« 2015年9月 | トップページ | 2015年11月 »

2015年10月

2015年10月30日 (金)

サンスクリット語のアルファベットと、仮名の五十音

英語の辞書では、単語が「a, b, c ….x, y, z」の順番に並んでいます。日本語の辞書(いわゆる国語辞典など)は「あいうえお かきくけこ・・・」の順番で、ぼくたちはそのことに違和感を持ちません。要は辞書は、ある言語がアルファベット(ないしはアルファベットに相当するもの)を持つ場合は、その言語のアルファベットの順番に単語を並べるというのがぼくたちの長い間の約束事のようです。

「abc」のようなラテン系文字で表記された言語の辞書や簡易辞書風のつくりの用語集を見ると、単語や用語の並びの順番は「abcdefg…」であり、国語辞典の様に「あいうえお かきくけこ」の順番に並んでいるとは普通はぼくたちは考えない。サンスクリット(語)も利用者の利便を考えてラテン文字で表記されます。しかし、ぼんやりとそのラテン文字表記の辞書や用語集を見ると、頭の中では自動的に「abcdefg…」が語の順番のデフォになります。まさか、サンスクリットが「あいうえお」「あかさたなはまやらわ」の順番に並んでいるとは、最初は、想像もしません。

鈴木大拙の代表作のひとつに「Studies in The Lankavatara Sutra」(楞伽経りょうがきょう研究)があります。本の最後に80数ページの「A Sanskrit-Chinese-English Glossary」という用語集があり、便利なので必要に応じてときどき参照しています。「Karma」の項を見ると「Karma、業、act ・・・」、「Dharma」の項は「Dharma、法、the truth、the law ; for various shades of meaning attached to the term・・・」といった具合に主要仏教用語が簡明に用例付きで説明されています。ところで、この二つの項目の記載順は、「abc <d>…hij <k>…」の順番ではなく、Kで始まる「Karma」が先に来て、Dで始まる「Dharma」があとに続きます。

片仮名は、九世紀初めに、奈良の古学派の学僧たちが漢文を和読するために、訓点として万葉仮名の一部の字画を省略し付記したものに始まると考えられています(たとえば、「阿」の左側部分から「ア」、「伊」の左側部分から「イ」、「宇」の上の部分から「ウ」、江の右側部分からエ、於の左側部分からオなど)。余計なことですが、この発想は、中国の簡体文字 Simplified Chinese作成の発想となんとなく似ているな、とぼくは勝手に考えています。

さて、仮名(ここではその成立が古い片仮名を例にとりますが)は、その基本要素は文字の「形」と「音」です。「形」とは、たとえば「阿」の左側部分を借りた「ア」、「伊」の左側部分を持ってきた「イ」のことで、「音」とは「ア」の場合は「a」、「イ」の場合は「i」という発音です。しかし、ぼくの興味は、個々の仮名文字ではなく、以下のような仮名四十八文字(ないしは五十音)という構成が、つまり「アイウエオ」という順番、および「アカサタナハマヤラワ」という順番からなる文字構成が、どのようにしてできたのかということの方に向かいます。

       あ段 い段 う段 え段 お段
   あ行   ア  イ   ウ  エ   オ
   か行   カ   キ   ク   ケ   コ
   さ行     サ   シ   ス  セ    ソ
   た行     タ  チ   ツ   テ   ト
   な行     ナ   ニ   ヌ   ネ   ノ
   は行    ハ    ヒ   フ  ヘ    ホ
   ま行    マ    ミ    ム  メ    モ
   や行    ヤ   ■   ユ  ■   ヨ
   ら行     ラ   リ    ル   レ   ロ
   わ行    ワ   ヰ   ■  ヱ    ヲ
                           ン

調べてみると、片仮名四十八文字(あるいは五十音)の構成はサンスクリット語のアルファベットを参考にしているらしい。サンスクリット語のアルファベットとは以下のようなものです。サンスクリット辞書(や用語集)は、単語や用語がこのアルファベットの順番で、つまり左上から右下にかけての順番で、並んでいます。

B

この表と仮名五十音図を見較べてみます。母音は、ラテン文字で表すと、a、ā、i、ī、u。ū、ṛ、ṝ、ḷ、ḹ、e、ai、o、au で、日本語が直接に対応しない母音もありますが、日本語対応母音は「あいうえお」の順に並んでいます。また子音の配列も (母音)、 k、kh、g、gh、ṅ、c、ch、j、jh、ñ、ṭ、ṭh、ḍ、ḍh、ṇ、t、th、d、dh、n、p、ph、b、bh、m、y、r、l、v、ś、ṣ、s、h となっており、当時の「ts」に近かった「さ行」や、それ以前では「f」よりも「p」に近かった「は行」の発音を考えると、また「y」が「ヤ」、「r」が「ル」(ルの「あ段」は「ラ」)、「v」が「ワ」という発音に相当することを考えると、この順番は「あかさたなはまやらわ」です。

念のために、サンスクリットのアルファベットと仮名五十音(の一部)を重ね合わせてみると次のようになります。

B

片仮名の起源は九世紀初めの奈良の古宗派の学僧たちの漢文和読だと書きましたが、当時、サンスクリット(悉曇 しったん)を詳しく知っているのは、南都六宗や密教系の僧侶の一部や仏教に造詣の深い帰化人だけでした。そういう人たちが、サンスクリットのアルファベットを参考に、「あいうえお」「あかさたなはまやらわ」「ん」という五十音(あるいはその基礎)を作り上げたのでしょう。

そして、いつのころか、この仮名四十八文字の全部が重複なく使われて、無常感の漂うきれいな歌になりました。「色は匂へど 散りぬるを 我が世誰ぞ 常ならむ 有為の奥山 今日越えて 浅き夢見し 酔ひもせず」。

