがっていました。みずみずしい緑だったので写真に残そうと思い、咲き終わった花(雄花)の跡がまだ残っているものはそこを指でつまみ、そうでないのは触るとトゲで痛いので、何枚か重ねたティシュ―ペーパーで包み、自宅に持って帰りました。写真を撮ったあとは、もとの場所にもとの風景に重なるように戻してやります。

ブナ科の樹木の堅果をドングリと呼んでいます。だから栗の実もドングリですが、この5個はドングリになりそこねてしまいました。落下したばかりなので、緑の鋭いイガで守られています。

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もとの場所に落ちたイガを戻しにいったときに、枝についている緑のイガを撮影してみました。花(雄花)の跡がまだ残っている様子もよくわかります。

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近くにはミズナラやニレやヤマモミジの樹が葉を茂らせています。誰かが明確な意図をもってそういう木々の組み合わせで植えたのか、それとも自然とそういう植生になったのか。どちらにせよ、札幌は落葉広葉樹の街だなと思います。

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2015年7月28日 (火)

ぼくの希望に応えてくれるタイプの日本酒ラベル

自宅で食べる晩ごはんのときの一合から二合の純米酒の「ぬる燗」が好きです。冷やした吟醸や大吟醸の繊細も食前酒としては捨てがたいのですが、自宅の晩ごはんの少し前から食事にかけてのお酒なので、食事の邪魔をしない「ぬる燗」の純米酒があれば満足です。

「米の銘柄と酵母の種類と、ないものねだり」のなかで「(日本酒の)味わいを味と香りの組み合わせだとすると、消費者にとって気になるのは、酒米の種類と精米歩合と酵母の種類です」と書きましたが、それに応えてくれる純米酒の商品ラベルです。

米の種類はラベルには記載がないのですが、売り場に情報がありました。よしとします。精米歩合は純米酒なので65%。うれしいのは、酵母に関する記述と説明。欄内は「蔵内保存酵母」と無名状態(あるいは酒蔵外秘?)ですが、欄の上の一文「純米酒づくりに定評のある蔵元が純米酒に適した蔵内保存酵母を使用して醸した、米の旨みがありどっしりとした飲みごたえのある純米酒です」が客を惹きつけます。

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自宅で「ぬる燗」で楽しむには、値段も含め、最良の純米酒のひとつかもしれません。ぼくの中ではこの酵母を、「□□□酵母」(□□□はこの日本酒のブランド名)ということにします。これを買った売り場には一升瓶が置いてなかったので、それが残念でした。

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2015年7月27日 (月)

なかなか美味しいヘンプ(麻の実)パウダー入りの米粉クッキー

麻生(あさぶ、あさお)、麻布(あざぶ)、大麻(おおあさ)などの地名が各地にあるように、麻はぼくたちの古く親しい植物であるにもかかわらず、麻は麻で、それ以外の表記は持たないようです。ちょうどビーフとポークとチキンと牛肉・豚肉・鶏肉の関係と似ています。

英語だと、麻は、フラックス(フラックスを繊維にしたのがリネン)、ヘンプ、ラミー、ジュート(たとえば、ドンゴロスと呼ばれているコーヒー豆用などの頑丈な麻袋はジュートを編んだもの)など種類の違いに応じて名称は豊富です。

麻は我が家のお好みで、まずハンカチは30年近く白のアイリッシュリネン、それから手作りの食器拭きも麻(リネン)、夏のジャケットも麻(リネン)。リネンだけでなく、食品関連だとフラックス・オイル(亜麻仁油)を利用しています。味に少し癖があるので、万人向きではないかもしれませんが、野菜サラダや納豆(納豆に少量の塩と亜麻仁油を加えてかき混ぜるととてもおいしい)に向いている。北海道では亜麻仁油の生産が数年前から再開されました。

北海道産の「ゆきひかり」というコメをとても細かく挽いた米粉が好きで、配偶者がその米粉を使った米粉クッキーをときどき作ります。

プレーンなもの、生姜を混ぜたもの、ココアを入れたもの、緑茶を細かく挽いたのを混ぜ込んだもの、緑茶の替わりに紅茶を使ったものと楽しんできました。今度はヘンプ(麻の実)パウダーと合わせた「麻の実」版です。このヘンプパウダーの原産国はカナダ。ヘンプパウダーに似た感じの粉食品は、緑色の「きな粉」です。

左の緑色がかったクッキーの材料が「米粉+ヘンプ(麻の実)パウダー+甜菜糖」、右側の茶色いのは「米粉+黒砂糖」のプレーン仕立て。緑色を楽しむには「米粉+緑茶」という手もありますが、ヘンプパウダー版は予想以上に美味でした。

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    ヘンプパウダー・バージョン(左)と、プレーン・バージョン(右)

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            これは、緑茶バージョン

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2015年7月24日 (金)

茗荷(みょうが)は花穂の収穫まで、あと、しばし

茗荷(みょうが)の地下茎栽培は失敗したので、苗を植え付け」のその後です。

生姜(しょうが)と茗荷(みょうが)は高知です。野菜売り場で生姜も茗荷も高知産以外はまず見かけません。独占に近い状態です。それはそれでいいのですが、我が家の価格感覚だと、生姜はいいとしても、茗荷は値段が高すぎる。茗荷はそのあたりに生育しているという記憶が抜けない。で、自分で育ててみることにしました。

