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2015年11月18日 (水)

日本酒の温度帯とぼくの好みの温度帯

名刺サイズの宣伝媒体が数種類、札幌市内のあるデパートの日本酒売場の一画に並べられていました。「酒チェン CHANGE! 北海道の日本酒がうまい」というプロモーションの一環だと思います。「酒チェン」とは供給側の思いが入りすぎたような用語ですが、北海道庁のホームページには、「酒チェン」に関して次のような説明が載っています。 

 『かつて道産米の道内消費率は低迷していたが、道内消費率向上を目指した「米チェン」等のPR活動等により、現在では道内消費率が約8割に向上するなど、道内の「地産地消」に対する理解は着実に浸透してきている。
 しかし、お酒については道内における道産酒の消費割合が低い現状にあることから、北海道酒造組合とホクレンが中心となり、道民に北海道産の原料で作った美味しいお酒をもっと飲んでもらおうという消費拡大運動「酒チェン」の取組を道内各地で展開している。』

札幌の人たちは野球だと以前から読売ジャイアンツ・ファンが多かったので、日本ハムが札幌にやって来てもその人気がじわじわと浸透するまでには数年ほどかかったようです。これをプロ野球における「地産地消」の定着だとすると、米に関しても「地産地消」がデフォな状態になるには長い年月が必要でした。デフォとは、家庭の食卓では「ゆめぴりか」や「ななつぼし」が定番で、しかしたまには「新潟コシヒカリ」と浮気してみるかというような状況を指します。

北海道の酒米は歴史の長い方から順に「吟風 ぎんぷう」「彗星 すいせい」「きたしずく」の三種類です。北海道の食米は「ゆめぴりか」「ななつぼし」「ふっくりんこ」「おぼろづき」などいくつかの良食味銘柄がプロモーション活動や広告宣伝活動によって地元の消費者以外にも知られるようになりましたが、酒米が「山田錦」「雄町」や「五百万石」のレベルに達するのはまだまだ先のことかもしれません。で、名刺サイズの宣伝媒体です。

下はそのうちの一枚(「温度と口あたり」)をコピーしたものです。こういうのは、日本酒に関するムック本や趣味の雑誌の日本酒特集記事などが好んでとりあげる啓蒙的な主題ですが、よくまとまっているのでお借りしました。

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この絵で云えば、現在は消費者需要が多いのは、左側の三つ、つまり「冷え」です。どんな温度帯の冷えが好まれるにせよ、「冷え」用に造られた吟醸酒や大吟醸酒が大人気です。

右側の六つが「燗(かん)」です。「冷え」の勢いが強いので「燗」はおまけです。なくてもいのだけれど、とりあえず存続させておくか、そういう扱いです。嘘だとお考えなら、和食の食事処で日本酒のメニューをご覧になるといい。燗酒用には、醸造用アルコールを加えたものしか置いてない。醸造アルコールを使っていない種類で「燗をつけて」などとお願いしようものなら、この野蛮人め、というような視線が返ってきます。しかし、冷や、冷や、という割には生酒や大吟醸をガラス扉付きの冷蔵庫などに入れて温度管理をしている酒屋や小売チェーンの酒売り場は必ずしも多くはないようです。日本酒は生きています。ひんやりとした処に置いておかないと繊細な種類は味が台無しになってしまう。

さて、燗は「上燗」から「ぬる燗」です。北海道の酒米で北海道の蔵元が造った燗酒むきの純米酒(精米歩合が60%から65%くらいの純米酒)をそういう温度帯の燗で飲みたいというのが一消費者としてのぼくの希望で、その希望に沿ったお酒が最近は手に入るようになりました。けっこうなことです。「酒チェン」(日本酒の地産地消)という用語を使えば、「純米酒と燗」というニッチ市場の一部で「酒チェン」が進行中だということになります。

関連記事は「北海道の日本酒は北海道のぐい呑みで」。

 

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