さきほどの「A Sanskrit-Chinese-English Glossary」という用語集に関して云えば、万葉の時代の発音らしきもので「あいうえお」「あかさたなはまやらわ」と云いながらページをめくると、目的のサンスクリット語の単語や用語に楽に到達できます。

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月29日 (木)

黄檗山(おうばくざん)萬福寺と黄檗希運(おうばくけうん)の語録

京都七福神めぐりという確か京都駅を出発するお正月限定の観光バスツアーがあり、十数年前に配偶者といっしょに参加しました。丸一日かけて七福神をめぐるのですが、布袋尊(ほていさん)には宇治市にある禅寺の黄檗山(おうばくざん)萬福寺(まんふくじ)で出会えます。モノの本によれば、太鼓腹と笑顔の絶えないこの御仁は、外出する時はいつも大きな布袋(ぬのぶくろ)をかついで物乞いをし、貰ったものは何でもその袋の中に放り込んでしまうので、布袋(ほてい)と呼ばれるようになったそうです。

それが最初に訪れた萬福寺でした。到着したのが遅めの午後ということもあって、境内の部外者が立ち入れるあたりには、バスツアーの三十人足らずの乗客以外は見あたりません。三十人足らずの乗客も、めいめいが個人であるいは二人連れで勝手に歩くのでお互いに邪魔にはなりません。ある建物の一画から修行中の若い僧の声が響いてきます。

二度目の萬福寺は、ある所用を片づけたあと宇治まで足を延ばしたときで、数年前のことです。修復工事前の平等院鳳凰堂と萬福寺が目的地でした。萬福寺を訪れたのが週日の遅めの午後という時間帯だったためか、ぼくたち二人のほかには観光客風の人影は見あたらず、回廊をめぐっていた時に建物の内部から修行中と思われる若い僧の声が流れてきました。ぼくにとって萬福寺の記憶といえば、若い僧の修行中の声です。

英語で書かれたある本の翻訳を久しぶりに読み直したのがきっかけで、九世紀前半から半ばにかけて活動した唐の禅僧、黄檗希運(おうばくけうん)の語録「伝心法要」の一部に再び出会いました。最初の出会いの記憶はほとんどありません。語録といっても、杖と喝がちりばめられた種類ではなく、黄檗希運と語録の編者の斐休(はいきゅう)の資質がそういう方向で一致していたからだと思いますが、哲学的な色彩、形而上学的な雰囲気の濃いものです。

哲学書のような内容なので、禅の語録としては人気がないのでしょうか、文庫本などは初版が戦前発行の、現在では廃版になったものしかありません。しかし、John Blofeld という英国人の手になるこの語録の英訳本があることに気づき、1958年に出版され現在でも販売され続けているその英訳本に目を通しました。よくわからないところもあるのですが、「Enlightenment(悟り)とは、概念化によってすぐにわれわれが陥ってしまう主体と客体の Dualism(二元論)から自由になること」といった思いを軸に翻訳されているので、そういう意味ではわかりやすい。

先日、かつて禅の語録の一冊として出版された「伝心法要」の中古本が手に入りました。原文(漢文)に読み下し文と語句解説と日本語訳を付け加えたもので初版は1969年。著者は入矢義高。十年くらいあとで廃版になっているようです。語句の解説と日本語の訳文がすばらしい。「Dualism(二元論)からの自由」という調べの英訳本で準備運動をしていたので、その分だけわかりやすかったのかもしれません。十数年前と数年前にその声を聞いた萬福寺の修行僧たちは、それぞれの修行の場面で、主体と客体のDualism(二元論)から自由になれたのでしょうか。

Dualism(二元論)から自由であるとは、「伝心法要」の一部を引用すれば以下のようなことです。

『法はもともとそのものとして無法なのであるが、無法もまたそのものとして法なのである。今この無法を君に授ける時、永遠なる法が嘗て(かつて)法だったことがあろうか。』

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月28日 (水)

「コメ油」雑感

北海道の農産物の展示即売会の会場で、北海道産米だけをつかった「コメ油」に出会いました。ある知り合いも「コメ油」に関心を持っていたので、納得のいくものなら我が家でも使ってみてもいいかもしれません。調べてみました。関心の対象は、コメ油の抽出方法と、コメ油の脂肪酸特性です。他の機能性にはとくには興味はありません。

米糠(コメぬか)を袋に詰めて木の廊下を磨いた経験があるので、米ぬかに油分が含まれているのは子供の時分から知っていました。下の図が参考になると思いますが、コメ油は、お米そのもの(お米全体)ではなく、玄米を精米したときに発生する米糠(ぬか)から作ります。だから、以前、コメ油ではなく、正確を期して「米ぬか油」と呼んでいたことがあったそうです。しかし、「え?『ぬか』で作った油?」と云うことで消費者の印象が良くなかったそうです。つまり売れなかった。マーケティングというかネーミングの失敗です。

               Photo

米糠(ぬか)から油を絞ってみようという試行は江戸時代からあったようです。しかし、米ぬかに含まれる油分は20%未満と低く、オリーブや椿や胡麻(ごま)とは大違いで、石臼などで強い圧力をかけても搾り出すことは簡単ではありません。だから「コメ油」は、たいていは、圧搾ではなく、大量消費の一般的な植物油の製法がそうであるように、化学溶剤を使って米ぬかから油分を抽出し精製するという方法が採用されています。

実際に製造元まで問い合わせてみたところ、上述の北海道米の「コメ油」も、商品の値段や製造コストを考えると当然のことですが、化学的な抽出プロセスを利用していました。

油分の抽出方法の次の関心事は、「コメ油」の「脂肪酸」構成です。「脂肪酸」の構成とは、ココナッツ油に多く含まれる飽和脂肪酸、オリーブ油に豊富に含まれるオレイン酸のような一価不飽和脂肪酸、シソ油や亜麻仁油などに多いαリノレン酸のようなω-3系の多価不飽和脂肪酸、そして大豆油やコーン油にたくさん含まれているリノール酸のようなω-6系の多価不飽和脂肪酸などが、それぞれどのくらい、どのような割合で「コメ油」に含まれているかということです。