冬越しの地下茎栽培は失敗したので、今年の六月になったばかりの頃に、種苗会社から苗を買って植え付けました。苗を植え付けたのは緑の樹脂製のプランターだったのですが、最近はそういう素材が気に入らない。素焼きや、素焼きよりは手が込んだ土の焼物の方が野菜栽培についても好みなので、六月下旬に白い大きな鉢に移し替えました。札幌の六月は、ずーと涼しかったので、茗荷はほとんど大きくなっていません。移し替えもスムーズでした。

七月中旬くらいから夏の気温になってきて、茗荷もやっと成長し始めたようです。

配偶者の情報だと、東京の武蔵野あたりの家庭菜園だと、やっと茗荷の収穫が始まったらしい。家庭園芸のブログ記事にそういう報告があったそうです。では、札幌だと、収穫は、早くても八月中旬か?残念なことに、手元の茗荷が「早生(夏茗荷)」なのか「秋茗荷」なのか、わからない。

ある種苗会社の定期刊行雑誌によれば、早生茗荷と秋茗荷の花穂(あの、おなじみのピンク色のふっくらとしたもの)の収穫時期は日本では一般的には以下のようです。

【早生みょうが】日陰で作る風味のよい多年生野菜で極めて強健。花穂は吸い物、若芽はみょうがたけなどに用いる。ショウガ科。収穫期:4~5月(若芽)、7~9月(花穂)。高さ100~120cm。耐寒性は強。

【秋みょうが】早生種に比べ収量が多い。性質や用途は早生種と同様。ショウガ科。収穫期:4~5月(若芽)、9月中旬~11月上旬(花穂)。高さ70~100cm。耐寒性は強。

八月の中旬がダメなら九月中旬まで待つことにします。その辺りに生育しているのを摘んでくればいいはずの茗荷が、今までのところは、費用と工数の持ち出しばかりです。初めてのものは、面白い。

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2015年7月23日 (木)

夏の陽気になると紫蘇の葉は急に大きくなる

あたりまえではあるのですが、陽気が夏になると野菜(とくに紫蘇科類)の葉が急に大きくなるのが観察できます。夏の陽気といっても、たとえば関東のようなうだる暑さではなく、札幌だと日中の気温が24℃から25℃以上になると、という意味です。

最高気温が22℃~23℃くらいの間は、ヒトにとってはけっこう心地よいのですが、青紫蘇も赤紫蘇もバジルもやる気がなさそうに生きています。

青紫蘇は別名を大葉(おおば)と云いますが、ヒトが長袖を止めて半袖ポロシャツを着る気候になるまでは、大葉が中葉以上の大きさになりません。そういう時は、紫蘇にハッパをかけてもしかたないし、状況は変わらないので、ひたすら我慢です。

しかしそのうち、ヒトが扇風機をひっぱり出すような気温になると、青紫蘇や赤紫蘇はそういう温度帯がお気に入りなのか、写真のように葉が急に大きくなり、夜のサラダに採れたて素材の華やかさが加わります。

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                  青紫蘇 

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                  赤紫蘇

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2015年7月22日 (水)

ポップコーン

普通のトウモロコシは、熱を加えてもポンとはじけませんが、ポンとはじけるタイプのトウモロコシがあります。トウモロコシは英語でコーンなので(メイズとも言いますが)、名前は、ポップコーン。覚えやすい名前です。はじけたポップコーンを大きなコップ型の紙容器にふわっと詰めたものは、今でも映画館の定番と云うことになっているようです。

ある道の駅の野菜直売所で、インゲン豆の一種である貝豆やうずら豆といっしょに、乾燥させたポップコーンを売っていました。豆とポップコーンの生産者欄には同じ女性の名前が印刷されているので、豆類や穀物の生産がお得意な農家なのでしょう。北海道は食用トウモロコシと飼料用トウモロコシの栽培が盛んな土地ですが、ポップコーンは珍しかったので、2袋購入しました。1袋の総重量は191~192グラム。値段は1袋の税抜き価格が100円。

トウモロコシは、大豆ほどではないにせよ、GM(遺伝子組み換え)品種の割合が多い。米国に話を限れば、米国産トウモロコシの80%以上(作付面積)が遺伝子組み換え品種です。道の駅で出会ったポップコーンは、ほとんどが固定種・従来種であるところの貝豆やうずら豆と同じ生産者が栽培しているので、GM品種とは思われない。

さっそく、サラダ油(圧搾絞りの菜種油)と圧搾絞りのオリーブ油を使って、30gずつ、ポンポンとはじけさせてみました。塩をぱらぱらと振りかけます。美味しいおやつになりました。菜種油もオリーブ油も一価不飽和脂肪酸であるところのオレイン酸を多く含み、比較的酸化されにくいので、サラダから加熱料理と応用範囲は広い。

蛇足ですが、トウモロコシ型(円錐形)の器具などを「コーン」と呼びます。そういうタイプの「コーン」はソフトクリーム屋さんや道路工事の現場にあります。冬の札幌だと「落雪注意」という標識と、通行人をビルの外壁際に立ち入らせないようにするために、ロープを渡した複数のコーンが一列に並べられているのをよく見かけます。

下は袋入りの乾燥ポップコーンと、ポンポンとはじけさせる前の30g。

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                          30gの乾燥ポップコーン

上の30gがフライパンでポンポンとはじけると以下の状態になります。なかなかに楽しい作業です。匂いで映画館に映画を見に行った気分になりました。

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          菜種油バージョンのポップコーン

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          オリーブ油バージョンのポップコーン

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2015年7月21日 (火)

