« ホップのアーチ | トップページ | 味噌の発酵具合を様子見 »

2015年7月 1日 (水)

モンシロチョウと原始林

荘子の「昔者(むかし)、荘周は夢に胡蝶と為る。栩栩然(くくぜん)として胡蝶なり。」における夢と胡蝶は、ぼくは勝手に荘周が午後に昼寝をしていたときの胡蝶だと考えているので、ひらひらと舞うモンシロチョウが一匹というのが似つかわしい光景です。大きなアゲハチョウだと、夜の蝶になってしまって気分が出ない。ぼくにとってモンシロチョウはそういう種類の蝶々です。

札幌市の中心部に北海道大学が管理している植物園があります。その植物園は、もともとそこに自生していた植生(原始林)をそのまま使っているので、針葉樹も少しはありますが、ハルニレなどの落葉広葉樹が圧倒的に多い。植物園の周りを取り囲む歩道に近づいたら、濃い緑の樹木の中をモンシロチョウが乱舞しているのが目に入りました。その数500匹くらい。その落葉広葉樹の林のなかを白い点みたいなのがフワフワと飛び回っています。

緑の樹木を背景にたくさんの白いひらひらが舞うさまはのどかです。しかし、モンシロチョウの数が現在見ている光景の倍になった状況を想像すると、ある種の不気味さが湧いてくるのを感じました。

烏(カラス)がいっぱい群れている場所を横切るのは不気味なものです。彼らは実際にヒトや小動物や鳩を襲います。しかし、モンシロチョウの乱舞の想像から感じた不気味さは、ヒチコックの「鳥」の不気味さとは似て非なるのもがあります。モンシロチョウはヒトや動物を襲わない。では、この不気味な感じ、非日常的な感じはいったいにどこからくるのか。

空の裂け目、存在の裂け目みたいなものがそこにあり、そこから白いひらひらが次々と湧いているといった雰囲気があります。

目の前にある樹木の林は植物園として人の手が入っているとはいえ原始林です。ひょっとして、二千年前、一万年前の原始林を舞っていたモンシロチョウが時間の裂け目から出現し、現在のハルニレの前でひらひらと遊んでいるのかもしれません。しばらく、白いふわふわの群れを眺めていました。

人気ブログランキングへ

|

« ホップのアーチ | トップページ | 味噌の発酵具合を様子見 »

季節と時節」カテゴリの記事

花と存在、存在と花」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1317632/60552771

この記事へのトラックバック一覧です: モンシロチョウと原始林:

« ホップのアーチ | トップページ | 味噌の発酵具合を様子見 »