「日本食品標準成分表」の「脂肪酸成分表」で調べてみると、「コメ油」は「オリーブ油」に似ている部分もありますが、脂肪酸バランスは「胡麻(ごま)油」にとても近いということがわかります。

(熱を加えても酸化しにくいという意味で)熱に強い植物油と云えば、オリーブ油やココナッツ油です。ごま油も熱に強い。だから(ココナッツ油は味の好みが分かれるとしても)オリーブ油は加熱料理用植物油の定番ですし、天ぷらにはごま油です。コメ油も、熱に強い。

だから、すでにコメ油は「揚げもの」加工食品業界ではけっこうな人気があります。揚げせんべい・ポテトチップス・かりんとうなどの揚菓子やインスタントラーメンなど、コメ油はぼくたちが普段はとくにはその関連を意識しない加工食品で以前から幅広く使われています。

ということで、我が家としては、なしで済ませられるタイプの植物油だし、コメ油を使ったからコメの国内消費量が増えるというものでもなさそうなので、コメ油に冷蔵庫の一部の空間を用意することにはならない模様です。

□□

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月27日 (火)

北海道の小麦味噌

帯広の近隣の畑作物の町で丁寧に作られた「小麦味噌」に出会いました。出会った場所は札幌のあるデパートが会場になっている「大収穫祭」という定期イベント。北海道のとれたての農産物・畜産物やその加工食品が並びます。札幌市民の消費者ニーズに焦点を合わせた北海道物産展です。

我が家の目的はリンゴを箱でまとめ買いすることですが、リンゴ以外にいいものがあれば一定量を買います。今年はそれが「小麦味噌」でした。

味噌には三種類あります。米味噌と麦味噌と豆味噌です。大豆と米麹(こめこうじ)と塩を発酵・熟成させて作ったのが「米味噌」。大豆と麦麹と塩で作ると「麦味噌」(麦麹以外にいくぶんの米麹を混ぜた場合も「麦味噌」)。それから、大豆と塩(だけ)を発酵・熟成させたのが「豆味噌」です(「豆味噌」の場合、麹化した大豆が原料なので、大豆そのものが麹の役割も演じます)。

「米味噌」は全国各地でいろいろなヴァリエーションで作られていますが、「麦味噌」は九州全域と四国や中国地方の一部、豆味噌は「愛知・三重・岐阜」で愛好されています。

我が家で作り続けている味噌は「米味噌」ですが、「麦味噌」と「玄米味噌」も作ったことがあります。「玄米味噌」は「米味噌」の一種です。米味噌が白米の麹を使うのに対して、玄米で作った麹を使います。「麦味噌」は甘めに仕上がります。「玄米味噌」は米味噌よりも深い味わいになります。

「豆味噌」は、その代表はたとえば「八丁味噌」で、色が濃く旨みが強い。名古屋のある知り合いは朝も夜も、どんな味噌料理にも「八丁味噌」しか使いません。ぼくも名古屋で味噌煮込みうどんや味噌カツを食べたことがありますが、常食にしようとは思いませんでした。

さて、北海道の畑作地域で作られた麦味噌です。麦味噌の麦麹の材料は一般的には大麦か裸麦ですが、ここの麦麹は小麦を麹にしたものです。北海道は小麦の生産地です。

テーブルに米味噌と麦味噌と黒豆味噌の樽が並んでおり、手書きPOPには「二年寝かせたものです」。それぞれを味見しました。それぞれが二年間の熟成期間を感じさせる味わいになっています。米味噌は手前味噌があるので、1㎏の袋入り麦味噌を2袋購入しました。「すぐに使わないのは冷蔵庫か冷凍庫で保存してください。」

まじめに作った味噌は、袋などにパック詰めしたのを常温保存しておくと中で熟成が進み、袋が破裂しそうになるくらい膨らんでくるからです。かりにそうならない味噌があったら、それは添加物のいっぱい入った促成栽培の味噌です。

□□

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月26日 (月)

天日干しを終了、「へ」の字の大根を漬け込み(2015年版)

今年は、小ぶりな大根がほとんどだったので干し上がりペースが例年よりも早かったようです。毎朝、陽があたりはじめるころに観察していると、その進み具合がよくわかります。

土曜の夜中から日曜にかけて天気が大荒れ気味になり、日曜は雪まじりの雨が強くなりました。土曜の夜中に雨のあたらない場所に避難させてあった大根の具合を念のために確かめると、ほとんどが「へ」の状態で、多くが折り曲げると「つ」の字にしなります。

これ以上の天日干しは不要、日曜の午後に漬け込みました。漬け込みは、配偶者との協働作業です。したがって、今年の天日干し日数は8日間です。

大根29本の乾燥重量は9.6㎏で、生の状態の重量の41~42%くらいになっていました。58~59%の水分が抜けています。使った米糠(ぬか)は2㎏。米糠(ぬか)と混ぜ合わせる塩の分量は、大根の乾燥重量9.6㎏の4%で385g。米麹(こうじ)の分量は200g。それから鷹の爪。糠と大根を互い違いに層にしていき、上から重石をかけました。

まる一日、様子を見ます。日本酒はそれから適当な分量を注ぎ入れる予定です。日本酒を使うのは、穏やかな熟成を助けるためです。タクアンの味わいもよくなります。

_

          A
                              B_2

□□

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月24日 (土)

大根の天日干し、七日目の朝

大根を干し始めて七日目の朝の様子です。順調に干しあがっています。今年は、例年よりも冬が早そうなので、一週間早く干し始めたのですが正解だったようです。あるデパートも、今年は冬靴の発売を去年よりも一週間早めました。

途中、けっこうな雨降りの日が一日ありましたが、それ以外は晴天か薄曇り。しかし、あまりあてにならない天気予報によれば、週末から翌週初めにかけて、天気が崩れそうです。気温も相当に下がるらしい。きれいな「へ」や「つ」になるように、なんとか、あと四日くらいはいい天気がほしい。