ラベンダー雑感

ちょっとした火傷のときは傷口を冷水で冷やしラベンダーオイルをつけておくとすぐに治ります。料理中に熱いフライパンや蓋に手が触れてしまったなど、日常の軽い火傷でラベンダーに勝る治療薬はありません。ラベンダーオイルの一滴を水で希釈すると人ごみから帰宅した時のウガイに効果的です。それから、汗をかくかもしれない天気の外出時に、ラベンダーをわずかにしみ込ませたおしぼりを持って出るという手もあります。つまり、我が家ではラベンダーのエッセンシャルオイルは生活必需品です。

外出するときは、仕事であれレジャーであれ、即席の自家製おしぼりを鞄(かばん)やバッグに放り込みます。たいていは自分で作りますが、作り方は簡単です。

用意するのは30センチメートル角の白い薄めのタオルと、ジップロックの値段の安いタイプのビニール袋とハーブのエッセンシャルオイル。タオルをビニール袋に入る大きさに畳み、少し広げ戻し、エッセンシャルオイルを2~3滴振りかけ、また畳み、水道からの細い水でタオルを湿します。水分が多すぎたときは、オイルが無駄にならないように用心しながら、ゆっくりと絞る。形を平たく整え、封のついたビニール袋に入れたら即席おしぼりの出来上がりです。

暑い日やちょっと汗っぽいときに顔や手や首筋を拭くと爽快感でほっと一息つけます。同時にハーブの香りを深く吸い込むと、もっとリラックスできます。僕の好みのおしぼり用のエッセンシャルオイルはユーカリとラベンダーですが、その日の使用状況を考えどちらかを選択します。

列車の指定席に出発時刻の数分前にあわただしく座ったあとなどに、その自家製おしぼりを鞄から取り出して使っていると、ハーブの香りがかすかに回りに漂い出ます。香りが届いたあたりから、女性と思しき視線が感じられることもあります。

「ラベンダーは大きな絨緞のように面でいっぱいに広がるとゴーカケンランですが、そういうのは富良野のラベンダー畑にでも行かないとお目にかかれない。ふらりと日帰りのラベンダーツアーバスにでも飛び乗ってみますか。」と先日「自宅で楽しむラベンダー」というブログ記事に書きましたが、運よく空きがあったので札幌発の日帰りツアーバスに飛び乗りました。

そこではラベンダーの香りが、濃くゆるやかに流れていました。深く吸い込みます。こういう大気を薄紫色に染めてしまうような香りは、ラベンダーがカーペット状に密に広がっている場所だけのものです。

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2015年7月17日 (金)

米の銘柄と酵母の種類と、ないものねだり

この日本酒はどんな銘柄の米(コメ)を使っているのかは、日本酒の好きな方なら、とくに初めての酒を目の前にしたときには、とても気になるものです。岡山の雄町、兵庫の山田錦、徳島の山田錦、新潟の五百万石、長野の美山錦などが代表的な酒米ですが(北海道には吟風という酒米があります)、酒米の種類によって日本酒の味わいが大きく変わります。

だから、商品ラベルに使用米が明示されているか、商品ラベルに記載がなくても小売店の店頭で使用米が表示されているかでないと、今まで口にしたことのない日本酒は買う気になりません。先日、雄町や山田錦を得意とし、通常はラベルに大きく備前雄町や兵庫山田錦と書いてあるのに、今回の新しい商品にはその記載がない、そういう日本酒製造販売会社の日本酒に出会いました。「米本来のおいしさを追求して醸した日本酒」というメッセージがラベルに書いてあります。ちょっと試してみたい気分になったので、方針を引っ込めて購入しました。

「□□の使用米をおうかがいしたいのですが」と、ホームページで調べたその日本酒製造販売会社の電話番号に、ある理由から、電話をかけました。担当の部署に電話が回り、そういう場合の担当者が、いくぶん消極的な語り口で、雄町でもなく山田錦でもない酒米の種類を教えてくれました。「なるほど、そういうことですか、参考になりました」。

たいていの日本酒に関する本などを開けると、日本酒は、麹(こうじ)の酵素(アミラーゼ)が米のデンプンをブドウ糖に分解し(これが糖化)、酵母(こうぼ)がそのブドウ糖を利用しながらアルコールを作っていく(これが発酵)、この糖化と発酵が同時に進むプロセスを「並行複発酵」と云う、と書いてあります。だから発酵終了時の日本酒のアルコール分は20%にも達し、その時点でのアルコール分はワインや蒸留前の蒸留酒などよりも断然に高い。

味わいを味と香りの組み合わせだとすると、消費者にとって気になるのは、酒米の種類と精米歩合と酵母の種類です。使用米と精米歩合(ぼくは精米歩合が60%から65%の純米酒のぬる燗も大好きです)はたいていは記載されています。しかし、使用酵母については、まれな例外はありますが、ほとんど言及されていません。

この三つの明確な記述があれば、ガラス扉のある商品冷蔵庫の中や商品棚に並んでいる日本酒の前に立ち、その味や香りをヴァーチャルに楽しめるのですが、残念なことです。こういう希望を必ずしも消費者のないものねだりとは思わないけれど、このブログ記事のタイトルでは、いちおう、そうしておきます。

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2015年7月16日 (木)

