いい品質の音と味わいのある音など
あるところでビリー・ホリデイ (Billie Holiday) が流れていました。今までの記憶にないタイプのいい音です。最近のCDでしょうか。
ここ数年のうちに発売された彼女のいくつかの組み合わせCDアルバムの中から、最近それらを買った人たちの評価も参考にして、2種類、購入しました。視聴者評価欄には、音質がとてもいいというコメントが多いようです。届いたCDのジャケットには Digitally remastered for optimum sound quality とあります。
たしかにいい音です。しかしデジタル技術で人為的にステレオ風に修正したような音なので、二本のスピーカーのまん中からも流れてくる彼女の声はまだいいとしても、楽器が無理をしている風に聞こえます。音の全体に風味が欠けている、とぼくには感じられます。
無理をしている感じの音なので、聴いていてもどうも落ち着かない。ずいぶん以前に購入したモノーラル版のCDアルバムを取り出しました。Yesterdays, I’ll be seeing you, Embraceable you, As time goes by, Strange fruit などを聴きます。味わいのある音です。モノーラルなのに音に深みがある。
旧訳は最近の読者の傾向と合わないということで、外国の古典文学作品が新しい日本語訳で登場することがあります。新訳版はたいていはわかりやすいのですが、旧訳版が持っていた文体の格調に欠けるものもあるようです。Digitally remastered for optimum sound quality のビリー・ホリデイは、古典の新訳版だと思いました。
新訳版で楽しみたい曲もありますが、ゆっくりと聴きつづけるなら旧訳版に限ります。
◇
ビリー・ホリデイの歌声が生理的に嫌いだという知り合いがいます。半分くらい、同意します。曲によって、たいていは彼女が歌いすぎるような場合、曲でなく、彼女の声そのものにうんざりとさせらることがあります。そういう場合のうんざり度に関しては新訳版でも旧訳版でも差はありません。念のため、モノーラル録音の As time goes by を聴き直してみました。ぼくには彼女のこの曲は、音量を絞って聴く方が合っているようです。
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