8_c

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月23日 (金)

アグリカルチャとしての農業

農産物を基礎農産物と付加価値農産物に分けてみます。米や麦や大豆、ジャガイモやタマネギやニンジンやカボチャ、小松菜やキャベツや大根、卵やバターなど日常の食生活に不可欠な農産物は基礎農産物です。トマトやピーマンやリンゴも基礎農産物。一方、メロンやイチゴやマンゴーなど嗜好性の強い果実や外国人観光客も大好きな霜降り和牛などは付加価値農産物です。リンゴなどは基礎農産物と付加価値農産物の両方の特徴を持っているかもしれません。磨き上げた純米大吟醸の高級日本酒なども付加価値農産物加工品です。

農業は英語でアグリカルチャ Agricultureです。Agricultureの語源はラテン語で Ager = Field と Culture = Cultivate を合わせたもの。つまり、Cultivating the land 土地を耕す、というのがその言葉のもともとの意味です。ちなみに、文化は英語でCultureです。文化とは人の生活や心が、土地を耕すように「耕されたもの」という意味です。

農業や農産物を十把一絡げ(じっぱひとからげ)にするのではなく、基礎農産物をアグリカルチャ農産物、付加価値農産物をアグリビジネス農産物と呼び変えると状況は捉えやすくなります。

TPPの推進が大好きな安倍晋三首相や政府は、農業に関しては「守る農業から攻める農業への転換を図る」と姦しいのですが。攻める農業とは輸出する農業とほぼ同義語でしょう。上述の用語を使って言いかえてみると、「守る農業から攻める農業への転換を図る」とは

・「輸出のできない分野の農業には政府は関心がない」
・「アグリカルチャとしての農業には政府は関心がない、政府が興味を持ち支援したいのはアグリビジネスとしての農業だけである」
・「基礎農産物(アグリカルチャ農産物)はどこか外国から安いものを輸入すればよい。輸出競争力のある付加価値農産物(アグリビジネス農産物)や付加価値農産加工品だけを政府は支援したい」

ということになります。

TPPとは、リカードウの比較優位(比較生産費説)に政治的な色付けをしたもののことです。比較生産費説を現在の日本の農業用に響きのいい言葉で適用すると「守る農業から攻める農業への転換を図る」になります。日本はお金があるので、農畜産物や水産物はいつでも外国の供給国から安く買えることになっている、らしい。

主要各国の農業のGDP寄与率、穀物自給率の状況、そうした国が農産物の輸出国か輸入国かを概観してみます。各国ともアグリカルチャ農産物、基礎農産物であるところの穀物自給に関しては実にしっかりとしている。

Gdp_tpp

「守る農業から攻める農業への転換を図る」といった議論が登場するたびに、TPPや比較生産費説のお好きな方が日本農業のための参考事例として取り上げるのは、ほぼ例外なくオランダ(「蘭」)です。それもたいていは、植物工場でトマトとパプリカを生産する農業国としてのオランダです。

オランダは環境条件などでアグリカルチャ(土地を耕す)としての農業が難しいので、煙草や酒(ビール)や、植物工場生産のトマトやパプリカなどのアグリビジネス農産物に向かいました。オランダの主要輸出農産物は、煙草とチーズとビールです(FAO統計)。タバコとビールで儲けていることには、トマトとパプリカが好きな人は、触れたがらないようです。

□□

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月22日 (木)

ダイダイの果皮の混ぜ込みパンは大人の味

干し葡萄入りのパンはブドウパンと呼ばれています。干し葡萄の甘さが万人向きで、子供も大人も美味しくいただけます。

これ(写真)は干し葡萄の替わりに、細長く切ったダイダイ(橙)の果皮を固く煮詰めたのを細かく刻んで混ぜ込んだパンです。ダイダイの果皮の苦味が大人向きの味になりました。予想以上にすごみのある味です。今までホームベーカリーで焼いた混ぜ込みパンの中ではいちばんおいしい。わずかな甘さを含むところのこの苦味がたまらない。癖になります。

今年の1月に煮詰めたダイダイ果皮のストックはまだあるので、しばらくはこの苦味を堪能できます。小麦粉は「ハルユタカ」。天然酵母で膨らませます。

蛇足ですが、ダイダイの果汁はポン酢に使います。残った果皮を細長く切り、あまりべたべたしていないマーマレード風と云うかピール風と云うか、そういう感じにしたのが混ぜ込みパンに入ります。

Photo

□□

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月21日 (水)

糠漬けに白ナス?

野菜売り場に並んでいるナスのあの色のことですが、茄子紺と呼ばれている紺から紫にかけての抑えた派手さ感じさせる色があります。そういう色の着物や洋服の美人を街中で見かけると得した気分になります。

ナスの糠(ぬか)漬けは、その鮮やかな茄子紺をきれいに出せるかどうかが主婦(ないし、各家庭の糠漬け担当者)の腕の見せどころですが、ナスは自分の周りの糠床を黒っぽく染めてしまうのでナス専用の糠漬け容器を用意していないと、ナスとたとえばダイコンの糠漬けを同時に毎日のように食べるといった朝の贅沢がむつかしくなってきます。

一つの漬物樽や漬物容器でナスの糠漬けとその他の野菜の糠漬けをいっしょに作るには、茄子紺のナスを諦めて、白い色のナスを使うというのも手段のひとつではあります。茄子紺のナスの好きな人にとっては想定外の妥協ですが。

で、配偶者と行った野菜売り場で、糠漬け実験のために「白ナス」を買ってきました。札幌近郊の西洋野菜やハーブが得意な農家が栽培したものです。茄子紺でないところのナスの糠漬けは、ナスの糠漬けとしてはたして成立するものかどうか。試してみます。

               A

□□

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月20日 (火)