美味しかった街路樹のさくらんぼ

木登りの女の子たちからもらったサクランボ」に書いたように、木登りの得意な女の子たちから、その子たちが収穫した街路樹のさくらんぼを先日もらいましたが、意想外に美味でした。そのサクランボの樹には、元気な子供が登りやすい幹や枝の周辺以外は、まだ赤い実がいっぱいなっています(写真)。

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近所の生協のご近所野菜コーナーには、7月と8月には、北海道の果樹の産地であるところの余市町や仁木町などの契約農場から運ばれてきた北海道産サクランボの代表的な品種が日替わりで並びます。1パックが450円から500円。値段がそれなりに高いのは、収穫時期が短いということもありますが、さくらんぼのサイズ別の選別作業はすべて手作業だからです。経験豊かな近隣の女性をパートとしておおぜい動員します。

野菜コーナーで目にするのは佐藤錦、紅秀峰、それから南陽。生産量や出荷量が少ないという意味でのマイナーな品種にもたまに出会います。そのひとつが果実の大きな北王。頻繁にそこに立ち寄るわけではないのですが、北王が販売されていたのは今年は2度くらい。以前、観光果樹園で結構な量の北王を口にしたことがあります。係りの人の話によると、確か、傷みやすいので流通向きのさくらんぼではないとのことです。近所の特定のチャネル経由で少量だけ出荷されるのでしょう。

さて、お転婆(おてんば)の女の子たちからもらったさくらんぼの品種はなんだったのか。市販のものと比べても、色つや・味とも遜色ありません。あるいは今年のさくらんぼでいちばんおいしかったかもしれません。ある品種によく似ており、見る人が見たらすぐにそれとわかるのでしょうが、種類は不明のままにしておきます。休日の散歩コースにある正体不明の美味しいさくらんぼでとどめておいた方が、ぼくは楽しい。

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2015年7月15日 (水)

調理系女子は料理系男子よりもグローバル化の度合いが高い?

「料理系女子」と「料理系男子」としてもいいのですが、ぼくの限られた経験を一般化すると「調理系女子」と「料理系男子」という、微妙な差を含んだ表現の組み合わせになります。「調理師(免許)」という用語もあるように、一般的には、料理が調理よりも必ずしもご飯作りに手をかけるということでもないのかもしれません。しかし、ぼくの個人辞書によれば、電子レンジという家電製品とより適合的なのが「調理」、鍋や包丁やフライパンと関連が深いのが「料理」です。

食材や食料品の売り場で、たとえば、週末の遅い午前にお見受けする、年の頃はアラウンド・サーティーの、買い物かごを下げた、あるいはかごをカートにのせた、独身の雰囲気の漂う男性や女性です。彼らの買い物かごの中身をざっと拝見すると、葉物野菜や根菜類や肉などの生鮮食品が多いのが男性、加工食品とお菓子であふれているのが女性です。少し戯画化していますが、実態からそれほどずれているわけではありません。

男性の買い求めた食材からは、なんとなく一週間の献立が想像できますが、女性のかごの中身からは、献立の予想が困難です。しかし、その女性が電子レンジの使い方が上手いであろうことは想像に難くない。そういう意味で「調理系女子」と「料理系男子」です。

製品や商品がグローバル化してくると、それらは規格化が進み、同質化してきます。そのことはスマホなどの情報通信端末を見れば直感的に納得できることです。もともとは地域型、地産地消型、国内型であった食べものも同じで、食べものもグローバル化してくると規格化、同質化が進み、世界の多くの人が同じような食材を同じような調理法で食べるようになります。

グローバル化した食べものと広い意味での同義語には次のようなものがあります。ファーストフード、カップラーメン、電子レンジ、スーパーマーケット、牛丼屋のベジ丼、農産物や加工食品の輸出入、遺伝子組み換え作物、養殖魚、機能性強化食品、サプリメント。一方、地域型、地産地消型の食べものと適合的なのは、スローフード、鍋・庖丁・フライパン、有機栽培農産物、旬の露地物野菜、天然魚、家庭料理などです。

さきほどの料理女子と料理男子のグローバル化の進展度合いを比べてみると、ぼくの気ままな定義によれば、あきらかに女性の方がその度合いが高いようです。そういうニュアンスも込めて、「調理系女子」と「料理系男子」という表現を使い分けています。

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2015年7月14日 (火)

梅干し用の赤紫蘇作業(2015年版)

梅干し用の龍神梅(りゅうじんうめ)が到着、作業の開始です。」の続きです。現在まで、我が家の梅は、白梅酢の中で順調に時を過ごしています。

作業量がたいへんなので今年は赤紫蘇は少なめです。梅干し全部を少ない赤紫蘇で淡い赤に染めるのではなく、三分の一だけを日の丸弁当にふさわしい赤に染めます。漬け込みの最初の工程から梅を大小の二つの容器に分けました。三分の一だけを赤紫蘇の赤で染め、三分の二については赤紫蘇は使わないと決めました。

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六月から七月上旬までは涼しくて(時折り寒いくらいで)、日中がそれなりの夏の暑さになったのはほんの二~三日前からなので、わずかとはいえ追加投入を予定していた自宅の赤紫蘇は、毎晩のサラダ用が精いっぱいで、梅干しに使うほどには増えていません。

