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2015年7月 9日 (木)

商品のお持ち帰りは外部不経済?

日本ではローソンやセブンイレブンのようなナショナルブランドのコンビニが、お弁当や総菜や生鮮食品の無料宅配サービスを始めています。札幌の地元の生協は気が利いていて、もっと前から似たようなサービスを提供しています。札幌は、地元のコンビニチェーンも生協も、地域密着型のマーケティングがお得意です。

米国でも、東海岸と西海岸の大都市限定ですが、アマゾンやグーグルが、3万円ないし1万円の年会費と一定の購入金額(3,500円ないし1,500円)が前提の宅配サービスを開始しています。アマゾンは生鮮食品や近所のレストランの料理の宅配に焦点を合わせ、グーグルは即日配達に力点を置いているようです。

アマゾンの宅配サービスの訴求メッセージのひとつは、米国のホームページなどを拝見すると、”Shop Comfortably. No more driving, parking, and lugging” (「買い物のための運転や駐車やカートをゴロゴロは必要ありません。買い物は心地よく。」)で、両国ともお年寄りが増えているという事情が共通していると云うことはあると思いますが、宅配を評価する消費者ニーズと、そうした消費者ニーズに対応するための企業のマーケティング内容が似てきつつあるようです。

しかし、こういうコンセプトは、日本では昔からあって、かつて酒屋さんなどは、出前、御用聞きが得意でした。そういうかつての優雅な「ビジネスモデル」を、1970年代から市場を席巻してきたコンビニチェーンが徐々に消滅させたのですが、今度は「消滅させたその当事者」によって「いったん消滅したモデル」が復活させられているという、けっこう皮肉な事態になっています。

外部不経済という考え方があります。公害がその典型例です。企業の排出する汚染物質によって外部環境が汚染された時に、企業が自分で負担すべき内部費用(たとえば、汚染物質の除去費用・処理費用)を自己負担せずに、汚染を外部環境に丸投げする。行政はしかたないので税金などを使って汚染の除去やその他の対策に努める。こういう企業の内部費用が外部化されて外部環境が被害をこうむった時、これを外部不経済と呼びます。

デパートやコンビニやスーパーやその他の小売店や量販店で商品を消費者が買った場合、たいていは、その商品は、消費者がお持ち帰りすることになっています。もっとも、別途配送料を負担すれば、自宅まで届けてくれますが。

この状況を冷静に描写すると、いささか牽強付会ですが、こういう解釈も成り立ちます。お店は、商品をお客の自宅に届けるというサービス行為を、お客に勝手にアウトソーシングしている。お客はアウトソーシングの受託代金は受け取っていない。これは、内部費用の外部化です。配送を頼むと配送料がかかるので、これは外部不経済です。

上述の太平洋の両側のいろいろな供給側プレーヤーが、自覚的にこの外部不経済の解消を目指して、無料配送や一定の条件付きの無料配送に取り組んでいるのかどうかは知りません。しかし、そこに踏み出すかどうかがシェア獲得やシェア維持の条件になりつつあるということは確かそうです。

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