タクアン作りは大根の天日干しから

例年は10月最後の週に作業を開始することにしているのですが、今年は札幌は冬が早そうなので、先週の土曜日(10月17日)にタクアン用の大根を干しました。

今年は、幸運にも、地元の有機栽培農家から、比較的小ぶりな青首大根が34本手に入りました。そのなかでも長くて太めの5本を通常の食材に回し、残りの頃合いサイズの29本がタクアン用です。「へ」の字や「つ」の字になるまで天日干しします。(「つ」の字になるのは、干した大根をある程度力を加えてたわめた場合で、ぶら下がっているのが勝手に「つ」の状態になるわけではありません。)

晴れの日と曇りの日、途中に小雨の時間帯も予測すると、それまでの必要日数は二週間くらいです。今月の終わりから翌月初めに「へ」や「つ」の状態になったのを、米糠、塩、米麹、鷹の爪(唐辛子)といっしょに一斗(いっと)樽に漬け込む予定です。日本酒も不可欠。一斗樽と云っても、木の樽ではなく以前から使い続けている19リットルのホーロー容器です。

重石をかけて二か月以上は寝かせます。タクアンとして食べられるのは、来年の一月の半ばくらいから。札幌は春も寒いし、それに少しずつ食べるので、ゴールデンウィークくらいまでは自家製タクアンを楽しめます。

29_20151017_a
          今年は小ぶりな29本を天日干し

関連記事は「大根の天日干し、十日目の朝(2014年版)」、「干した大根の取り入れと漬け込み(2014年版)」。

□□

有機野菜・低農薬野菜宅配のらでぃっしゅぼーや。自然の恵みをうけて育った野菜や果物をお届け。 素材本来の味を食卓に。まずは安心食材を試してみませんか?

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月19日 (月)

透明感のある太めの蕎麦を、ざるの大盛りで

最近は外食として食べる好みのお昼ごはんは「ざる蕎麦」です。蕎麦屋というのはこだわりが強い店が多そうですが、ビジネスですから、かならずしもそういうわけではありません。以前、探すのが面倒なので所用先の手近な蕎麦屋で注文した午後一時半過ぎの「ざる蕎麦」は、蕎麦風味の細めの「うどん」というのがふさわしいような具合で、それ以来その店には近づいていません。

先日、夏と比べると観光客のいくぶん少なくなった北海道のまん中あたりの風光明媚な畑作地域の一画で、おいしいざる蕎麦に出会いました。麺は、透明感があり、太めで硬め。大盛りを注文したら「うちの大盛りはけっこう多めですよ」。つゆはぼくの好みの辛口で、お腹がすいていたのでちょうどいい按配でした。

近隣で生産された蕎麦を自家製粉した手打ちの蕎麦です。さらしな系ですが太いので意図した田舎の風味で、風が静かに流れる北海道のゆるやかな丘にふさわしい蕎麦だと思います。その蕎麦屋は、十一月に入ってまもなく(つまり、雪が来る前に)その年の営業は終わりらしいので、また食べようと思えば来年の四月以降と云うことになります。窓の外には、下のような景色が広がっていました。

_

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月16日 (金)

紅葉や黄葉は、雪の準備

札幌は落葉広葉樹の街です。考えてみたらあたりまえで、札幌はとんでもない大雪はないけれども雪の量はそれなりに多い。雪の中で葉をいっぱいつけていたら、いくら札幌の雪は粉のように軽やかといっても葉にまといつく雪の重みで樹が倒れてしまいます。

近所の、いつもお世話になっている美容室に襟裳(えりも)出身の若い男性従業員がいて、今年は冬が早そうだねという話から「札幌は雪が多いのでびっくりしました。」それを聞いたぼくの方こそびっくりです。襟裳(えりも)地方は風が強くて雪も軽いので、雪は風で飛ばされてほとんど積もらないそうです。つまり、札幌はそれなりに雪が積もる。

だから、落葉広葉樹としては、今年は例年よりも雪が早そうなので、葉を黄や紅にそめて早く葉を落として積もる雪の重さをやり過ごす必要があるのですが、そのプロセスを着実に実行中の種類の樹と、雪との折り合いに自信があるのか、ただぼんやりとしているのか、緑の葉をまだ風に揺らせている種類の樹があります。ゆっくりしていて大丈夫か、と聞いてみたくなりますが、彼らも長年の智恵があるので、季節の移りを楽しんでいるのでしょう。

Photo

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月15日 (木)

ドラム式全自動洗濯機の排水騒動

自分で家庭で洗濯をしない方、あるいは、したことのない方には、読んでもつまらない記事です。

この前の連休の午後、洗濯機(ドラム式の全自動タイプ、洗濯機と乾燥機は別々の方が使いやすいし効率的なのだが、設置場所というか設置空間の関係でしかたなくドラム式全自動タイプで妥協)のあたりから配偶者の「どうしよう」という悲鳴に近い声が聞こえたので、なにごとかと駆けつけると、洗濯機の前の床が軽度の「床上浸水」状態になっていました。

そのあたりの雑巾や使用済みのバスタオルなどを総動員して、薄ねずみ色のゴミが混じった水を取り除きます。なぜねずみ色のゴミが混じっているのかそのときはぼくにはわからなかったのですが、あとで乾燥ゴミが濡れたものだと判明しました。

以下は、その「床上浸水」までの経緯です。

① あるエラー番号が表示され、洗濯機上部に最初から(工場出荷時から)貼り付けてある簡易説明書で確かめると、排水関連の異常が発生したらしい。

② 乾燥フィルターにたまるゴミは毎回取り除いているし、排水フィルターにひっかかる糸くずなども毎回きちんと取り除いている。洗濯機からホースでつながった排水溝も毎週のように掃除している。原因がわからない。念のため乾燥フィルターをチェックし、排水溝もチェックし、異常が見あたらないことを確認した後、ねじ込み式の排水フィルターの詮を外したら、堤防の決壊状態になったそうです。