北海道産の色の良い赤紫蘇がこの前の土曜日に手に入ったので、その翌日のお昼に赤紫蘇作業を配偶者といっしょに済ませました。茎から葉だけを取りはずし(上の写真がその状態)、その葉を水洗いし、その後、塩を使って二度、丁寧に、アク抜きをします。アク抜きをしたあとの液は真っ赤になり、赤紫蘇の赤が全部滲み出てしまったような気分になりますが、そんな心配は要りません。

アク抜きした赤紫蘇は白梅酢でほぐし、梅酢の中の梅の上に隙間なく敷き詰め、最初に取り出した重石を元に戻します。次の工程はいわゆる梅の「土用干し」です。地域差があるので「土用」の日付にこだわる必要はないのですが、まあ、そのあたりの夏の陽射しが照りつけるころです。

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2015年7月13日 (月)

夕方の赤紫蘇、早朝の赤紫蘇

紫蘇(しそ)科植物に限りませんが、赤紫蘇や青紫蘇がいちばんよくその特徴を出すようです。

陽が陰って光が当たらなくなり昼間の光合成の労働時間が終わると、まだ空は明るいのですが、彼らにとっては酸素呼吸だけの寝る時間です。ちょうど艦載機が、主翼を上方や後方に折りたたむように、紫蘇は葉を下に向けて折りたたみます。気持ちよく眠っているので邪魔しないでほしいという強い意思を示しているように見えます。

人間はその後の作業の都合があるので、農家などで栽培されている野菜は朝採りと云うことになっていますが、光合成が終わったばかりの夕方の野菜がいちばんおいしいはずです。家庭菜園やベランダ菜園だとその贅沢ができます。

夕方に、ルッコラや青紫蘇・赤紫蘇、それからバジルなどを必要量だけ収穫し、お店で買っておいたレタスやブロッコリーやキュウリなど他の野菜といっしょに混ぜ合わせ、インカインチオイルと自家製のポン酢をかけ、手作りの柚子胡椒(ゆずこしょう)をアクセントにすれば美味しいサラダができ上がります。

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翌早朝になれば、光合成が始まり、葉は折りたたんだ状態を止め、横に大きく拡がります。

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2015年7月10日 (金)

オムニ・チャネルを日本語で云うと?

最近話題のオムニ・チャネルはとは、教科書風の云い方をすると、「消費者が販売側の持つ複数のチャネルを気分や都合で勝手に使い分けても消費者便益に関してはまったく違和感がないような供給側のチャネル運営」のことです。

自宅に夜に届けてもらう予定だったけれど、外出帰りに早い夕方にお店に立ちよって品物を受け取るわ(あるいは、その逆、つまり、お店に夜に立ち寄って品物を受け取るつもりだったけど、早く帰れることになったので早い夕方に自宅に届けていただける)と、働く主婦が急にお店に電話連絡をするか、スマホからインターネットで変更通知を入れて問題なく希望の時刻にその商品を手にすることができたら、そのお店はオムニ・チャネルの素朴な機能は備えています。

オムニ (omni-) とはラテン語で、英語だとall 。「全」とか「あらゆる」とか「あまねく」といった意味です。マルチ・チャネルがカタカナで使われることが多いように、オムニ・チャネルもそのままカタカナ用語として固まってしまうのかもしれません。

オムニ・チャネルをカタカナでない日本語で表記できないものか。

バス(通勤バスとか定期観光バスという場合のバス)は英語でbus ですが、少し古い形は omni-bus です。日本語だと「乗り合いバス」。この「乗り合い」や、「乗り合い」のニュアンスを少しずらして「乗り入れ」とし、それをオムニ・チャネルに援用すると、雰囲気が出ます。オムニ・チャネルとは「乗り合いチャネル」あるいは「相互乗り入れチャネル」、「チャネルの相互乗り入れ」。ぼくにはこの方がカタカナ表記よりも腑に落ちます。

蛇足ですが、オムニ・チャネルを超訳すれば、「ICT(情報通信技術)を駆使した出前商法、御用聞き商法」となるかもしれません。

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2015年7月 9日 (木)

商品のお持ち帰りは外部不経済?

日本ではローソンやセブンイレブンのようなナショナルブランドのコンビニが、お弁当や総菜や生鮮食品の無料宅配サービスを始めています。札幌の地元の生協は気が利いていて、もっと前から似たようなサービスを提供しています。札幌は、地元のコンビニチェーンも生協も、地域密着型のマーケティングがお得意です。

米国でも、東海岸と西海岸の大都市限定ですが、アマゾンやグーグルが、3万円ないし1万円の年会費と一定の購入金額(3,500円ないし1,500円)が前提の宅配サービスを開始しています。アマゾンは生鮮食品や近所のレストランの料理の宅配に焦点を合わせ、グーグルは即日配達に力点を置いているようです。

アマゾンの宅配サービスの訴求メッセージのひとつは、米国のホームページなどを拝見すると、”Shop Comfortably. No more driving, parking, and lugging” (「買い物のための運転や駐車やカートをゴロゴロは必要ありません。買い物は心地よく。」)で、両国ともお年寄りが増えているという事情が共通していると云うことはあると思いますが、宅配を評価する消費者ニーズと、そうした消費者ニーズに対応するための企業のマーケティング内容が似てきつつあるようです。

しかし、こういうコンセプトは、日本では昔からあって、かつて酒屋さんなどは、出前、御用聞きが得意でした。そういうかつての優雅な「ビジネスモデル」を、1970年代から市場を席巻してきたコンビニチェーンが徐々に消滅させたのですが、今度は「消滅させたその当事者」によって「いったん消滅したモデル」が復活させられているという、けっこう皮肉な事態になっています。