状況を整理すると、乾燥ゴミはすべてが乾燥フィルターに到着わけではなく、わずかずつ途中の管にたまっていき、あるとき洗濯の最中に自分の重さで洗濯漕に落下します。つまり、その瞬間以降の洗濯物は衣類とゴミが混じり合ったものになります。

濡れた乾燥ゴミがいっぱい混じった洗濯水が、糸くずなどを引っ掛ける役割を持った排水フィルターの方に流れていくのですが、大量のゴミのためにそこで詰まってしまい、排水が停止状態となる。すると、賢い洗濯機は排水関連のエラー番号を表示し運転を中断します。そこでユーザーが原因をチェックし最後に排水フィルターを掃除しようとそのねじ込み式の蓋を開けると、行き場のなくなった「濡れた乾燥ゴミ」が行き場を失った「水」と一緒に溢れ出し、洗濯機のまわりは洪水で「床上浸水」状態となります。

念のために洗濯漕のなかの衣類を見ると、ねずみ色のゴミがまんべんなく付着していました。当然です。

以前、洗濯機の修理で来てもらった白物家電のメンテナンス担当者に配偶者が確かめたところ、乾燥フィルターへの経路にたまる乾燥ゴミの除去は、乾燥フィルターの掃除や排水フィルターの糸ぐず除去といったユーザーが可能なメンテナンスの範囲外だと云われたそうです。理由は、そうするためには洗濯機の分解が必要で、それは一般ユーザーには無理だから。

念のため、こういう不測の事態を予防する方法がないのか、その全自動洗濯機のメーカーの「お客様相談センター」にぼくが問い合わせてみました。こういう問い合わせは配偶者よりも「消費生活アドバイザー」であるところのぼくの方が向いているという判断からです。

「消費生活アドバイザー」を企業では日本で一番多く抱えているそのメーカーの相談窓口の親切な女性は、ぼくの話を聴き、少し時間をかけて調べたあとで、乾燥フィルターにつながる管にたまった乾燥ゴミを取り出すには専門サービスマンによる分解修理しか方法はない、だから、今回のようなヤバそうな場合に排水フィルターをはずす時は45リットルくらいの大きなゴミ袋でたまった水とゴミの混合物を受け出すのが有効です、と答えてくれました。

全自動洗濯機の乾燥機能を使えば、乾燥ゴミは当然毎回発生するわけで、そして全部を乾燥フィルターまで届けられないので、途中に「デブリ」が定期的にできることもわかっています。しかし、その「定期的にできる」の具体的な時期がいつかは残念ながらわからない。ゴミが途中にたまってきたのでそろそろ分解修理ですよ、といった注意信号でも点けばいいのですが、そういう種類のお知らせはありません。今のところは、大きなゴミ袋か大きなステンレス容器による緊急対症療法しかなさそうです。

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月14日 (水)

料理自慢の温泉宿でもトレンドは甘い梅干し

ぼくのなかでは、甘い梅干しや甘い漬物、あるいは甘いイカの塩辛というのは自家撞着です。

特殊金属を加工して作ったゴルフの道具をウッドと云うのもある意味では自家撞着です。しかし、かつてヘッドが柿の木で作られていたので(鉄のアイアンに対して)ウッドと呼ばれたという背景や現物を実際に知らなければ、あるいはそういうことを気にしなければ、そういう形状のものをウッドと称するのだと深く考えずに納得する人たちも多いかもしれません。

同様に、梅干しは、梅と赤紫蘇と塩だけで作り少なくとも一年は甕(かめ)で寝かせる、味のまろやかさを求めるなら二年か三年は熟成させた方がいいといった梅干し作りの背景を知らなければ、塩の使用量が少なくて熟成期間が短いのをハチミツなどでさらに甘くしたのがまっとうな梅干しだと考える人たちが多くなるのも不思議ではないのかもしれません。なぜなら、近所のスーパーなどではそういう種類の梅干ししか手に入らないし、健康のためには減塩梅干し、ということになっているらしいからです。だから、消費者のニーズは甘い梅干しや甘い漬物、甘い塩辛などに向かいます。

温泉地の、懐石料理が自慢の旅館やホテルでも、ぼくの経験の範囲では、自家製の梅干しや漬物を用意してあるところは少ないようです。梅干しや漬物までは料理人の手がまわらないので、市販の人気筋を使うのでしょう。市販の人気筋なので、たいていは余計な甘さが加わっています。料理の食材選びや味付けや釜炊きご飯に発揮された技や繊細さが、梅干しや漬物(の選択)には残念ながら感じられません。最近ある宿泊施設で、自家製と思われる甘いイカの塩辛に出会い、それはそれで工夫された甘さだったとは思うのですが、甘さ選好トレンドもここまで来たかとちょっと興醒めでした。

下の写真は、二年物(左)と三年物(右)の自家製の梅干しです。色の違いは使った赤紫蘇の量が違ったからです。伝統的な塩の量で漬け込み、それなりの期間寝かせておいたのを普段食べていると、旅館の梅干しは「多分、そうだろうな」と思いながらごく少量を味見して、「ああ、やっぱり」。梅干しの賞味はそれでおしまいというもったいないことになります。

A2

□□

有機野菜・低農薬野菜宅配のらでぃっしゅぼーや。自然の恵みをうけて育った野菜や果物をお届け。 素材本来の味を食卓に。まずは安心食材を試してみませんか?