外部不経済という考え方があります。公害がその典型例です。企業の排出する汚染物質によって外部環境が汚染された時に、企業が自分で負担すべき内部費用(たとえば、汚染物質の除去費用・処理費用)を自己負担せずに、汚染を外部環境に丸投げする。行政はしかたないので税金などを使って汚染の除去やその他の対策に努める。こういう企業の内部費用が外部化されて外部環境が被害をこうむった時、これを外部不経済と呼びます。

デパートやコンビニやスーパーやその他の小売店や量販店で商品を消費者が買った場合、たいていは、その商品は、消費者がお持ち帰りすることになっています。もっとも、別途配送料を負担すれば、自宅まで届けてくれますが。

この状況を冷静に描写すると、いささか牽強付会ですが、こういう解釈も成り立ちます。お店は、商品をお客の自宅に届けるというサービス行為を、お客に勝手にアウトソーシングしている。お客はアウトソーシングの受託代金は受け取っていない。これは、内部費用の外部化です。配送を頼むと配送料がかかるので、これは外部不経済です。

上述の太平洋の両側のいろいろな供給側プレーヤーが、自覚的にこの外部不経済の解消を目指して、無料配送や一定の条件付きの無料配送に取り組んでいるのかどうかは知りません。しかし、そこに踏み出すかどうかがシェア獲得やシェア維持の条件になりつつあるということは確かそうです。

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2015年7月 8日 (水)

自宅で楽しむラベンダー

この季節は、鉢植えでもいいので身近にラベンダーがあると気持ちがいいものです。紫色の濃淡が、晴れた日にも曇った日にも、それぞれに楽しめます。満開になる少し前が美しい。ラベンダーは切ってしまうとすぐにダメになる。切り花にはあまり向いていない。ライブで喩しむに限ります。

最初の写真は、去年の12月中旬の雪の日のラベンダー。二枚目は、その同じラベンダーで、この前の日曜日のお昼前の様子。富良野生まれなので寒さには強いです。

ラベンダーは大きな絨緞のように面でいっぱいに広がるとゴーカケンランですが、そういうのは富良野のラベンダー畑にでも行かないとお目にかかれない。ふらりと日帰りのラベンダーツアーバスにでも飛び乗ってみますか。

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2015年7月 7日 (火)

木登りの女の子たちからもらったサクランボ

配偶者と土曜日午後の散歩の途中である遊歩道に入ったら、すぐ先の歩道に熟したサクランボがいっぱい落ちていました。誰かがサクランボの入ったパッケージを落としたのが道にころがって、拾わずにそのまま歩き去った跡かなと一瞬思いましたが、そういう様子ではありません。

目の前に大きな桜桃(あるいは実桜の樹)が一本あり、見上げると熟したサクランボがいっぱいなっていました。小学校高学年くらいの女の子三人組が、その実桜の樹に登ろうとしています。男の子はいません。多分、サクランボ狩りをするのでしょう。軽やかな樹の登り方です。昔を思い出しました。

しばらく散歩をつづけた後、そこに戻ってくると、女の子たちは木登りの成果を草の上にいっぱいならべてあります。「おじさんたち、サクランボ持っていかない?わたしたち、いっぱい食べてもう食べられない。そこにあるの全部あげる。」洗わずにそのまま食べたようです。無農薬だからいいか。子供のころはそうです。実っているのをそのまま食べてしまう。まあ、観光客相手の果樹園のサクランボ狩りもそうですが。

「ありがとう。」お礼を言い、袋も何もないので、全部は無理。配偶者とぼくがそれぞれ左手の掌でつくったお椀に入る分だけいただいて帰りました。

それを水洗いしたのが下の写真。品種は不明。これがたとえば佐藤錦なら、1,000円はする量です。食べてみました。甘くておいしいサクランボでした。女の子たちはひとり2,000円分くらい味わったのかもしれません。それにしても木登りの上手な女の子たちでした。大きくなってセンスのある料理系女子になるかもしれません。

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札幌近郊の余市町や仁木町は、山形県には及びもつきませんが、おいしいサクランボの産地です。しかし、サクランボの樹が札幌市内で街路樹の一本として育っているというのは、誰かが「花の桜」と「実の桜」を間違えて植えてしまった結果なのかとも思いましたが、いろいろと調べていると、サクランボの産地であるところの山形県・寒河江(さがえ)市のホームページの「さくらんぼの歴史(国内)」と題する箇所に出会いました。

そこに以下のような記述があります。

「七重官園 (ななえかんえん): 明治元年、日本に初めてさくらんぼを導入した(プロシア人)ガルトネルは、渡島国七重村(現在の北海道七飯町)に農場を開き、果樹栽培をはじめとし本格的西洋農業を試みた。この開墾地は明治4年ガルトネルが去った後も、官園として北海道の農・畜・蚕業の基礎を築いた。」

七飯(ななえ)町は、函館の北側にある町ですが、そこから、余市、仁木、札幌とサクランボが伝わってきた。そういう歴史を背景に、誰かの明確な意思のもとで、札幌の街路樹の一本としてサクランボの樹が植えられた。そして現在、その大きな樹に元気な女の子がよじ登ってサクランボ狩りを楽しんでいる、と考えると、全部がすっきりと落ち着いてきました。したがって、そういうことにしておきます。

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元気な女の子たちが登ったサクランボの樹(女の子たちからサクランボをもらった翌日に撮影)

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2015年7月 6日 (月)

平成13年3月発行の「おいしい北海道米 生産ハンドブック」と「ゆめぴりか」と「ゆきひかり」

北海道米高水準食味確立緊急対策協議会という漢字がいっぱい連なった協議会が発行した「おいしい北海道米 生産ハンドブック」と云うのがあります。

平成13年発行なので、今から14年前にリリースされた北海道米の生産に関するハンドブックです。ブランドを北海道以外にも浸透させつつある「ゆめぴりか」のような最近の北海道米の活況をご存知の方には、現在の知識とこのハンドブックの中に書かれている情報をつなぎ合わせると、「ゆめぴりか」にいたる北海道米の開発経緯が大ざっぱに俯瞰できます。

ハンドブックで取り上げられている北海道米は、うるち米が「イシカリ」「キタヒカリ」「ゆきひかり」「きらら397」「ほしのゆめ」など12種、もち米が2種類、比較対象としての道外(うるち)米は「ササニシキ」「コシヒカリ」「あきたこまち」です。「ゆきひかり」は、現在もニッチ米として細々と生産されていますが、「イシカリ」や「キタヒカリ」などは消えてしまいました。

このハンドブックは、美味しいお米とはどういうものか、から語り始めます。
 
<さて、おいしい「ごはん」、おいしい「お米」とはどのようなものでしょうか? お米のおいしさ「食味」は、炊いたごはんの白さ・ツヤ(視覚)、香り(嗅覚)、甘みなどの味(味覚)、粘り・口当たり・舌ざわり(触覚)など、五感のうち聴覚を除いた四感を総合したものとされます。その中でも、近年では「コシヒカリ」に代表されるように、おいしさのポイントは「つや」と「粘り」にあるとされています。>

お米の美味しさのポイントは、70年代以降は、「つや」と「粘り」であり、70年代以降に合意されるようになった米の美味しさを体現しているのが「コシヒカリ」なので、ベンチマーク対象は当然、デファクト・スタンダードであるところの「(新潟)コシヒカリ」です。

<では、ごはんの「粘り」はどのように決まるのでしょうか?・・・(中略)・・・通常の日本のお米(うるち米)は、アミロースを17~23%含んでいますが、アミロース含有率が低いほど粘りが強く、逆にアミロース含有率が高いほど、粘りの少ない硬いごはんになります。ちなみに、もち米はアミロースを含んでいないので粘りが強いわけです。>

<もう一つ、ごはんの粘りに影響する成分に蛋白含有率があります。・・・(中略)・・・蛋白含有率が低いほど食味の評価が高く、蛋白含有率の増加にともなって食味は直線的に低下することがわかります。また、同一蛋白含有率で比較すると、「きらら397」よりも「ほしのゆめ」の方が食味が良いことがわかります。・・・(中略)・・・米のおいしさの評価は基本的にはアミロースと蛋白を考えておけば良いでしょう。>

では、昔の北海道米や、このハンドブックが発行された頃の北海道米のレベルはどうだったか。

<昔の北海道米のアミロース含有率は、日本の品種の中でもかなり高いレベルにありました。・・・(中略)・・・一歩ずつアミロース含有率が低く、食味の良い品種が育成されてきました。>

上をもっと日常的な日本語に翻訳すると、昔の北海道米はほとんど「猫跨(また)ぎ」だったが、だんだんと猫が跨がなくなってきた、ということです。

<北海道米もたいへんおいしくなりました。・・(中略)・・品種改良の効果によって、20年前の主力品種「イシカリ」から比べると、粘りと食味が明らかに向上しています。「ほしのゆめ」の実力は、「ササニシキ」と同程度にまで達しています。また、近年は気象にも恵まれ、北海道米はかつての夢であった「ササニシキ」にも優る高い評価を受けています。>

蛇足ですが、1年ほど前から、我が家では「ゆきひかり」をとても細かく挽いた米粉をクッキー作りに使っています。その「ゆきひかり」の食味評価もそのハンドブックに実にあっさりと記述されています。すなわち、<「ゆきひかり」は食味の面ではふた昔前の品種です>。

だから、北海道米をもっと美味しくするためには、

<低温の年でもアミロースを低く保ち、粘っておいしいお米を作るには、ダル遺伝子などを活用した低アミロース品種の育成が必要です。> と、同時に、

<蛋白はアミロースに比べれば、施肥法などの栽培技術で調節できる成分といえます。 したがって、北海道米の食味・品質の地域間・地域内の変動を小さくするには、当面蛋白をターゲットとして、これを低下させる技術の開発と普及を進めていく必要があります。>

こうして、アミロース含有率とタンパク含有率の少ない品種が開発され、同時に栽培技術も改良され、そして「ゆめぴりか」が登場します。

以下は、<平成24年「ゆめぴりか」作付け生産者の皆様へ>と題したパンフレットの一部を引用したものです。以下の図を、ハンドブックから引用した今までの記述につなげると、新潟コシヒカリに追いつき追い越せと頑張ってきた過去40数年の北海道米の大ざっぱな軌跡になります。

なお、このガイドブックはWEBで見られます。

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【註】この図の説明は少しわかりにくのですが、アミロース含有率が19%未満で、かつ、タンパク質含有量が7.5%未満なら問題なく「白くつやつたとした、粘りのある」良食味の「ゆめぴりか」です。しかし、アミロース含有率が19%以上であってもタンパク質含有率がぐんと下がって6.8%以下なら、新潟コシヒカリに匹敵するおいしさになるので、良食味の「ゆめぴりか」と判断するという意味です。