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月13日 (火)

札幌で、台湾や中国を旅行した気分になる方法

中国や台湾からの観光客の爆買いの現場に銀座のデパートや札幌の家電(ないしは薬の)量販店で遭遇したら、その買い物風景のすごさを異文化風景のひとつとして体験できるかもしれませんが、台北や香港や上海を一人や二人で私的な旅行をするような経験にはなりません。しかし、それに近い経験を10月上旬の札幌市内の紅葉の景勝地ですることになりました。

そこは、観光バスや乗用車が乗り入れられるのは途中の駐車場までで、あとは、紅葉を堪能しようと思ったら、ベンチ型の椅子に20人くらい座れるくらいの大きさの電気バスに乗り換えることになっています。電気バスを使うのは、道路の狭いところなので、環境保護を兼ねた交通混雑の防止のためだと思います。徒歩でも大丈夫ですが、バス料金は片道300円くらい。

ある知り合いの案内でその紅葉景勝地まで足を延ばし、小さな電気バスに乗り込みました。バスは何台かあり10分間隔で発着しています。そのバスは立っている乗客もいてほぼ満員なので、ぼくたちも立っているしかありません。ぼくたちを入れて乗客は30人程度。

バスの中で聞こえてくる会話はどうもすべて中国語で、中国語以外の言語をしゃべるのは運転手とぼくたちだけのようです。バスの先頭座席に寄りかかっている添乗員らしき中国人中年女性は、仕事馴れしすぎた感じのうるさいくらいの声でスマホの相手と話していますが、他の乗客は、そのバスに関しては、交わされる会話は二~三年よりは静かになったようです。以前は、こういう場合の会話は、隣どおしで交わされるというよりも、空間を激しく飛び交うタイプのものでした。

電気バスの運転手の中に日本語の得意な中国人らしき人もいて、そうなると、小型の電気自動車という点を別にすれば、台湾や中国の地元の人たちが利用するバスに日本人旅行者がたまたま紛れ込んだといった雰囲気です。10分程度の距離の終点には10分おきにバスが到着しますが、降りてくる乗客から聞こえてくるのはあいかわらず中国語だけ。札幌にいながら台湾や中国を旅行した気分になるには、こういう方法もあります。

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月 9日 (金)

配偶者の「もったいないので」(その3)

出汁(だし)をとったあとの鰹節と昆布をみじん切りにして、そこに梅干のきざみと胡麻を加えて炒ります。塩と醤油で好みの味に整えると、自家製ふりかけの完成です。

出汁をひくために、羅臼(らうす)の昆布をそれなりの枚数使ったときには、ひいたあとの昆布を食べやすい幅と長さに切りそろえ、ストックしてある実山椒なども入れて醤油ベースで味付けをすると、おいしい昆布の佃煮ができあがります。朝の炊きたてご飯といっしょにどうぞ。

               2015
                                   調理前の山椒の実

□□

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月 8日 (木)

配偶者の「もったいないので」(その2)

使い込んだバスタオルは、玄関などの床拭き雑巾に最高だそうです。ただし、適当な大きさにするのにハサミでジョキジョキと切ってしまうと、裁断部分がほつれて糸くずが出るので、最初にハサミで小さな切込みを入れ、後は頑張って手で裂きます。

以前、一時期ですが、ある外国のホテルに定期的に滞在したことがあります。そのホテルで使っていた男性掃除係りの掃除用具一式ワゴンのなかに、適当な大きさに引き裂いた使い古しのバスタオルが何枚もセットしてあるのが配偶者の眼に入ったそうです。それが彼女の「バスタオル雑巾」のきっかけです。

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月 7日 (水)

配偶者の「もったいないので」(その1)

スーツやジャケットやコート、ズボンやスカートを季節の終わりにクリーニングに出した時には衣類が汚れ防止のための透明のビニールカバーやビニール袋に覆われて戻ってきます。季節のものをクロゼットに収納するときは、衣類の健康のために不織布の衣類カバーに取り替えるので、その透明ビニールカバーは要らなくなります。

ビニールカバーの端を縛り、内側から外側にひっくり返して(inside out) 形を整えるとペットボトルなどの軽い容器向けビニール袋が出来上がります。その袋に、空になったペットボトルを積めてごみ出し場にもって行きます。もって行くのは、ペットボトルに限りませんが、いつの頃からかぼくの役割です。

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月 6日 (火)

10月上旬の日日草

淡いピンクと赤紫の日日草を買ったのは、6月下旬の花フェスタ(札幌中心部で開催される花と植物の展示即売会)です。確かひとつ150円でした。素焼きの小ぶりな鉢植えにそれぞれを植え替えて、それから3か月半経過しましたが、まだ元気に花を咲かせてくれます。

山頭火の椿は「傘にぽたり」ですが、日日草は、毎日、いくつかの花びらが音もなく地面に落ちて.います。しかし、新しいつぼみも同時に目に入ります。それほど冷え込まなければ、10月下旬までは楽しめそうです。

市役所の植え込みなどには、夏の間は日日草が長い列になって花を咲かせていましたが、秋の花ではないのですでに別の秋の花に置き換わっているかもしれません。我が家ではあと3週間くらいおつきあいするつもりです。

Photo

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月 5日 (月)

都市生活者としてのカラスとスズメ

近所の札幌のカラスに関して云えば、印象は良くありません。簡潔に形容すればかれらは、黒い暴力団、黒い強盗です。

熟れたばかりのミニトマトを強奪していく。ラベンダーの鉢植えから食用になる種などをほじくり出そうとして鉢植えをめちゃくちゃにする。樹木の多い公園には半グレの様な容貌でたむろしていて、実際、人に襲い掛かる場合もあります。鳩が犠牲になった現場に遭遇したことがある。恐ろしいくらいの数で建物や樹木にヒチコックの「鳥」のような不気味さを周囲にまき散らしたりもします。ネットで囲われたゴミ置き場も悠然と荒らします。誰が言いだしたかカラスが嫌いだとされる黄色いネットなど何の役にも立たない。彼らは鼻で笑っています。

しかし彼らのいいところもあって、それは、鳩の害を予防してくれることです。暴力団が飲食店などから徴収する用心棒代を「みかじめ料」といいますが、トマトやその他でカラスに「みかじめ料」を払っているせいか、鳩は我が家には近づきません。