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2015年7月 3日 (金)

原材料が全部北海道産の、手作りお土産クッキー

北海道ではないところで暮らすお世話になった方にお会いするときのお土産に、北海道で知名度の高いお菓子類をお持ちするのもいいのですが、それよりも、すべての原材料が北海道産の手作りクッキーをさしあげた方が喜ばれます。クッキーを焼くのは配偶者で、ぼくの役目はラベル作りです。

食品衛生法規格基準に適合した菓子用の袋と脱酸素剤は用意してあるので、あとは中に入れる原材料の種類に応じて、手作りラベルの内容を変えるだけです。今回は、シンプルな米粉クッキーと粗挽きした紅茶を加えた紅茶バージョンとココア・バージョンの組み合わせ。それ以外に、生姜バージョン、緑茶を粗挽きした緑茶バージョンも作ります。

表に左側の赤字のラベルを貼り、裏に右側の黒字のラベルを貼り、脱酸素剤を入れて、パッケージ用の電気器具で熱シールをすれば、袋詰めのクッキーができ上がります。

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(【註】実際には「高いお米、安いご飯 謹製」ではなく、「□□□ 謹製」と印字したラベルを使います。「高いお米、安いご飯」はブログ記事用見本です。)

使った米粉は「ゆきひかり」というお米をとても細かく挽いたもの。「ゆきひかり」は、北海道のマイナーなお米で、コシヒカリ系の粘りのあるお米ではなく、昔風の、粘りの少ないタイプのうるち米です。

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   今回の米粉クッキー(シンプル版+ココア版+紅茶版)

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        これは、以前作った「緑茶バージョン」

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2015年7月 2日 (木)

味噌の発酵具合を様子見

今年の一月末に何回かに分けて仕込んだ味噌の様子を見てみました。発酵の進み具合を確認するためです。甕(かめ)の置き場に近づいた時のほのかな香りで順調に発酵しているであろうことはわかっていますが、今年は過去数年とは違う産地の「米麹(こめこうじ)」を使ったので、念のためのチェックです。

適当な甕(かめ)をひとつ選び、上蓋をとり、「溜まり(たまり)」の具合をチェックし、重石をどけ、重石の下で味噌を中蓋としてカバーしている昆布も、焼酎で丁寧に消毒したステンレスボールに一時退避させ、熟成中の味噌の色合いや香りを確かめます。必要なら部分的な天地返しも軽くするつもりです。

熟成中の今年の味噌は例年よりも色が淡いようです。発酵の具合には問題がないので、いつものよりは、穏やかな色に発酵させるタイプの麹菌だったのだと思います。昆布と重石を元に戻し、上蓋を締めます。

今年仕込んだ味噌はすべて上蓋を外して仕掛中の様子を確かめました。結構です。確認作業をした台所のあたりが味噌の匂いでいっぱいになりました。

半年の熟成くらいで食べ始める気の早い方もいらっしゃいますが、味噌や梅干しに関しては気の長い我が家では一年間は手を付けません。熟成期間を長くし、できる範囲で二年物を多くします。

今年の冬に、また、様子見です。そのときには本格的に天地返しをするつもりです。

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2015年7月 1日 (水)

モンシロチョウと原始林

荘子の「昔者(むかし)、荘周は夢に胡蝶と為る。栩栩然(くくぜん)として胡蝶なり。」における夢と胡蝶は、ぼくは勝手に荘周が午後に昼寝をしていたときの胡蝶だと考えているので、ひらひらと舞うモンシロチョウが一匹というのが似つかわしい光景です。大きなアゲハチョウだと、夜の蝶になってしまって気分が出ない。ぼくにとってモンシロチョウはそういう種類の蝶々です。

札幌市の中心部に北海道大学が管理している植物園があります。その植物園は、もともとそこに自生していた植生(原始林)をそのまま使っているので、針葉樹も少しはありますが、ハルニレなどの落葉広葉樹が圧倒的に多い。植物園の周りを取り囲む歩道に近づいたら、濃い緑の樹木の中をモンシロチョウが乱舞しているのが目に入りました。その数500匹くらい。その落葉広葉樹の林のなかを白い点みたいなのがフワフワと飛び回っています。

緑の樹木を背景にたくさんの白いひらひらが舞うさまはのどかです。しかし、モンシロチョウの数が現在見ている光景の倍になった状況を想像すると、ある種の不気味さが湧いてくるのを感じました。

烏(カラス)がいっぱい群れている場所を横切るのは不気味なものです。彼らは実際にヒトや小動物や鳩を襲います。しかし、モンシロチョウの乱舞の想像から感じた不気味さは、ヒチコックの「鳥」の不気味さとは似て非なるのもがあります。モンシロチョウはヒトや動物を襲わない。では、この不気味な感じ、非日常的な感じはいったいにどこからくるのか。

空の裂け目、存在の裂け目みたいなものがそこにあり、そこから白いひらひらが次々と湧いているといった雰囲気があります。

目の前にある樹木の林は植物園として人の手が入っているとはいえ原始林です。ひょっとして、二千年前、一万年前の原始林を舞っていたモンシロチョウが時間の裂け目から出現し、現在のハルニレの前でひらひらと遊んでいるのかもしれません。しばらく、白いふわふわの群れを眺めていました。

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