「七つの子」はカラスの子を歌った大正十年(1921)の童謡です。作詞は野口雨情。「烏 なぜ啼くの 烏は山に 可愛い七つの 子があるからよ 可愛 可愛と 烏は啼くの 可愛 可愛と 啼くんだよ 山の古巣へ 行つて見て御覧 丸い眼をした いい子だよ」。大正10年のカラスは歌詞のような雰囲気を持っていたのでしょうか。カラスの子どもの眼は平成27年でもたしかに丸くてかわいらしい。しかし他の面では、大正10年の歌詞と平成27年の現実との差は大きい。

近所のスズメはかわいらしい。単独でないしは数匹で活動しているスズメを頻繁に見かけますが、空を低く飛ぶ姿も、ポンポンと跳ねるように歩く姿も愛らしいものです。しかし、スズメも集団になると特定の農作物(稲など)を勝手に食べてしまうという話も聞きますし、スズメはカラスのような都市生活者でもあるので、建物や住宅の一部に住みつかれて困っている人たちもいるらしい。

誰かが鳩かなんかのために小さな公園に撒いたに違いない餌を、鳩のいなくなった時についばんでいるのに出合ったことがあります。写真の白いのはパンくずかなんかでしょうか。このあと、二羽で白いごちそうを分け合っていました。ぼくにとっては、電線の見える木の枝で勝手に休憩しているその下の写真のような光景にいちばんスズメらしさを感じます。

いずれにせよ、多くのカラスとスズメは現在は都市生活者です。

Photo

                           P

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月 2日 (金)

呉音と漢音と唐音に関して雑感

ある言語が他の言語の影響を受けるということはよくあることです。英語は11世紀の半ばのノルマン征服以降フランス語の影響を受け、食べものや政治やその他の文化的な用語が豊かになりました(もともとの用語と重複する場合も多いので複雑になったとも云えますが)。漢文や漢字の教科書にたいていは最初のあたりに出てくることですが、日本語の漢字言葉は、歴史上、中国から三度にわたって異なる発音の影響を受けました。日本ではそれらを古いものから順番に、呉音、漢音、唐音と呼んでいます。

「和尚」は時代背景の古いそれなりの雰囲気を持った映画などでは呉音でワジョウと発音されていますが、禅宗の僧である一休を題材につくられた「一休咄」の現代版である一休さんのテレビ漫画などでは和尚(さん)は唐音でオショウ(さん)です。ちなみに漢音では和尚はカショウです。

「無明」は伝統的にムミョウと発音されます。同じ明でも「文明」はブンメイで、日本語としては明治期の若い用語です。和紙に記録された古い文書は「古文書」と称されますが、発音はコモンジョ。一方、明治以降の政府の「公文書」はコウブンショです。スポーツ選手の好きな言葉のひとつである「精進」はショウジン、精神分析の「精神」はセイシン。ぼくたちは学校教育を含め、なんとなくそういう使い方に日常生活で慣れ親しんでいます。そのあたりを使い分ける日本人の柔軟性は、どうも、半端ではありません。

仏教用語や律令用語にはもっとも古くに日本に入ってきた「呉音」が使われ、その後、遣唐使たちが唐の長安で話されていた発音を「漢音」として日本に持って帰りました。仏教の世界でも漢音の使用が政府主導(つまり、朝廷主導)で奨励されたようですが、人気が出ませんでした。「阿弥陀仏」は、呉音ではアミダブツ、漢音ではアビタフツとなります。「アビタフツ」ではゴツゴツと硬すぎて感じが出ません。それから、鎌倉時代以降、禅宗の留学僧や貿易商人らによって伝えられたのが唐音です。「南無阿弥陀仏」は唐音では「ナムオミトフ」、ほとんど外国語です。

一方、儒学ではそのゴツゴツとした「漢音」が用いられました。明治時代ころから欧米語の概念や観念や術語を翻訳した和製漢語は儒学の伝統に沿って漢音です。漢籍の素読で鍛えられた人たちが見事な和製漢語を作りだしました。現象、印象、権利、工業、通貨、鉛筆などは確かに漢音が似合っています。Economyを、経世済民を縮めて経済(ケイザイ)としたのもそのひとつでしょう。その「経」が般若心経(ハンニャシンギョウ)や経典(キョウテン)の「キョウ」だと、これも感じが出ません。

ぼくの欠点なのか、それとも現代の日本語の発音体系となじまないのか、呉音にはたとえば老若男女(ロウニャクナンニョ)のように発音しづらい用語がすくなくありません。しかしサンスクリット語などではたとえばヴィジュニャーナ(Vijn~a-na、漢訳は「識」)のようにニャという音を含む用語も多いので、平安くらいまでの昔の人は「ニャ」といった発音も気軽にこなしたのかもしれないな、と勝手なことを考えています。

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月 1日 (木)

八月下旬の橙(ダイダイ)と九月の酢橘(スダチ)

写真は上の左側が八月下旬の緑の橙(ダイダイ)、下が九月の酢橘(スダチ)です。

以前はポン酢作りに柚子やスダチやダイダイを使い分けていました。しかし、けっこう大量に作るので、ポン酢用の柑橘類は味と作業効率の両方のバランスを考えて、最近はもっぱらダイダイになりました。ただし、ダイダイは冬以降にいわゆる黄色とオレンジ色の混じり合ったようなダイダイ色になったのを使います(上の右側)。

スダチは箱買いしたのを冷蔵庫に保存してあったのを、新鮮で元気なうちにと思い一部を刺身用などにそのまま残して、あとは絞り汁のストックにしてしまいました。焼き魚や刺身には食べる直前にスダチを横に二つに切ったのを手でギュッと絞る楽しみがあった方がいい。スダチの深みのある緑が印象的だったので絞り作業にとりかかる前の様子を撮影。柚子胡椒のときの柚子の色合いと云い、柑橘類の濃淡のある緑色は見ていて飽きません。

82mm_f4  20140524_b

                     H

□□

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2015年9月 | トップページ | 2015年11月 »